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SHAKKAZOMBIEは日本語ヒップホップ界の異色的レジェンド!

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SHAKKAZOMBIEとは?
2020/02/26 10:31
admin
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SHAKKAZOMBIEとは?

SHAKKAZOMBIE(シャカゾンビ)は、日本語ヒップホップ界を代表するレジェンドである。「虹」「大怪我」「空を取り戻した日」などのクラシックで知られている同グループは、ラッパーのみならずデザイナーとしても活躍している。今回はそんなSHAKKAZOMBIEについて、歴史や曲を交えながら、そのアーティスト性を紹介していく。

SHAKKAZOMBIEの歴史

SHAKKAZOMBIEは、1993年にOSUMI(オオスミタケシ、BIG-O)、HIDE-BOWIE(IGNITION MAN)の2MCと、トラックメイカーのTSUTCHIEによる1DJ2MCのヒップホップグループとして結成された。1DJ2MCというスタイルは、ヒップホップ界においてもっとも基本であると同時に、もっとも技術が要求される編成である。SHAKKAZOMBIEという名前は、その名の通り、シャカ(釈迦)とゾンビという相反する2つのモノを組み合わせた造語だ。この名前は日本語ヒップホップ黎明期に文化系ラッパー、グループとして活躍したキミドリのメンバーによる命名だという。

1993年に結成されたSHAKKAZOMBIEではあるが、デビューのEPを出すまでには約2年かかった。当時、日本語ヒップホップというのは、いとうせいこうや高木完などが作り上げた最初期であり、まだ音楽的ムーブメントを引き起こすには、至っていなかったのである。ほとんどのラッパーが別の仕事をしながら、廃れたディスコやクラブで客もいない中、営業をしたり来日した外国人タレント、アーティストの前座などをして活動していた。もちろんSHAKKAZOMBIEも例外ではなく、数々の辛酸を嘗めながら、2年がかりでようやくデビューEPを出すことが出来た。そうして1995年に発売された『SHAKKATTACK』は、SHAKKAZOMBIEらしくないILLな出来として知られている。SHAKKAZOMBIEというのは、後に叙情的なリリックと、ハイトーンなラップ、メロディアスなトラックで好評を博すが、この頃のSHAKKAZOMBIEは、とにかく尖っていてヒップホップでは褒め言葉として扱われるILL(病的)な要素に溢れていた。

1996年にはSHAKKAZOMBIEが一気にスターダムへとのし上がることが起きる。まず、同年4月にメジャーデビューを果たしたのだ。アルバムのタイトルは、『手のひらを太陽に』であり、やなせたかしさん作詞の童謡のカバーである。朗らかな童謡の歌詞にどこかILLな要素もあるラップ、世界観を壊さないトラックなど、この曲でSHAKKAZOMBIEの独特な世界観は決定づけられた。そして、BUDDHA BRANDとの大神を結成、「大怪我」でさんピンCAMPに参加したことだ。BUDDHA BRANDというのは、SHAKKAZOMBIEと同じく独特の世界観を構築し、いち早くブレイクを果たした日本語ヒップホップグループである。その2組の世界観が融合して出来た「大怪我」は、2019年でもクラシックな日本語ヒップホップとして高い評価を受けている。

さんピンCAMPというのは、日本語ヒップホップで初めて開かれた大きな合同ライブである。土砂降りの雨が降り注ぐ日比谷野外音楽堂で、SHAKKAZOMBIEやBUDDHA BRANDなど多くのラッパー、ヒップホップグループが集まり、おこなわれた。このライブは、日本語ヒップホップ界において伝説的なライブとして2019年にもその名を轟かしており、そのライブに出演したラッパー達は、さんピン世代として呼ばれ、日本語ヒップホップ界を支えている。そんなライブに出演し、好評を博したSHAKKAZOMBIEもまた、世代を代表するヒップホップグループであると認知されるようになった。

SHAKKAZOMBIEの名曲ヒップホップ

2000年代に入ってからは、ラッパーよりもファッションデザイナーとしての活動が大きくなり、2007年に活動休止したSHAKKAZOMBIEの名曲は、クラシックと呼ばれる90年代に集中している。まず、さんピンCAMPでもライブをした「大怪我」だ。稀代のトラックメイカーであったBUDDHA BRANDのDEVLARGEがサンプリングをして作ったビートに、SHAKKAZOMBIEの名前らしく、仏教を絡めたリリックを勢いよくのせている同曲は、日本語ヒップホップクラシックの中でも、とりわけ人気の1曲である。

SHAKKAZOMBIEを代表する名曲として挙げられることも多いのが「虹」と「共に行こう」だ。この2曲は、退廃的であったり、ハードコアなラップが好まれていた90年代日本語ヒップホップらしからぬ、前を向いた希望に溢れた曲である。それぞれの個性を色に例え、叙情的なリリックをもって肯定する「虹」は、2019年でも色褪せることなく、むしろ時代が進むにつれ深い意味を持つようになった。「共に行こう」では、自分を邪魔したり、攻撃するような人たちに負けず、成し遂げていこうということを心地よいトラックにラップしており、まさに異色的名曲である。この曲は2019年でも有名無名、ギャングスタ文化系、フリースタイル曲勝負、など問わず様々なラッパー達がカバーしている。「空を取り戻した日」は、SHAKKAZOMBIEらしからぬ、暗さが全面に出た名曲だ。この曲の評判を高めたのは、90年代を代表するアニメ『カウボーイビバップ』の地上波放送最終回に流れたことも関係している。同アニメは、高い評価を受けながらも、様々な軋轢があり、最終回は半ばゲリラ的な内容となっている。そこにふと流れたSHAKKAZOMBIEのラップは、ラップに興味どころか嫌悪さえあった層にも突き刺さったのである。

SHAKKAZOMBIEはファッションデザイナーとしても著名

数々の活動、楽曲を通して、日本語ヒップホップ界のレジェンドにもなったSHAKKAZOMBIEであるが、実はファッションデザイナーとしても著名である。2000年にMCの2人が始めた、ブランド「SWAGGER」はヒップホップベースの価値観に確かなファッション性を取り入れ、ストリートブランドとして人気を博した。その後、オオスミタケシが、「SWAGGER」の兄妹ブランドとしてはじめたのが「PHENOMENON」だ。同ブランドはヒップホップのみならず、音楽全般の価値観をベースによりクリエイティブなデザイナー性を落とし込み幅広い層に受け入れられ、日本を代表するストリートブランドにまで成長した。オオスミタケシは「PHENOMENON」を離脱後も、「MISTERGENTLEMAN」などで精力的に活動している。

written by 編集部

photo: https://www.youtube.com/watch?v=6e0IzvshrPI

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