ライブレポート|オンライン音楽フェス「BLOCK.FESTIVAL Vol.0」アーティストとリスナーが自宅でつながった4時間を振り返る


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4月18日(土)、block.fmが主催するオンラインフェス「BLOCK.FESTIVAL Vol.0」が開催された。アーティストの自宅から「LINE LIVE」上でライヴを配信し、リスナーに繋いだ4時間。48万人もの人が自宅にいながら音楽フェスを体感した、その一部始終をレポートする。
STAY HOME, STAY CONNECTEDをテーマに開催されたアーティストとリスナーの家を繋ぐフェス「BLOCK.FESTIVAL Vol.0」レポート
block.fmでオンラインフェスの構想が持ち上がってからおよそ2週間強。☆Taku TakahashiとShinichi OsawaによるTwitterのやりとりに端を発する「BLOCK FESTIVAL Vol.0」が開催された。新型コロナウイルス感染拡大の影響でクラブやライヴハウスが営業自粛となり、アーティストはライヴを公演中止・延期をせざるを得ない状況が続いている。そんな中で、アーティスト主導のアクションとして音楽の発信を続けることができないか、というアイデアをかたちにしたのがこの「BLOCK.FESTIVAL」なのである。ステートメントは以下の通り。

Vol.0と銘打って開催された今回のライヴはChara、Shinichi Osawa、Kan Sano、SIRUP、TENDRE、AAAMYYY、そして主催者である☆Taku Takahashiが出演した。ラインナップは☆Taku Takahashi自身の「お家にいながらも“フェス”らしさを体感できるようにしたい」という思いが反映されている。
開幕を告げるAAAMYYYによる繊細な歌声
☆Taku Takahashiのイントロダクションに続いて、トップバッターを務めたのはTempalayに参加し、ソロとしても活躍するシンガーソングライターAAAMYYY。「家なのに緊張する」と心境を吐露しつつ、Shin Sakiuraとの楽曲「このまま夢で」からスタート。ギターの弾き語りスタイルで美しい歌声を響かせた。
今回のフェスは「LINE LIVE」を介してリスナーがアーティストに応援アイテム(投げ銭)でサポートが送れるのも特徴のひとつ。オフィシャルTシャツや拍手といったこのフェス限定の応援アイテムが用意され、収益がリスナーからアーティストに還元される仕組みだ。始まって数分で、ファンからのコメントと応援アイテムが滝のように流れていく。
「ライヴするのでお隣さんに挨拶してきました。あたたかく快諾してくれた」と語るAAAMYYY。こういったご近所さんとのやりとりも、この状況で行われるBLOCK.FESならではの一幕だ。お家フェスにピッタリなSUUMOのキャンペーンソング「HOME」を演奏し、Beabadoobeeの「Disappear」、Clairoの「Bags」をそれぞれカバー。さらに初公開となるタイトル未定の新曲から、KANDYTOWNのRyohu「All In One」カバー、「EYES」と続き最後は「愛のため」。
ライヴ後の☆Taku Takahashiとのトークで、コロナ禍が収束した際にやりたいことは? という質問に対し、「ライヴがやりたい」と答えた。
BLOCK. FESTIVALご視聴くださった皆さまありがとうございました。また家の押入れにいらして下さいね。
1. このまま夢で
2. HOME
3. Disappear-bagsカバー(BEABADOOBEE-Clairo)
4. 新曲-All In One(Ryohu)
5. EYES
6. 愛のため#blockfestival @blockfmjp @takudj pic.twitter.com/RlLAik1Fe0— AAAMYYY//エイミー (@amy0aaamyyy) April 18, 2020
TENDRE、Kan Sanoによるエモーショナルなひととき
続くのは河原太朗によるソロプロジェクトTENDRE。AAAMYYY同様にお隣さんに挨拶してきたという。流れてきた「TENDREのお隣さんになりたかった」というコメントには笑ってしまったが、確かに想像すると贅沢な話である。そしてお隣さんがみんなイイ人。こういう状況だからこそ近所の人との支え合い、相互理解の大切さが身に染みる。
「Night & Day」からスタートし、「SKIN」、「DOCUMENT」を美しい旋律とともに演奏した。先ほど出演したAAAMYYY との楽曲「KAMERA」、直近のシングル「LIFE」から「GIVE」を織り交ぜ「hanashi」では歌詞を“ライヴに行きたい”と変えて歌った。当たり前の日常の尊さを感じさせる豊かな演奏だった。
ライヴ後のインタビューでは、「日々のルーティンを作ることが大事。起きたら甘酒を飲んで、映画を観たりお茶の淹れ方を研究している」と自粛中の私生活を明かした。
BLOCK.FESTIVAL ありがとうございますね
。
緊張しましたけどなんだか楽しくなっちゃってしまった、
