Maika Loubtéは時代も国境も飛び越える歌声を持つシンガーソングライター

日本にルーツを持つフランス発のシンガーソングライター!
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2020.02.18 02:00

日本にルーツを持つフランス発のシンガーソングライター!


どこか浮世離れした少女のような歌声が、電子音に乗って軽やかに転がっていく。まるで呼吸をするように歌うのはシンガーソグライターのMaika Loubté(マイカ・ルブテ)だ。父はフランス人・母は日本人という両親のもとに生まれ、子供の頃から世間から浮いていたと自覚する彼女の音楽作りを追ってみた。





パリの名門音楽院を蹴って14歳で始めた作詞・作曲


母親が日本人で日本で生まれたというルーツを知れば、Maikaという名前にも頷ける。日本人女性に珍しくない名前であり、東洋のエキゾチックな雰囲気が混じった面立ちには親近感を持つ日本人が少なくないだろう。モデルとしての活動もしている彼女には純血の西欧人とは異質なオーラが漂っている。


幼い頃にクラシックピアノを習い始めたMaika Loubtéは、10歳でフランスに渡り国際的なコンクールに出場するほどピアノにかける少女時代を送った。パリの名門音楽院入学試験に合格したほどだというから、その腕前と音楽的才能は疑いようもない。しかし14歳の彼女は、音楽院合格まで到達したところで「もういいや」と思ってしまう。それも、一つの運命だったのかもしれない。日本のリサイクル店で手に入れたシンセサイザーでの曲作りにのめり込む時間は、クラシックピアノの練習に打ち込んだままでは捻出できなかっただろう。運命の楽器シンセサイザーに出合ってからは、部屋をいっぱいにするほどこの楽器に夢中になったそうだ。




クラウドファウンディングでソロ・アルバムデビュー


Maika Loubtéがシンガーソングライターとしてソロ・アルバムデビューしたのは2014年だ。当初は曲作りは当たり前にしていたものの自身で作詞までするとは思ってもみなかったらしい。25歳で発表したアルバムのタイトルは『100(momo)』。それまでにもギタリストのShinya Saitoと組んでアルバムをリリースしたことがあり、それを機に知り合った多くの日本人ミュージシャンがソロ・デビューアルバムで共演している。クラウドファウンディングで資金を募って制作され、支援者が100人だったことから名付けられたタイトルだ。


とにかくキーボードにこだわるMaika Loubtéだが、曲作りのシーンではヴィンテージアナログ楽器から最新の電子楽器まで多彩に取り入れる柔軟性がある。クラシック音楽を愛する父親のもとで育ち、自身もクラシックピアノに打ち込みながら、日本で人気だったPUFFYやJUDY AND MARYを聴き込んでいたというから感性は自由なのだ。オルタナティブ・ポップと括られることもあると自身が語る彼女の音楽性は、国境はもちろんジャンルも超越している。肩書すら、シンガーソングライターだけでなくDJ・トラックメーカー・モデルなど複数あるほどだ。




どこか懐かしいキュートなエレクトロポップ


どんな音楽を作るシンガーソングライターだろう? とMaika Loubtéの楽曲を初めて耳にした人は何だか懐かしい感覚を覚えるかもしれない。どこかで聴いたような、それも数十年も前に流行ったような音楽のようにも聞こえる。1989年に生まれた彼女が当時夢中になったはずもないメロディだが、フレンチポップスに似た響きが耳に心地よいのは年代を問わないのかもしれない。電子楽器を敬遠しがちな人にも受け入れやすい楽曲に仕上がっている。


歌声はキュート、電子音が空気に触れるとシャボン玉になって弾んでいくように流れるMaika Loubtéの曲は、自然と気分が上がるから不思議だ。初めて聞いたのに懐かしいから、無理に自分を音楽に慣れさせる必要がない。激しく揺さぶられることもないから、つかず離れずで寄り添うことができる。途中で聴くのをやめても、全て聴き終えても、心地よさしか残らない曲はまれな存在だ。歌詞はフランス語が中心となっているようだが、日本語や英語も取り入れて自由なシンガーソングライターぶりを発揮している。




国境を感じさせないライブ活動


インターネットが普及した時代に、アルバムを世界に売って出るシンガーソングライターは少なくない。宅録から音楽活動をスタートしたMaika Loubtéも、インターネット時代を象徴するミュージシャンの1人だろう。しかし彼女は、ライブ活動も積極的におこなっている。日本やフランスはもちろん、子供時代に暮らしたことがあるという香港をはじめ台湾、中国、タイ、スペインでもライブ出演を果たした。各国でのオーディエンスのノリを肌で感じることが彼女の新たな刺激となっているようだ。


国が違えば観客の反応も違うと発言しているがだからといって忖度したり、逆に凝り固まった音楽性を押し付けるわけでもない。どこの国にいても浮いていたと感じ続けてきた彼女は、音楽シーンでは国境を感じさせない良さを発揮している。それでいて、各国のミュージシャンとのコミュニケーションに重きを置き積極的にコラボレーションに参加しているのも彼女の底知れない魅力だろう。2019年7月に発表されたアルバムのタイトルは『Closer』。近づいたときにこそわかるものを表現しているという作品は聴く前から神秘的なものを感じさせ、シンガーソングライターMaika Loubtéの魅力を余すことなく感じられる期待にあふれる。




written by 編集部


photo: facebook

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