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日本のポストロック界を牽引するバンド「toe」とは?

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「toe」という唯一のスタイル
2020/02/17 01:05
admin
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「toe」という唯一のスタイル

toe(トー)は男性4人で構成される日本のポストロックバンドである。国内外を問わず精力的に活動する彼らの音楽は独創的かつ刺激的で、聴く人の心を魅了して止まない。今回はそんなtoeのメンバーや音楽性、活動の軌跡を紹介していく。

2000年の結成以来、独自路線を歩み続ける

toeが結成されたのは2000年の事だ。メンバーは山嵜廣和(Gt)、美濃隆章(Gt)、山根さとし(Ba)、柏倉隆史(Dr)の4人で構成されている。結成以来、歌の無いインストゥルメンタル楽曲を中心に活動を展開しているポストロックバンドだ。しかし、彼らの音楽スタイルは何かに縛られるという事がない。インストゥルメンタルの他にも山嵜がボーカルをとった歌モノ楽曲をリリースする事もある。更には客演としてCHARA、木村カエラ、原田郁子(クラムボン)などそうそうたる顔ぶれのボーカリストを迎えてレコーディングするケースもしばしばだ。また、彼らは特定のメジャーレーベルに所属せず、自主レーベルである「Machu Picchu Industrias(マチュ・ピチュ・インダストリアス)」を立ち上げて活動している。自分達の音楽をより一層ダイレクトに聴き手へ届けるための彼らなりのこだわりと言えるだろう。

活動スタイルという意味では、バンドメンバー全員が別の仕事を本業としている点も興味深い。山嵜はインテリアデザイナー、美濃はレコーディングエンジニア、山根はファッションデザイナー、柏倉はセッションミュージシャンとしての顔を持っている。本業とバンド活動を両立させるというスタイルも、彼らの「何にも縛られない」というスタンスを表していると言えるだろう。

ポストロックバンドtoeとしての音楽的なルーツと変化

toeが主軸としているのはポストロックというジャンルであるが、彼らは昔からポストロックに根ざしていたのかと言われればそうではない。メンバーそれぞれはtoe結成以前から別のバンドで活動しており、パンクロックを主軸としていた。それも、インディーズバンドとしてそれなりに知名度を上げるほどの実績を残している程だったのだ。それぞれが自分の活動を通して音楽性の変化を感じていた中で、奇跡的な巡り合わせを果たしたと言っても良いだろう。

ポストロックという音楽にはロック・ジャズ・エレクトロニカ・アンビエンスなど様々なジャンルの要素が含まれている。もちろんアーティストによってどのような要素が付加されているかは異なるだろう。toeが織り成すポストロックという音楽は「幻想的」「繊細」と表現される事が多い。山根と柏倉が作り出すグルーブに、山嵜と美濃が織り成すギターの音色が心地良く響く。しかし、そこには繊細さだけではなく、確かな「激しさ」や「熱」が込められているのだ。楽曲の中で時折見せるリズム隊の激しい躍動やギターの重厚なサウンドは、彼らが経験して来たパンクからの影響が大きいと言えるだろう。

海外という活動ステージ

toeを語る上で「海外」というキーワードは外せないだろう。彼らは音楽配信や動画サイトというグローバルなツールが流行する以前から、自分達の力やコネクションを駆使して海外進出を行っていたのだ。アメリカやヨーロッパでのツアーを通して多くの観客を魅了したtoeは、2013年にアメリカのTopshelf Recordsというインディーレーベルと契約を結び海外での音源発信拠点を確立した。toeは2006年頃より大型音楽フェスに参加しているが、自身のワンマンライブや自主企画イベントが増えたのは2013年辺りだ。元々実力を備えていた彼らが海外で活躍するようになり、逆輸入的に日本での知名度や人気が高まったからと言えるだろう。日本ではあまり認知されていなかったポストロックというジャンルを国内に知らしめたバンドのひとつがtoeなのだ。

独創的なライブ空間

国内外を問わず、toeはライブでのパフォーマンスが高い評価を受けている。通常、インストゥルメンタルバンドのライブというのは肉声による歌が存在しないため、オーディエンスへ熱を伝える事が難しいと言われている。特にポストロックというジャンルでは難解な楽曲展開や奇抜な構成が多く、ライブ会場でもそれをじっくり楽しむという観客も少なくない。しかし、toeのライブはそうではない。彼らのライブ空間からは繊細で幻想的な音楽が聴こえると共に、バンド全体が発する「熱」がひしひしと伝わってくるのだ。

世で活動するバンドには「音源は良いがライブがイマイチ」「ライブは盛り上がるが音源がイマイチ」といった評価が付けられる事も珍しくない。実際バンドにとって「音楽を作る事」と「音楽を演奏する事」は別のスキルが要求される。この観点でいうと、toeは「音源とライブで異なる魅力を放つバンド」であると言えるだろう。彼らの音源は綿密に積み重ねられた音の数々が繊細かつ幻想的な音楽としてまとまっており、聴くものの心を掴んで離さない。ところが、ライブではその繊細な音楽からは想像も付かない程のエネルギーがステージ上で発せられているのだ。各演者のステージアクション、抑揚の効いた演奏、ステージとホールの一体感などは筆舌に尽くしがたい。もちろん、演奏がおざなりになるという事はなく楽曲が持つ魅力を存分に味わう事が出来る。toeのライブ会場は彼らの高い演奏能力とバンドとしての存在感が成しえる空間なのだ。

written by 編集部

photo: facebook

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