韻シストのメンバーでもあるラッパー、BASIの魅力に迫る

BASIってどんな人?
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2020.03.11 03:10

BASIってどんな人?


BASIは大阪府出身のラッパーで、1998年に日本におけるHIP HOPバンドの草分け的存在と言われるバンド・韻シストを結成したアーティストだ。本記事では現在はソロとしても活動の幅を広げる彼のテーマやインスピレーションの源を探り、最後には最新の作品についても紹介する。



キャリア21年目のベテランラッパー


韻シストの結成以来、BASIの音楽キャリアそしてラッパーとしてのキャリアは21年目を迎える。韻シストとして2001年「ONE DAY」でデビューして以来、2003年にはEPIC SONYから「Hereee we go」をリリースしその後韻シストとして4枚のアルバムをリリースするなど、確実にキャリアを積んできた。10年ほど前から他アーティストとのコラボにも積極的に挑んでおり、2009年にはZIMBACKと「BASI&ZIMBACK」を結成しファーストアルバムをリリース、翌2010年にはSmall Circle of Friendsの東里起と「Design」を結成し1枚のアルバムをリリースしている。


また2011年には自身のレーベル、BASIC MUSICを設立し、『RAP AMAZING』からソロ・アルバム4枚を発表、以来韻シストとソロの両方をこなす。近年では2017年からBASI & THE BASIC BANDとしての活動も開始しており、同年にソロ5作目『LOVEBUM』をリリースするなど、その勢いは衰えるところを知らない。



ラッパー、BASIが辿り着いたテーマ


順調に活動を続けるラッパー・BASIだが、長年の活動を経て辿り着いたテーマは”愛”だという。HIP HOPはもとより、古い価値観への反抗やフラストレーションといった一見ネガティブに捉えられかねないエネルギーが生み出した文化だ。BASIも、キャリアの半分以上はそういったフラストレーションの表現をメインにしていたが、様々な活動の積み重ねを経て心境に変化があったようだ。


2017年にソロ・アルバム 『LOVEBUM』のリリースにあたって、変化のきっかけは日常のふとした瞬間にあったと彼自身が語っている。HIP HOPだからといって尖ったリリックであるべきだとは限らないことに気づいたのだ。こうして、シャープさと柔らかさを兼ね備えたBASI独自のスタイルが出来上がっていく。実際、彼のリリックには「愛」というワードがよく登場する。この『LOVEBUM』では特にそうだ。名前からもわかる通りコンセプトに”愛”を掲げ、友情や恋、そして「日常の中にあるさりげない愛」を歌うことで、HIPHOPこそ自身にとって日常そのものであることを表現するという思いを込めた。




最新アルバム『切愛』について


そんなBASIは、2019年6月26日に最新アルバム『切愛』をリリースした。客演に唾奇、SIRUP、鎮座DOPENESS等注目のアーティストを迎え、人気曲「愛のままに feat. 唾奇」 などを加えた全12曲のアルバムだ。「愛のままに」は2018年10月にリリースされ7インチ・アナログが即完売、YouTubeで公開されたMVも再生回数460万回を超えるなど、もはやラッパーBASIの新たな代表曲と言っても過言ではない。韻シストでの活動もさることながら、ソロでのメロウなサウンドや日常をうたった親しみやすいリリックは古くからの彼の作風を知る人もそうでない人も一聞の価値がある。従来のHIP HOP、メロウファンクといったジャンルの壁を超えて受け入れられる音楽性がそこにはある。


しかしBASI本人としてはこの新たなスタイルに不安もあったようだ。新アルバムの注目作品である「愛のままに」は、バトルやトラップビートが主流のいわゆるHIP HOPシーンのトレンドと方向性が異なるからだ。長年のリスナーがこの変化をどのように受け止めるかは賭けだったと明かし、またラッパーが愛を歌うことについても、受け入れられるか否かはかなりギリギリのラインだと言い、そういった意味でも新しい挑戦の詰まったアルバムであったことが伺える。そんな心配をよそに、アルバム『切愛』はリリース後2週間足らずで2,695pt(CD売上枚数・ダウンロード数・ストリーミング再生数の合計)を獲得するなど好調な反応を見せ、BASIの音楽活動は第2章へと向かうことになる。



第2章、そしてこれから


もうひとつ、BASIの変化として挙げられるのが客演を多く迎えたことだ。それまで彼は自らのスキルや世界観を明確に表現することに重きを置き、1人でアルバムを制作することが多かった。だが、『LOVEBUM』の制作を終えた頃から、自身の活動がひとつの区切りを迎えたと感じたという。そして、「ここからを第2章と捉え、何か新しい試みをしたい」との思いから、長年交流があった唾奇にまず声を掛けた。また、『切愛』の1曲目「myself」には、2018年の台風21号で数日間自宅の水道や電気が止まった体験を基に、その際のリアルな心境や出来事をリリックに落とし込んだといい、「常に隣り合わせにある現実」を強く意識した作品に仕上がったと語っている。


キャリア21年目にして尚、日々の素直なインスピレーションを大切にし、長年のリスナーの反応を気にかけつつも新たな方向性を模索し続ける姿勢こそがBASIの最大の魅力ではないだろうか。そんなたくさんの思いと新たな挑戦が詰まったアルバム『切愛』を引っ提げ、2019年10月に札幌、11月には福岡でライブが決定している他、12月23日には地元大阪のZeppなんばにてパフォーマンスもラインアップされた。ラッパーとして、アーティストとして、日々進化し続けるBASIから目が離せない。




written by 編集部


photo: https://www.youtube.com/watch?v=5Pndj-9WOLk


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