中国TencentによるAIシンガー曲のストリーミング再生数が1億回を突破!

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中国のTencent Music Entertainment(TME)が、人間の声を模倣したAIのボーカルをフィーチャーしてリリースした楽曲が、1億ストリーミングを突破したことがわかった。
StreamingCalculatorによると、Spotifyのみでストリーミングされた場合でも1億回再生分の収益は34万8000ドル(約4763万円)に相当するという。
Tencentの特許取得済みの音声合成技術を活用
TMEの音楽部門は、これまでにAIボーカルをフィーチャーした1000曲以上のトラックを制作・リリースしている。同社のCussion Pang氏は、最近になって、そのうちの「Today(英語タイトル)」という曲が、オンライン上で1億回以上ストリーミングされた最初のAIシンガー曲となったことを発表した。
「Today」では、TMEが2021年に発表した特許取得済みの音声合成技術「Lingyin Engine」が使用されている。TMEは、この技術によって、「歌手の声を素早く鮮やかに再現し、あらゆるスタイルと言語のオリジナル曲を制作できる」としている。
同技術は香港の歌手、故Anita Muiの声を基にしたAIコードを用いて制作された彼女のトリビュート曲「May You Be Treated Kindly By This World」でも使用されているという。またTMEは、今年11月15日にボイストリビュートに引き続き、現行の中国音楽シーンで活躍するYang Chaoyueなど、人気アーティストの声を使ったAIシンガーのラインナップ確立に取り組むことも発表している。
BTS所属の「HYBE」もAI活用を視野に
なお、今年10月にはK-POPシーンのスターグループとして知られるBTSも所属する韓国の大手音楽事務所「HYBE」が、AI音声デベロッパーの「Supertone」を約3200万ドルで買収するなど、今年は音楽業界でもAIを巡る動きがこれまで以上に活発化している。それだけに今後の音楽業界におけるAI動向に引き続き注目していきたい。