PCDJの禁止発表の内容とその影響とは?

DJに衝撃的なニュース
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2018.07.13 02:53

DJに衝撃的なニュース


2016年6月にアメリカのLAのクラブの1つ、Cure And The CauseがPCDJを禁止した。このニュースは世界中のDJに衝撃を与えて今でもその波紋が広がっている。禁止したのは同クラブオーナーのケニー・サミットだ。この記事ではその内容と影響について考察していく。


PCDJを禁止する理由とは?


Cure And The Causeがこの件について発表した内容は次のとおりだ。ターンテーブリストのセット、DJ Jazzy Jeff(ジャジー・ジェフ)系統のセット、ライブセットを除いた場合のDJブースでノートパソコンを使用することが禁止されたのだ。クラブオーナーであるケニー・サミットは近年は自分の機材をまともに扱えないDJが増えてきていて、PCDJはDJの進歩を止めていると主張している。どういうことかというと、DJがパソコンを持ち込んでも観客が満足するパフォーマンスをしていない状況を受けて、こうしたルールを作ったと説明している。つまり、パフォーマンスをするならそれに見合った技術を身に付けてから出演してくれという趣旨だ。この発表に対してアメリカだけでなく日本においても賛否両論がある。




賛成意見も反対意見もある


PCDJの禁止報道を受けて比較的反対意見が多いようだ。現在はアナログ技術を大切にするDJや、最先端の技術を使って新しいパフォーマンスを提示するアーティストなどが混在しているが、PCDJをうまく使えばDJとしてのスキルを大きく成長させることができる。そうした機会を奪うのはDJ、ひいては音楽界の衰退をもたらすという主張がよく見られる。


ただし、その一方でまともに扱えないなら使うべきではないという賛成意見もある。あるいは、PCDJを使用していると波形に頼りがちになって耳を鍛えることがおろそかになってしまうという意見もある。特に、耳を使いながらミックスするテクニックは身につきにくいのだ。




PCDJだろうとアナログだろうとスキルを高めることこそ大切だ


しかしながら、多少専門的な話になるが、実は標準的なコントローラーとPCDJとでは、そこまで大きな違いはないのが実情だ。サイドにバイナルプラッタがあること、デッキの上にループボタンがあること、下部にplay&cueがあることなど共通点が多いのだ。そのため、ミックステクニックもそのまま活かすことができる。曲に合わせて音量を調整したり、EQを調節したり、カットインするときの選曲テクニックなどはPCDJではなくても求められる基本的なスキルだ。このスキルを鍛えることこそパフォーマンスの底上げになる。PCDJはあくまでも手段なのだ。


しかしながら、PCDJがあることで能力の幅を広げることが可能なのも事実だ。そうしたことから、PCDJでのスキルアップを妨げる今回のケニー・サミットのPCDJ禁止の判断は早計だったという批判も、決して的はずれというわけではないのかもしれない。




アナログのパフォーマンスが注目されるようになった


今回のPCDJ禁止騒動をきっかけにアナログのターンテーブルを使ってパフォーマンスをするDJに注目が集まるようになった。特に、PCDJが登場する前はターンテーブルを触りながらスクラッチをして独自のサウンドを創って会場を盛り上げていたDJは非常に個性的で、DJを目指す人々の憧れの的だった。DJ自身もそうして技術力と創造性を身に付けたものだ。PCDJでパソコンの中に入っている音楽をスクラッチすることはできるが、直接自身の手でスクラッチすることはできない。まったくの別物だ。どのような世界でもデジタル化が進めば、その反動としてアナログ化を求める声も出てくる。


カメラ業界がその典型だろう。デジタルカメラとともに一眼レフカメラの売り上げが伸びているのはその証拠だ。いずれにせよ、賛成意見や反対意見双方ともに理屈があって言っていることは事実だ。


photo: https://www.facebook.com/pg/Serato/photos/?ref=page_internal


written by 編集部


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