ついにアルバムが全世界配信! ベテランのシンガーソングライター、大貫妙子

数々の楽曲を発表しているアーティスト
SHARE
2020.02.21 02:00

数々の楽曲を発表しているアーティスト


大貫妙子とは、日本の音楽界を代表する女性シンガーソングライターである。ライブアルバムやサウンドトラック、他アーティストとの共作も含めると、2018年9月18日に発売された『Pure Acoustic 2018』で30枚のアルバムリリースとなるベテランアーティストだ。ここではそんな大貫妙子のプロフィールや、代表曲を交えた魅力などを紹介していく。




ニューミュージックの先駆け、SUGAR BABEの結成


大貫妙子は、1953年11月28日生まれの東京都杉並区出身のアーティストである。学生時代はロック喫茶へ度々足を運ぶ日々を送り、陶芸を学んでいた美術大学を中退後、弾き語りやグループでの活動などを行っていた。その後、1973年には山下達郎と村松邦男と共にSUGAR BABE(シュガー・ベイブ)というグループを結成、1975年には「SONGS」でデビューを果たし1976年までの3年間をシュガー・ベイブとして活動している。ちなみに大貫妙子が当時担当していたのはキーボードで、「SONGS」のプロデュースは大瀧詠一、1976年にシュガー・ベイブは解散するが、山下達郎とはその後のソロ活動においても親交は続くこととなる。


当時はフォークの全盛期でもあり、ニューミュージックの先駆けでもあるシュガー・ベイブは大ヒットとまではならなかった。しかし、その先鋭的な音楽は様々なアーティスト達の刺激となり、影響を受けたアーティストも多数存在する。



精力的にリリースされるアルバム


1976年からはソロとして音楽活動を開始した大貫妙子は、デビューライブを8月に開催し、9月にはファーストアルバムである『Grey Skies』をリリースする。この時共にアルバム制作に携わったのは、山下達郎や坂本龍一、細野晴臣などその後日本の音楽界の重鎮ともなるメンバーで、坂本龍一はこの出会いが元となり大貫妙子と親交を深め、2010年11月10日には『UTAU /A PROJECT OF TAEKO ONUKI&RYUICHI SAKAMOTO』という共作のアルバムも発表することになる。そして、ファーストアルバム発表後からおよそ1年後の1977年7月25日にはセカンドアルバム『SUNSHOWER』をリリース、1978年9月21日にはサードアルバム『MIGNONNE』を発表するなど、その後も定期的にアルバムをリリースしている。


また他のアーティストへの楽曲提供も頻繁に行っており、竹内まりあや矢野顕子、岩崎宏美や杏里などの女性アーティストに多く提供している。さらにゲームやアニメーションの音楽にも関わるなどその活動範囲は幅広く、映画のテーマ曲や音楽の制作に携わるなど様々なジャンルで活躍するアーティストだ。





受け継がれる数々の名曲を発表


そんな大貫妙子の代表曲として取り上げられるのが「都会」、決して派手さは無いが彼女特有の落ち着いた雰囲気を醸し出す楽曲には定評があり、名曲とも称される1曲である。また「色彩都市」も人気のある曲で、ポップなメロディーに乗せて聞こえる柔らかな声は聴き心地が良く、原田知世もこの曲をカバーしている。そして「突然の贈りもの」では心の琴線に触れる染み渡る楽曲を披露、ドラマの主題歌である「夏に恋する女たち」ではボサノヴァのテイストで夏らしい1曲に仕上げている。


発表される楽曲は時代によって異なるものも多く、しばしばヨーロッパ風やフレンチ風などと形容されることも多い大貫妙子だが、その透明感のある優しい声は時を経ても変わらない。楽曲も多彩なジャンルでありながら、ピッタリと符合する歌声は才能と実力の証、ベテラン勢から若手まで一流のアーティスト達にたくさんの刺激を与え続けている。また、他アーティスト達と生み出される楽曲は見事な化学反応を起こし、その新しい音楽を作りだす活動力、行動力には目を見張るものがある。




日本のシティ・ポップが世界へ配信される


そんな大貫妙子は、映画「東京日和」で担当した音楽で1998年には第21回日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞、2015年6月に発表したバンドネオン奏者でもある小松亮太との共作『Tint』は、第57回輝く日本レコード大賞優秀アルバム賞を獲得している。2016年12月には作曲家である千住明と共にシンフォニックコンサートも行い、オーケストラとの共演はライブアルバムとしても結実した。また、制作された楽曲の中にはCM曲や未収録、未発売の曲も多く存在し、作曲家としての大貫妙子の存在感も相当なものである。


さらに、2019年10月にはファーストアルバム『Grey Skies』から1984年6月に発売された『カイエ』までの8枚のアルバムを国内のみならず全世界への配信を始めた。これは日本が生んだ代表的な女性アーティスト、大貫妙子の個性あふれる魅力的な楽曲、歌声が世界へ配信されることになる。長い年月をかけて経験値を得た大貫妙子の初期の作品ではあるが、たくさんの名曲が選曲されたプレイリストにはファンも納得、改めて彼女の実力、楽曲の素晴らしさに気付く方もいるかもしれない。また大貫妙子はエッセイ集の発刊や読書会への参加など、活躍する舞台は音楽だけに留まらず「メトロポリタン美術館」などの子供向けの楽曲から大人のBGMまで幅広く手掛けられる才能を持つ。シティ・ポップというジャンルを確立した1人でもある大貫妙子の楽曲が、全世界へと配信される意義や意味は深く、海外へも向けられた活動に期待感が高まるファンも多いだろう。




written by 編集部


photo: http://onukitaeko.jp/info/top.html

SHARE