block.fmライターが選ぶ今年最後の「Bandcamp Friday」で購入したいおすすめアーティスト5選

シンセまで自作するDIYアーティストから北欧エレクトロポップ、話題の和製モダンアフリカンミュージックまでをピックアップ!
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2020.12.04 09:30

コロナ禍を受けて、Bandcampがレーベルやミュージシャンを支援するために開始した「Bandcamp Friday」。3月の初回開催では、通常時の1日あたりの平均販売数の15倍以上となる約80万点を売り上げ、430万ドルの売上金額を記録するなど大きな話題を呼んだこの利益還元イベントはその後も継続的に開催されてきた。しかし、そんな「Bandcamp Friday」も本日12月4日をもって年内最後の開催に。


それを受けて、block.fmではライターがこの機会にチェックしておきたいアーティストを5組ピックアップ。今回は、シンセまで自作するDIYアーティストから北欧エレクトロポップ、話題の和製モダンアフリカンミュージックなどからオススメしたいアーティストを紹介していく。



Ela Minus 


コロンビア出身で現在はNYを拠点に活動するEla Minus。DIYなスタンスで活動する彼女は、作曲、演奏、プロデュースまでを自ら行うだけでなく、なんとハードウェア・シンセまで自らデザイン、構築。自身の作品にはPCを使わないというルールを掲げる独自の制作手法でも注目を集めている。  


今年10月に名門レーベル「Domino」からリリースされた待望のデビューアルバム『acts of rebellion』では、「el cielo no es de nadie」、「megapunk」のような00年代のNYエレクトロを彷彿とさせるマシン・ライクでありつつもどこかスタイリッシュな楽曲が収録されている。また、12月3日には「megapunk」のリミックス盤もリリースされたばかり。こちらにはMachine Womanらのリミックスも収録されている。 



SASSY 009  


ノルウェー出身でかつては3人組のユニットだったが、現在はSunniことSunniva LindgaardのソロプロジェクトとなっているSASSY 009。


北欧らしい煌びやかなノイズもあれば、同じく北欧のインダストリアルなR&Bスタイルで知られるSmerzとも共鳴するインダストリアルなテクスチャーもあり。その一方で、北欧のお家芸的なキャッチーなメロディーセンスも持ち合わせている。 bandcampで購入できる作品では、Joy Divisionを彷彿させるダークなニューウェイヴ系の「Are You Still a Lover」など全8曲を収録した『KILL SASSY 009』、ベッドルームポップ、インディポップ界隈で絶大な人気を誇るシンガーのClairoを迎え、ドリーミーなシンセとキャッチーなフックが印象的な『Lara (feat. Clairo)』がおすすめ。




Baltra 


NYを拠点に活動するプロデューサー/DJで、ハウスシーンの新鋭アーティストとして、「Lost Palms」、「Of Paradise」などからのリリースでも知られるBaltra。  


昨年、自身のレーベル「96 And Forever」からリリースしたデビューアルバム『Ted』では得意とするハウスのほかにもブレイクビーツ、ドラムンベース、アンビエントなど幅広いスタイルの楽曲を収録したアナログシンセ絵巻的なスケールの作品を展開していたが筆者的に特にオススメしたいのは、今年7月にリリースされたEPの『when i said i'm okay what I really meant was please listen』。収録された4曲はアトモスフィアリックなループベースのノンビートによるアンビエントだが、先述の『Ted』でも示した彼のアンビエントサイドの深みをさらに感じ取れる作品になっている。今後、映画の劇伴でも才能を発揮してくれることに期待したくなる1枚だ。


audiot909 


現在、日本のクラブシーンでも注目が集まるモダンアフリカンダンスミュージック。そのシーンを牽引するクルー、TYO GQOMによるレーベル「USI KUVO」の第3弾としてリリースされたのがaudiot909による『This is Japanese Amapiano EP』だ。 


タイトルに”これが日本のAmapiano“と冠した本作では、そのタイトルどおり、Gqom、Singeriとともに日本でもダンスミュージック好事家の間で話題の南アフリカ発のハウスミュージックのスタイル”Amapiano”を基調にした作品になっている。TREKKIE TRAXのandrewやTYO GQOMのKΣITOのリミックスを含む全7曲が収録された本作だが、甘い声ネタ使いが印象的な「Your Sweetness」は、モダンアフリカンダンスミュージックファン以外にイビサ系バレアリック好きにも刺さるはず。またAmapianoとは何ぞや? という人にとってリードトラックの「Rasen」は入門に最適な1曲になるはずだ。





Kazumichi Grime 


オーストラリアのローカル・アンビエントプロデューサー、Kazumichi Grime。世界的にはどちらかといえば、あまり知られていない人物だが、SoundCloudでたまたま流れてきた「Rounded」というエレクトロニカ曲があまりに素晴らしかったのでピックアップ。  


「Rounded」は、オーストラリアのレーベル「Daisart」が今年11月にリリースしたコンピレーション『Wound Without A Tear』に収録された1曲。同コンピレーションは、1993年~2008年の間に制作されたクラシックなエレクトロニカをコンパイルしたもので、ポストレイヴから2000年代までのオンラインとオフラインの境界線での出来事をテーマにしたコンセプチャルな作品だ。そのうちの収録曲である「Rounded」は、特に眠る前などリラックスしたい時に聴くと非常にチルな気分にしてくれるのでオススメ。



「Bandcamp Friday」は、現在のところ、来年の開催は発表されていないが、昨今のコロナ禍の状況を考えるとこういったアーティスト支援はまだまだ必要な状況だ。それだけに自分が支持するアーティストを支えたい人は是非、今回の「Bandcamp Friday」に参加して、アーティストやレーベルから直接音源を購入してサポートしてほしい。 


written by Jun Fukunaga 


photo: bandcamp Twitter 



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