タクさんへ感謝永遠に
1. Night & Day / SMILE
2. SKIN 〜 DOUMENT
3. KAMERA (AAAMYYY)
4. LIFE 〜 GIVE
5. hanashi#blockfes pic.twitter.com/xIVIPLyw7L— TENDRE / 河原太朗 (@tanaakin) April 18, 2020
TENDREの次に予定されていたKan Sanoは回線のトラブルがあり、急遽☆Taku Takahashiがピンチヒッターを務める一幕も。回線の準備が整うまで、向井太一やYOSA&TAAR、eillの楽曲をミックス、その間に無事 Kan Sanoの回線が復帰。手作りでのオンラインフェスならではのトラブルではあるがほっと一安心。Kan Sanoも安堵の表情で演奏を始めた。
エフェクターをつないだキーボードの演奏を観ているだけでも魅力的。 「My Girl」、七尾旅人をフィーチャーした「C’est la vie」はライヴならではの壮大なアレンジが贅沢だ。「Magic! 」では「心の耳を研ぎすませて聴きます」と、画面越しにリスナーへコール&レスポンスを促す。コメント欄にはレスポンス部分の「Fall in love」が大量に連なった。
インタビューでは「こうしてライヴをやってみて、やっぱりライヴは僕らにとって浄化だったんだなと」と 募る思いを語っている。
終演後一人で飲んだビールが
ちゃんとライブ後のビールの味でした
またみんなと同じ空気を吸って
会える日が来るまで
音を止めずに繋いでいきます
Takuさんに心から感謝
1 My Girl
2 C’est la vie
3 Ride On The Back To Back
4 Magic!
5 瀬戸際のマーマレード
6 ほんとは
BLOCK.FESTIVAL 2020.4.18 pic.twitter.com/shLiq5wuNJ— Kan Sano (@kansano) April 19, 2020
Chara「今が成長するとき」SIRUP「終わったら絶対またみんなでライヴしたい」
続いて登場したのはChara。家のリビングに機材をセットしての配信。「みんな今日夕飯何食べたの? 」といつも通りのChara節を展開。イラストレーターのEdによって 壁に描かれたパステルカラーの絵をバックに、横向きスタイルで「しましまのバンビ」を演奏し、MCを挟みつつこのフェスのメンバー紹介をオリジナルの歌にして歌いあげる。「タク〜タク〜」「Kan Sano心配したよ〜」と即興のメロディに乗せて出演者を紹介した。
さらに「ミルク」を歌ったあとはミュージシャン、HIMIを呼び込みスペシャルな共演を披露。歌うのは3月に逝去してしまったソウルレジェンドBill Withersの「Lean On Me」。美しいハモりが尊い。「くじけそうな時は僕を頼って」そんな歌詞がコロナ禍の今に響く。そして、聞き覚えのあるオケに重ねて「やさしい気持ち」を歌うChara。みんな離れ離れの中、Charaの「手をつなごう」という声が視聴者の心をつないだ。
インタビューでは、「今何をするかが大事で、普段できなかったことをしたり、成長するときかもね」とファンにメッセージを送った。
雨が上がりましたね
東京お家フェスなので
雨でもオーケーだけど今日の夕飯は何ですか? https://t.co/1mfsU8CJFE
— Chara (@Chara_xxx_) April 18, 2020
そして3月25日に新しいEP『CIY』をリリースしたSIRUPが登場。「SWIM」でのっけからノリノリの爽やかな歌声を聴かせてくれた。オケとマイクだけで音源のようなクリアな歌声を発しつつ、ライヴさながらのダイナミックなアレンジもあったりとその実力の高さがうかがえるパフォーマンスを存分に披露。リズムに乗りながら身体を動かすSIRUPを見ているとこちらも身体を揺らしたくなってくる。
「バンドエイド」を歌ったあとはこの日のためにShin Sakiuraがリミックスしたという「LOOP」STAY HOMEエディション。そのままDaniel Caesar「Get You」をカバーし透き通ったハイトーンボイスで魅了する。さりげなく、DeBargeの「I Like It」もマッシュアップ。このカバー、SIRUP名義で音源化してほしい出来だ。この曲をカバーしたのはきっとSIRUPなりのメッセージが込められているのだろう。この日のための新曲や、『CIY』収録の「Ready For You」を歌い、最後の「Do Well」では「うがい 手洗い Do Well」と歌詞を変えながらフェス参加者に向けてコールアンドレスポンスを行った。
そして「絶対またみんなの前でリアルなライヴをやりたい」と熱い野心をクールに☆Taku Takahashiに語った。
みんな #blockfes でのオンラインライブ見てくれてありがとう、今日も思った俺にはライブが必要だと。そしてみんなが必要だ。誘ってくれた @takudj さんと全てのスタッフさんに止まない感謝を?エゲツない豪華出演者、ぜひ収束後はリアルで。あと明日21時にライブでゆうてたお知らせアリ?
