アムステルダムがクラブなど街のナイトライフ産業支援に向け3億円超の予算を投入

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オランダの首都アムステルダムは、クラブやバーなどナイトライフ産業を支援するための4カ年計画を発表した。220万ユーロ(約3億5000万円)を投じ、同市のナイトライフ産業を改善するための「15の新施策」を盛り込んだプログラムを導入する。
DJや音響・照明技術の教育プログラムも用意される
アムステルダムは、ナイトライフ産業の推進に関して、ナイトメイヤー(夜の市長)の設置など、先進的な取り組みを続けてきた。
今回の取り組みに関する報告書では、アムステルダムの街が「決して眠らない」状態であることが強調されている。またAmsterdam Dance Event(ADE)、Valtifest、Milkshakeといった音楽イベントが、街の「革新的な」文化の中心を担うものとして挙げられている。
アムステルダムは今後4年間で開発業者、土地所有者、個人と連携し、ガレージから使用されていない防空壕までのスペースを一時的または恒久的な会場にすることに取り組む。さらに次世代のナイトライフ・プロフェッショナルの育成に向けた新たな基金を設立し、若いクリエイターの支援も図るそうだ。
また同市のナイトカルチャーの多様性に焦点を当てたDJやプログラマー向けの教育コース、音響・照明技術者向けのワークショップなども設ける。これらの教育プログラムは昼間のナイトクラブを活用して行われる予定だ。
アムステルダム副市長のTouria Meliani氏は、関係部署や市区と協議しながらこの取り組みを実施するとし、報告書で次のように述べている。
自治体として、私たちは昼と夜の利益に適う形で役割を果たします。アムステルダムの文化生活に欠かせないナイトカルチャーを後押しするために、社会政党、地域開発者、文化セクターとともに、このアジェンダの施策を活用していきます
近年は日本においてもナイトライフ産業推進の動きが見られる
今年3月に東京でアムステルダムのFemke Halsema市長を招いた「ナイトタイムエコノミーに関する意見交換会」が開催されるなど、近年は日本においてもナイトライフ産業推進の動きが見られる。今回のアムステルダムによる新たな取り組みは、そういったナイトライフ産業を推進する世界中の都市にとって、議論や施策を進めていく上で参考となる事例になりそうだ。