VaporwaveやFuture Funkシーンで活躍!シティー・ポップブームの火付け役Night Tempoって?

日本のシティー・ポップブームのけん引役となったNight Tempoとは?
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2020.02.11 22:40

日本のシティー・ポップブームのけん引役となったNight Tempoとは


韓国を拠点に活動しているDJ兼音楽プロデューサーのNight Tempo(ナイト・テンポ)。VaporwaveやFuture Funkなど2010年代に流行した楽曲シーンで活躍し、日本のシティー・ポップの世界的な流行の火付け役となった。そんなNight Tempoとは何者なのだろうか。そこで今回はNight Tempoの音楽性について探っていく。





シティー・ポップを発展させたVaporwave、Future Funkってどんなジャンル?


VaporwaveもFuture Funkもベースとなる音楽は1980年代に日本で流行したシティー・ポップだ。1980年代と言われると日本は高度経済成長を迎え、海外志向のアーティストが増えたことから、洋楽を意識するだけでなく、洋楽に日本ならではのポップな彩りを加えた音楽が増えた時期だろう。特にZARDやDEENなどのビーイング系音楽は現代でも熱狂的なファンが多い。


シティー・ポップの特徴と言えば、都会的な大人の恋を歌った点も挙げられる。高度経済成長期の日本では若者の夜遊びが盛んで、クラブなども流行した。そんな都会的で洗練された1980年代の音楽の中でもシティー・ポップの火付け役となった楽曲と言われているのが山下達郎の「RIDE ON TIME」だ。この楽曲がリリースされたのをきっかけに1980年代のシティー・ポップブームが起こった。しかし、1990年代前半でSPEEDやZOOなどといったダンスミュージックが流行したことにより、シティー・ポップブームは終焉を迎えることとなった。


しかし、2010年代に突入してシティー・ポップが再流行の兆しを見せることとなる。この再度起こった日本におけるシティー・ポップブームを「ネオ・シティー・ポップブーム」と呼び、SuchmosやAwesome City Clubなどがネオ・シティー・ポップを代表するアーティストとして挙げられる。これらのネオ・シティー・ポップの楽曲がクラブ界隈で流れるようになり、日本から世界へシティー・ポップの存在が知られるようになった。そんなネオ・シティー・ポップブームをきっかけに知られるようになった楽曲の代表格が1984年リリースの竹内まりやの「プラスティック・ラブ」だ。元々竹内まりやの楽曲の中でも特に人気の高い楽曲だったが、2017年にYouTubeにアップロードされたプラスティック・ラブの音源は世界中のシティ・ポップファンから聴かれており、なんと再生数は2019年の段階で2700万回を超えている。


そしてこのネオ・シティー・ポップブームをきっかけに、2010年代に新たに登場したジャンルがVaporwave、Future Funkだ。Vaporwaveとは基本的にパソコンとDAWを用いて元からある楽曲を切り貼り・リミックスするだけというジャンルである。新しいジャンルに対する批評・風刺の意味合いも持っているジャンルだ。このVaporwaveから派生したジャンルがFuture Funkである。Vaporwaveは1980年代の音楽の中でも世界各国の楽曲をサンプリングに用いているが、Future Funkは日本の1980年代の楽曲をサンプリングに使用しているという特徴がある。


また、VaporwaveはBPMを落とし、ゆったりとした音楽にリミックスする点も特徴だ。それに対してFuture Funkは逆にBPMを上げ、ダンスミュージックのようにノリやすい楽曲に仕上げられている。雰囲気的にはVaporwaveは落ち着いた雰囲気、Future Funkはアップテンポで楽しい雰囲気であることから、VaporwaveとFuture Funkは同じ括りではあるが、正反対の音楽性のジャンルと言えるだろう。




Night Tempoって何者?


韓国でDJやトラックメーカーとして活動するNight Tempoは2016年に竹内まりやのプラスティック・ラブのリミックスをYouTubeにアップロードすることで注目を浴びることとなる。そこから日本や台湾、アメリカでブレイクし、韓国でもNight Tempoの名が知れ渡ることとなった。Night TempoがVaporwave・Future Funkと言うジャンルを知るきっかけとなったのは2010年代中頃のこと。まだVaporwaveというジャンルは世に知られておらず、韓国国内にいるDJ仲間とインターネットで情報を共有しながらFuture Funkというジャンルを確立させていったそうだ。


VaporwaveはサンプリングにDaft Punk(ダフト・パンク)など、フレンチハウスの楽曲が使われることが多かった。そこで、Vaporwaveとの差を出すために当時流行していたシティー・ポップを使ってサンプリングを行うようになったのがNight TempoがFuture Funkと言うジャンルに触れるきっかけだった。


K-POPがJ-POPの影響を受けて発展し、そこから今やJ-POPに大きな影響を及ぼすようになるなど、韓国の音楽文化と日本の音楽文化はかなり深い関係性があると言えるだろう。クラブミュージックも同様であり、Night Tempoもネオ・シティー・ポップブームが日本で起こった際に1980年代のシティー・ポップを聴いてどこか懐かしさを感じ、楽曲制作に用いるようになったそうだ。


また、Night Tempoが日本の文化に影響を受けているのは音楽性だけでない。元々『AKIRA』など1980年~1990年代に流行したアニメ・漫画にも影響を受けており、Night TempoのアートワークやMVにもその傾向が現れている。特にアートワークはバブル期の日本のネオン街をイメージしたものが多く、『美少女戦士セーラームーン』や『気まぐれオレンジロード』を参考にしたものが中心である。このように、日本人に馴染みやすい音楽・デザインなので特に日本人はNight Tempoの音楽に親しみを感じやすく、Vaporwave・Future Funkが誕生した本場アメリカLAだけでなく日本においてもFuture Funkの第一人者として確固たる地位を築き上げている。






written by 編集部


photo: facebook

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