自分を貫くラッパー、NORIKIYO

日本語ラッパーの代表格
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2020.02.24 02:00

日本語ラッパーの代表格


テクニックや声質、アイデアやパフォーマンスと全てのスキルが完璧とされ、日本語ラッパーの代表格としても知られているNORIKIYO。自分のやりたい音楽を追求し、お客さんに楽しんで貰うための工夫もしている。日本のヒップホップシーンを語る上では欠かせない存在だ。そんな不動の地位を築いているラッパー、NORIKIYOについて紹介する。




ラッパーのNORIKIYOとは?


NORIKIYOは1979年12月12日生まれの日本のラッパーであり、ミュージシャン・トラックメーカーだ。神奈川県相模原市を中心に活動しているヒップホップグループの「SD JUNKSTA」のメンバーである。SD JUNKSTAはNORIKIYOの他に、Bron-k、TKCやKYN、WaxやOjibah、SiteとDJ  Deflo、DJ Issoが居る。個性的なメンバーの中でNORIKIYOはリーダーを務める。


SD JUNKSTAはパフォーマンスに定評があり、ライブも人気のグループだ。東京の町田では「SAG DOWN PASSE」というパーティーを開催し、親交のある数多くのアーティストが参加していた。アンダーグラウンドの雰囲気がありながらも、ヒップホップのパワーを感じられるパフォーマンスに観客は酔いしれていたのだ。


SD JUNKSTAとしてアーティスト活動をし、2007年にはソロアルバム『EXIT』を発表。プロデューサーのBeach LogicやI-DeAから楽曲提供を受けている。このソロデビューアルバムはTHE SOURCE誌の「ベスト・オブ・ジャパニーズラップ・2007」に選ばれた実績もある程だ。日本国内のWEBマガジンでも年間最優秀アルバムに選定されている。


2008年にはセカンドアルバム『OUTLET BLUES』を、2011年には限定500枚でシングル「秘密」を発売。2009年には出演者がファンの投票で決まる「PEOPLE'S CHOICE」に選出され、『B BOY PARK 2009』に出演した経歴もある。さらに2011年には自身がオーナーを務めるショップのオープンし、CDやスプレー、マーカーや洋服などを販売している。




自分を見つめて自分のスタイルを確立


NORIKIYOがラッパーとして生きていこうという覚悟を決めたときに製作されたのが、ソロアルバムの『EXIT』だ。クラブで喧嘩をして相手に怪我をさせてしまい、警察に通報される。どうにか逃げようと窓から飛び出したNORIKIYOは、大怪我を負ってしまうのだ。医師からは一生車椅子生活を覚悟して欲しいと宣告されてしまう。治療を終えて歩けるまでに回復したが、これまでの生活から脱却したいという思いやラッパーとして生きていく覚悟をこの作品に込めたと証言しているのだ。


ファーストアルバムとセカンドアルバムは比較的過激でストリート色が強めの作品だったが、それ以降にリリースされた作品では社会問題にも斬り込むようになっている。自分自身の生活から生まれる楽曲も目立つようになり、リアルなリリックが人々の共感も呼ぶようになったのだ。さらに男性のリアルな声をリリックに反映することで、複雑な男心も表現している。


NORIKIYOのラッパーとしての生き様は実に硬派で、馴れ合いやヒップホップ風、流行に流されたような楽曲は決して許さないスタイルだ。カルチャーとしてのヒップホップを大切にし、”フェイク”だと判断したものにはとことんディスる。皮肉も踏まえてストレートにリリックにするのではなく、上手に言葉を使って相手を意見するのだ。相手に意見すると言ってもただの悪口ではなく、そこにはリスペクトや愛情がある。ヒップホップを心から愛しているからこそその気持ちを分かって欲しい、相手の才能を大切にしたいという気持ちが込められているのだ。


流行に流されたりオーディエンスに媚びたりしないのも、彼の特徴である。聴きやすさを追求して使われるオートチューンを多用しない、自分のやり方をやり通す。ライト層に向けて方向転換してしまった先輩ラッパーにも物申す強さがあるのだ。そんな硬派な一面もファンに支持される理由かもしれない。また日本語のラップにもこだわりがあり、日本語だからこそ表現出来る”粋”も大切にしているのだ。「他の誰かを真似したってその人にはなれない」「自分は他の人とは違う山を登っている」と人の評価や世間は気にしない、どこまでも自分を表現することに注力しているのが魅力だ。




リリックセンスも抜群と言われ、他のラッパーでは表現出来ないようなリリックを書く。ときにはポエトリーな作品を発表したりと、表現方法も豊かだ。中にはどこかぶっきらぼうに感じられるリリックもあるが、等身大の自分の言葉を紡ぐ表現方法のひとつなのだ。


ファンのことを一番に考え、様々なサービスも展開している。代表的なのはストリーミングの解禁だ。彼自身はあまりストリーミングは利用しないと言うが、試聴するきっかけを人々に与えたい、聴いてもらえる機会を増やしたいとスタートさせた。もし気に入ってくれたらCDを購入してくれるかもしれない、ライブに参加してくれるかもしれないという期待も込められている。いつ自分の音楽を聴いて貰えなくなるか分からないから、聴いてくれるファンには思いっきり楽しんで欲しいと配信を決定した優しさもある。ファンの気持ちを考えて要望に応える、これはファンとの信頼関係を築く上で大切な作業だとインタビューでも答えているのだ。




written by 編集部


photo: https://norikiyo.biz/profile/


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