Billboardがアルバムチャートの順位を決めるセールスカウント方法を変更。ルール改正の背景を探る

商品とセットでバンドル販売されているアルバムのカウント方法が来年1月3日から変更となる。
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2019.12.02 01:00

今ではアルバムのセールス方法では常套手段となっているバンドル販売。バンドル販売とはアルバムの他にマーチャンダイズなどをセットで販売し、売り上げを伸ばすというもの。しかしこの方法にはアルバムの人気なのかマーチャンダイズ商品の人気なのかが明確にわかりづらいという点が懸念されていた。先日Billboardは来年1月3日からアルバムのセールスカウント方法を変更していくことを発表。今後アーティストにどういった影響を与えるのだろうか。





ルール改正後の変更点とは


これまでにも物議を醸していたバンドル販売。ルール改正後はバンドルに含まれているアルバム以外の商品が同じサイト上にて個別にも購入することができることを条件としている。さらにアルバム、バンドルはアーティストが運営するオフィシャルサイト上での販売のみが許され、他のサイトでの販売は禁止とされる。値段についてもルールが定められ、バンドルに含まれる音源の価格を最低3.49ドルに定めるとしている。つまりアルバムのセールスとしてカウントされるためには、今までセット販売されていた価格にアルバムの価格として3.49ドルを追加する必要がある。


この価格設定が考えると、アルバム自体の最低価格が3.49ドルであることを意味しており正直安すぎる気もするが、音源の売り上げが乏しい今の音楽業界を考えると仕方のないことなのか。そんな中プロモーション方法として一般化されたバンドル販売はルールこそ定められたものの、アルバムとの関係性のあるマーチャンダイズの販売が禁止されたわけではないので、今後アーティストはその価格設定と商品価値を高めることがセールスのポイントとなるだろう。


なお、マーチャンダイズではなくチケットをセットでバンドル販売を行う場合、アルバムのセールスには含まれることは無いともしている。セットで購入した後にフィジカル/デジタルでアルバムを実際に手にした場合のみセールスとしてカウントされ、チャートに反映される。






アーティスト同士のビーフにも発展?


今回のルール改正の背景には購入するファンからだけでなく、アーティストからの不平不満が上がっていたこともあるだろう。アルバム『ASTROWORLD』で全米1位を獲得し、そのファッション性からマーチャンダイズ商品の売り上げも多いTravis Scott(トラヴィス・スコット)に対し、Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)が販売方法について苦言を呈していたほか、今年同時期にアルバムをリリースしたDJ Khaled(DJ・キャレド)とTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)の間ではビーフにまで発展しかけた。


結果としてアルバムチャート1位の座をTyler, The Creatorに奪われたDJ Khaledはエナジードリンク会社とタッグを組み、ドリンクとアルバムをセットにしたバンドル販売を行ったのだが、エナジードリンク会社側のマーケティングであったと判断されたためアルバムの売り上げには含まれず自身のSNSでも不満を漏らしていたのだ。


これまで明確なカウント方法が定められていなかったことから、時代に合ったプロモーションを認めつつルール改正を行ったBillboardは懸命な判断をしたと言えるだろう。





アーティストのマーチャンダイズ商品の質は年々向上しており、一度に様々なデザインで販売されているので購買意欲がくすぐられるのも当然だ。しかしアーティストを本当にサポートしたいのであればやはりアルバム/音源を直接購入して欲しいのも本音。下がり続けるアルバムセールスを回復させる一手となるのか、来年1月3日以降はバンドルがすでに販売、すでにリリースされているアルバムについても新ルールが適用される。



written by BsideNews


source

https://www.billboard.com/articles/business/chart-beat/8544817/new-rules-merchandise-album-bundles


photo: facebook





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