— S I R U P (@IamSIRUP) April 18, 2020
Shinichi Osawaの1人MONDO GROSSO、☆Taku Takahashi と名プロデューサー揃い踏み
BLOCK.FESもいよいよ大詰め、Shinichi Osawaがオンライン上にその姿を現した。これまでの“お家”とは趣きの異なるスタジオのような場所からのライヴだ。自宅スタジオのスケールの大きさに圧倒される。
今回は“STAND ALONE MONDO GROSSO”セットということで、ひとりで数々の 機材を駆使してMONDO GROSSOの楽曲をアレンジ。birdを迎えた「LIFE」に始まり、UAとの「春はトワに目覚める」、「惑星タントラ」、「ラビリンス」と展開していく。 Kjがゲストボーカルで参加した「SHININ’」ではベースを生演奏。この曲にはコロナ禍の今にも当てはまる歌詞が散りばめられている。辛い状況の中でも輝ける光の向こうへと背中を押されるこの「SHININ’」がセットのトリを飾った。
ライヴ後の☆Taku Takahashiとの対談では「まさしくやりたかったフェスが体現できたと思う。もっとテクノロジーが発展すれば、離れた場所でセッションができるようになるかもね」とオンラインフェスの今後の可能性に期待を込めた。
そして初回のBLOCK.FESのフィナーレは☆Taku Takahashi。自らのプロデュースワークを凝縮したDJ SETを披露した。サービス精神満点な「come again」からスタート。「Lotta Love」から本人もお気に入りのリミックスだと振り返る「Distance m-flo remix」、Tomoyuki Tanaka(FPM)、Shinichi Osawaらとともにavaxアーティストらと展開したプロジェクト、ravex名義での「HOUSE NATION feat. LISA」、「1 more night feat. MONKEY MAJIK」を織り交ぜ、lovesを代表する「miss you」そして新生lovesの第1弾「tell me tell me」のBUNNYリミックスを繋ぐ。
家と家を繋ぐ記念すべき日を祝うかのような「KYO TO KYO」を挟み、「Boyfriend -part II-」、MINMIの「ハイビスカス」とファン垂涎のセットを披露。誰もが“この曲、聴いたことある!” という曲のプロデュースに関わっている☆Taku Takahashiの引き出しを見せつけるセットとなった。ラストはCharaとのloves楽曲「Love to Live By」でフィナーレを迎えた。
STAY HOME, STAY CONNECTED お家にいながらフェスさながらの臨場感
「家にいながら音楽の力を感じてもらえれば」と語った☆Taku Takahashiが言うように、この日多様なアーティストが見せてくれたライヴでは、オーディエンスとともに不思議な一体感を味わえた。間違いなくオンライン上でひとつのライヴステージが形成されていたように思う。通信状況で時折、止まってしまったりすることはあったが、コメントを見ながら画面越しにアクシデント を見守る状況は、悪天候での野外フェスのそれと似たような臨場感があった。
また、ファンはそれぞれ家のオーディオ環境をフェスのためにセッティングしたり、リビングでキャンプチェアを広げたりと独自の楽しみ方をしていたようだ。あとからSNSで各自宅の“フェス会場”を覗くのも楽しい。自宅にいながら、繋がろう。テクノロジーの力によって、音楽と感情で繋がることができた「BLOCK.FESTIVAL Vol.0」だったのではないだろうか。
BLOCK.FESTIVALではそれぞれのセットをまとめたプレイリストを作成し公開している。プレイリストで温かい一夜を振り返りつつ、次回開催の5月5日(火・祝)を楽しみに待とう。
BLOCK.FESTIVAL公式サイト:https://blockfes.com/
Written by TOMYTOMIO
