今、注目したいのはアジアの最新アングラベースミュージック! Le Makeup、DJ Mykalを聴く

【レビュー】そのほかに北京拠点のZaliva-Dといった注目のアジアンベースミュージックの新譜をピックアップ。
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2019.07.05 11:00

今回は近年、日本だけでなく、中国や台湾などアジア諸国の才能あるプロデューサーたちが、欧米のシーンに進出し、リリースだけでなく現地でのギグでもオーディエンスを盛り上げていることで、今、世界的にも注目を集めるアンダーグラウンドなアジアのクラブミュージックをテーマにピックアップ。その中で特にチェックしておきたい日本、台湾、中国の気鋭のプロデューサーたちによる最新音源をご紹介したい。  


Le Makeup 『Aisou』: エクスペリメンタル・エモベースミュージックに仕立て上げられたダンスホール、トラップをチェック! 


大阪を拠点に活動するLe Makeupによるリミックス1曲を含む全7曲入りEP。Ashida Parkというウィーンのレーベルから本作では、トラップやダンスホールを基調としながらも独特の哀愁漂うメロディー、日本語詞が印象的な良作だ。 


エキゾチックな音色、メロディーが印象的なダンスホール「Galfy」、日本語詞とOneohtrix Point Never以降のエクスペリメンタルさを上手くベースミュージックに取り込んだ「Deley」、ノンビートの「Bangkok」は必聴。またエクスペリメンタル・エモトラップと形容したくなる「Horns」も最新のエレクトリックミュージックの市場に切り込んでいくかのような彼のハイセンスさを感じる。海外とのラグを感じさせない、グローバルヒットを狙える可能性に溢れた1枚である。


【Apple Music】https://music.apple.com/jp/album/aisou/1467020561

【Spotify】https://open.spotify.com/album/40dcB8LyzFKUEV5F2lbDPz?si=NqTQ0SusTRWD3MOAFZLpwg



DJ Mykal a.k.a.林哲儀 「BTM feat.DJ BAKU & Takuma the Great」:日本からDJ Baku、ラッパーのTakuma the Greatが参加  


台湾のベテランプロデューサー/DJのDJ Mykal a.k.a.林哲儀が、日本のプロデューサーDJ Bakuと日本語、英語、台湾語、北京語を操るマルチリンガルラッパーのTakuma the Greatを客演に招いた新曲をリリース。 


アグレッシヴで極悪なウォブルベースが鳴り響くトラックは、基調とするダブステップからここぞという盛り上がりのパートではドラムステップに変化。フロアキラーであることに重点を置いた構成は、DJの現場では心強いトラックになりそう。このあたりの構成はさすがにベテランの妙。アンダーグラウンドなベニューからビッグベニューまでに対応し、クラバーの身体を揺らすようなバンガーを探しているDJは、プレイリスト候補に入れてみてはいかがだろうか?


【Apple Music】https://music.apple.com/jp/album/btm-feat-dj-baku-takuma-the-great-single/1468451251 

【Spotify】https://open.spotify.com/album/27BfiYxhckNI6RSUtputgd?si=1gUIanjrRXiHLPEOTIkKAA


Zaliva-D 『Calling』:上海の注目レーベルから北京拠点のオーディオヴィジュアル・デュオが最新EPをリリース  


北京を拠点に活動する中国シーンのベテランLi ChaoとVJのAisin-Gioro Yuanjinによるオーディオヴィジュアル・デュオが最新作を7月12日に上海拠点の人気アンダーグラウンドレーベル「SVBKVLT」より、最新EPとなる『Calling』をリリースする。  


その先行曲として現在はレーベルのSoundCloudにて2曲が公開中だが、そのうちのEPのリード曲でもある「Calling」は不穏なシンセとガムラン音楽のようなトライバルビートが印象的なマッドなベースミュージックだ。一方、ミニマルベースミュージックといった感じの「Itself」は呪術的な声ネタとトライバルなビートが絡む中毒性の高い曲になっている。どちらもダークでアンダーグラウンド気質溢れる楽曲で、「Pan」、「Bedouin」など先鋭的なエレクトロニックミュージックレーベル作品に通じる内容だ。レーベル情報によるとEPには「PTP」、「Gqom Oh!」、「Naafi」といったエクスペリメンタル系からオルタナティヴ・ベースミュージック系のレーベル所属アーティストのリミックスも収録されるとのことなので、そちらにも今から期待したい。


【bandcamp】http://svbkvlt.bandcamp.com/album/calling


written by Jun Fukunaga



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