【レビュー】BIMミニアルバム『NOT BUSY』 周りの人々を巻き込んで、さらに次のステージへ

BIMの最新作『NOT BUSY』を聴く。Rascalがプロデュース、客演には盟友のkZm、SIRUP、スチャダラパーのBoseを迎え、コーラスにはG.RINAが参加。
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2020.03.04 11:30

BIMが2月にリリースしたミニアルバム『NOT BUSY』をレビュー。





『NOT BUSY』は全6曲収録で、アルバム『The Beam』の収録曲“BUDDY feat PUNPEE”や星野源の“さらしもの”などを手がけるドイツ人プロデューサーのRascalがプロデュース。客演には盟友のkZm、SIRUP、スチャダラパーのBoseを迎え、コーラスにはG.RINAが参加している。ミックスはIllicit Tsuboiが担当。また、収録されている全曲のオーディオビデオが公開された。オーディオビデオはODDJOBが制作したもので、1962年のアニメ「宇宙家族ジェットソン」を思わせる作品となっており、楽曲たちを新たな世界観に引き込んでいる。




BIMはSUMMIT所属のアーティストで、THE OTOGIBANASHI'S(以下:OTG'S)/ CreativeDrugStore(以下:CDS)の中心メンバーとして活動。2018年7月に1stソロアルバム『The Beam』リリース以降、ソロ活動を本格化させた。それまでのBIMは楽曲の中で自分自身をさらけ出していないように感じられたが、『The Beam』では等身大の自分を素直に表現している。このきっかけを与えたのは、CDSのVaVaがプロデュースした楽曲“Bonita”だろう。



“Bonita”はVaVaとの行き違いから、再び一緒に活動をするまでの経験を元にした楽曲。『The Beam』は他にもOTG'S/CDSの相方であるin-dに向けての“D.U.D.E.”やライヴ前の緊張感や悔しい思いをしたことを経験した“Link Up”などが収録。“Bonita”で「等身大がいちばん難しい」と歌うBIMが自分自身を客観視し、それを素直に表現した素晴らしい作品となっている。




『The Beam』にはレーベルメイトのPUNPEEを客演に迎えた“BUDDY”があったが、それ以降のBIMは、SIRUPとの“Slow Dance”やSTUTSプロデュースの“マジックアワー”、“Veranda”など、外にいるアーティストと積極的に楽曲制作をしている印象がある。





FNMNLでのSIRUPとの対談を読むと、同い歳で立場が似ているkZmとの楽曲“Dream Chaser”以降、オープンになり始めたことがそのきっかけだと話している。



ミニアルバム『NOT BUSY』は全トラックRascalがプロデュースし、客演でkZm、SIRUP、スチャダラパーのBose、コーラスでG.RINAが参加。自分自身を表現することに抵抗がなくなった、BIMが外の世界へ飛び出した作品だと感じた。一方リリックではBIMの身近にあるものや出来事を歌っており、とても親近感が湧く。『NOT BUSY』を聴き始めると、あっという間に6曲を聴き終えて、何度も聴いてしまいたくなる、そんな名盤だ。



1. Wink




ミニアルバム『NOT BUSY』は“Wink”から始まる。だれかの恋愛の思い出を歌っているであろう“Wink”は、過去の思い出をフラッシュバックさせる。どれも良い思い出ばかりではないが、この“Wink”を聴くと、何故かどうでもよく感じてしまう。



2. Runnin' feat. kZm, SIRUP




“Runnin'”は“Dream Chaser”で希望を歌ったBIMとkZmが、その希望に向かって走っている物語だと感じた。フックを見事に歌うのはSIRUP。リリックにはBIMとkZmの関係性が垣間見れる。「道玄坂の喧嘩もいい思い出」など、ふたりの間にあったであろうエピソードがリリックにあったり。



3. Yammy, I got it




“Yammy, I got it”は他の楽曲とは雰囲気の違う仕上がりで、「Yammy, I got it = 病み上がり」と聞こえ、体調悪いときなんかに聴くのも調子良さそう。リリックの「All the girls standing in the line for the 病院」など、N.E.R.Dの“Everyone Nose”をサンプリングする粋な面も。



4. KIRARI Deck




“KIRARI Deck”はコーラスにG.RINAが参加している楽曲で、みやーんZZ氏のnoteに詳しく書いてあるが、“KIRARI Deck”とはBIMの地元・溝の口のキラリデッキという場所のことらしい。リリックには地元の友だちであろう名前も出てきたりと、BIMが溝の口を思い出と共に歌っている。



5. Be feat. Bose




“Be”は頭文字が“B”のBIMとBoseによる楽曲。結成から7年以上が経つOTG'SのBIM。結成から30年以上が経つスチャダラパーのBose。世代は違うが、3人グループという共通点を持つ先輩後輩によるふたりの掛け合いがたまらなく良い。BIMのリリックで「この先の城で姫が待っている」は、スチャダラパーがかつてCM曲を歌っていた「ゼルダの伝説」のことかもしれない、とか考えたらキリがないが、聴けば聴くほどワクワクしてしまう。




また、オーディオビデオに加えて、ミュージックビデオも公開された。このミュージックビデオは、BIMの多くの映像を手がけているCDSのHeiyuuと、スチャダラパーの多くの映像を手がけているTakeiGoodmanが監督。音楽と映像ともに世代を超えたコラボ作品になっていて、随所にOTG'Sの“Pool”やスチャダラパーの“アフタードゥービーヌーン”などなどのオマージュが散りばめられている。お互いにリスペクトを感じる素晴らしいビデオだ。



6. WANTED




最後となる6曲目の“WANTED”はミニアルバム『NOT BUSY』のエンディングとしてふさわしい。「さぁ歩いてく しょーもない未来へ」と、次のステージへ向かうBIMに期待せざるを得ない。


3月から赤坂BLITZを皮切りに始まるはずだったBIMの全国ワンマンツアーは、新型コロナウイルスの影響で7月に開催されることが発表された。『NOT BUSY』を生で聴くことができる機会なので、是非足を運んでもらいたい。




そして本日、BIMが客演で参加し、VaVaがリミックスで参加した木村カエラのアルバム『ZIG ZAG』がリリース。こちらも是非チェックを。



今後、ライヴでVaVaとのコンビ復活やOTG'Sの3枚目とか気になるところではあるが、いつかやってくれることを期待したいと思う。「だってBIMらの本番はきっとこれから」




BIM 『NOT BUSY』

Release Date:2020.02.12 (Wed.) 

Label:SUMMIT, Inc. 

Tracklist: 

1. Wink 

2. Runnin’ feat. kZm, SIRUP 

3. Yammy, I got it 

4. KIRARI Deck 

5. Be feat. Bose 

6. WANTED 


Track 4 Chorus by G.RINA 


All Produced by Rascal Mixed by The Anticipation Illicit Tsuboi @ RDS Toritsudai


https://www.summit2011.net/bim-not-busy/




Written by Toru Miyamoto


photo:SUMMIT 





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