ベネズエラ出身、Arca(アルカ)の中毒力のある楽曲たち

Arcaのサディスティックな世界観で中毒者多発中!!
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2018.05.27 05:54

カニエ・ウェストらと共演




Arcaことアレハンドロ・ゲイジは、ベネズエラ・カラカス出身のトラックメーカーで、EDMの超大型ルーキーとして登場した。「Aphex Twin以来の衝撃!」と評されたArcaは現在ロンドンを拠点に活動しており、ネットの世界で瞬く間にトップシーンに躍り出た。



Arcaの曲は強烈な吸引力を持つ


Arcaの名が世に広まったキッカケは、「Baron Libre」「Stretch 1」「Stretch 2」のEP3部作で、2012年にNYのレーベル・UNOからリリースされた。さらに2013年に自主制作ミックステープ「&&&&&」をフリーダウンロードでばらまき、世界の音楽業界に衝撃を与えた。ヒップホップにとどまらず、インダストリアルやノイズ、そしてアンビエントやジュークなど多彩なジャンルの曲を吸収し、雑食的に出来上がったのがArcaのサウンドの特徴である。それでいてエレクトロニカでもなくニューエイジでもない、どのジャンルにも当てはまらないのが彼の音楽の魅力だと言える。何万年も宇宙を孤独に旅してきたような、ダークでホラーじみたムードが漂っているのである。そうかと思えば、生命が存在するには過酷な環境の、深海に生息しているような生命体の発光を感じさせる。そうした強力な引力があるからこそ、世界中のコアなファンらが魅了されているわけだ。



2つの才能が絡み合う


Arcaの奇抜な曲に魅せられた一人がカニエ・ウェストで、真っ先にライブのオファーをしたわけである。それ以外にも、Atoms For PeaceやFKA twigsがArcaの才能に惚れ込んでいる。音楽シーンの最前線に躍り出たのは彼が24歳の時で、各レーベル会社が激しい争奪戦を繰り広げた結果、名門のMUTEが契約の権利を獲得した。そこで発表されたデビューアルバムが、「Xen(ゼン)」である。




Arcaがブレイクした背景には、ビジュアルコラボレーターのジェシー・カンダの存在があった。ジェシーとはArcaが14歳の時に、オンラインコミュニティで知り合った。ジェシーは彼の音楽的疑問点に対して、ビジュアルで答えを出していた。逆にジェシーが映像上の疑問に直面した時は、彼が曲で答えを出していた。このように2つの才能が奇妙に絡み合ったからこそ、世の中に鮮烈な印象を与えることが出来たのである。



Arcaの生身の姿




世界がArcaに注目している理由は、「Xen」を聴くことで明らかになるという。当アルバムが見せる光景は、これまで誰も経験したことがない世界だと言われている。人々の想像力を遥かに超えたサウンドは、既存のボキャブラリィでは表現できないわけである。まさに音楽を表現できるものは、音楽だけということだ。Arca自身も本作を自分自身だと述べており、初めて世に出せる自信曲としている。彼は自分自身にフィルターをかけた生き方はしたくないと述べており、彼の作品全体はArcaの生身の姿となる。そして、Xenによって新たな素晴らしい才能に触れることが出来るのである。



スペイン語の歌声を披露




Arcaはデビューアルバム「Xen」と2作目の「Mutant」の中に、それまでのダンスミュージックにない曲を盛り込んでいる。軽やかではためくようなリズムに加え、重く膨らみのあるベース、そしてかすかに煌めきを放つメロディラインである。Arcaの才能にいち早く気づいたカニエ・ウェストは、彼とビートを作り上げてFKAツイッグスの世界につなげた。そしてレーベル・XLとの契約に至ったことで、自身の名を冠した3作目「ARCA」を世に送り出した。その曲の中では母国語であるスペイン語で、自らの歌声を初めて披露している。挑発的とも感じられる伸びやかさは、ピュアでありながら何処か脆さを残すものである。ある意味実験的となった当アルバムだが、Arcaの辿ってきた苦難の道のりが威光を伴って響いている。


Photo: https://www.facebook.com/arca1000000/


Written by 編集部



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