「きっとね!」で大注目のシンガーソングライター、中村佳穂の音の世界

中村佳穂とは
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2020.02.18 02:00

中村佳穂とは


グルービーでソウルフルな歌声が魅力的な中村佳穂(なかむらかほ)は、京都出身のシンガーソングライターである。セカンドアルバムのリード曲「きっとね!」は音楽ファンを虜に。その独特な言葉のセンスと自由奔放な音楽スタイルで世間を圧巻する、中村佳穂の音の世界を紐解いてみる。




人気有名歌手や大物音楽プロデューサーも絶賛する新星シンガーソングライター


シンガーソングライター中村佳穂がブレイクするきっかけとなったのは、2019年1月20日放送のTV番組『関ジャム 完全燃SHOW』。番組内で売れっ子音楽プロデューサーの蔦谷好位置とmabanuaが、2018年のマイベスト10曲の上位にそれぞれ中村佳穂の楽曲を選出したのである。そのときに紹介されたのが、2018年11月7日リリースのセカンドアルバム『AINOU』から「きっとね!」と「You may they」の2曲だ。2人は、ジャンルにとらわれることのない自由な中村佳穂の音楽に魅了され、その技術力の高さを絶賛している。『AINOU』のリードナンバーである「きっとね!」は、ヒット曲を世に送り出し続けるあの米津玄師も、自身のツイッターで「さいこー。」と称賛する一曲だ。


TVが放送される以前から、すでに音楽家の間では「とにかく中村佳穂がすごいらしい」という噂で盛り上がっていたとか。出身校である京都精華大学在学中にシンガーソングライターとして本格的な音楽活動をスタートさせた中村佳穂は、ソロ、デュオ、バンドなどさまざまな編成でライブ活動をおこなう。固定メンバーをもたず、全国を駆け巡る中で出会った人とセッションをするという独自のやり方で、音楽の幅を広げてきた。大学4年間の集大成として2016年にリリースしたファーストアルバム『リピー塔がたつ』が高く評価され、その年の『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。そのときに観たJames Blake(ジェームス・ブレイク)のステージに衝撃を受け、そこから2年をかけて作り上げたのがセカンドアルバム『AINOU』だ。





中村佳穂の原点と音楽の道へと導かれた経緯


2歳でピアノを習い始めたというシンガーソングライター中村佳穂が初めて音楽と出会ったのは、まだこの世に誕生する前、母親のお腹の中にいた頃といっても過言ではない。というのも、中村佳穂の母親は奄美大島出身で大の音楽好き。なかなか手に入らないようなCDやレコードを探し回り、ようやく手に入れるとずっとそれを聴き続けていたとか。幼い頃から家の中ではいつも音楽が流れているような、そんな環境で育った中村佳穂の魂には、自然と音楽が染み込んでいるのだろう。


そんな音楽をするために生まれてきたような中村佳穂だが、幼い頃から音楽一筋できたというわけではない。まだ幼稚園の頃、彼女には大好きなことが2つあった。それは、歌を歌うことと絵を描くことの2つだ。絵か音楽、どちらの道に進むべきか決めきれないまま、中高では吹奏楽部に所属。と同時に高校では、美術部の半幽霊部員も兼ねながら美術大学を目指していた。


中村佳穂が最終的に音楽の道を選ぶきっかけとなったのは、卒業制作として大きなキャンバスに絵を描いていたときだった。当時の恩師の影響もあって、「なぜ絵を描くのか」という根本的なことを自分に問い続けながら絵を描いていたら、突然涙がとまらなくなったのだ。それは嬉し涙でも悲しい涙でもなく、心がなにか本能的なものに反応した結果でてきた涙だった。その時初めて「音楽一本でいこう」と心が定まったのだ。それが、シンガーソングライターとして活躍する中村佳穂の始まりである。





「きっとね!」が収録されるセカンドアルバム『AINOU』の誕生


『FUJI ROCK FESTIVAL』で出会ったJames Blakeの音楽に感銘を受けたシンガーソングライター中村佳穂は、当時近くにいた「レミ街」のメンバー荒木正比呂と深谷雄一に、彼の音楽のかっこよさの秘密をたずねる。そのときに初めて、サウンドメイクという音の作り方の面白さを教えてもらったのだ。そこから2年かけてサウンドメイキングを重視した楽曲をつくりあげ、セカンドアルバム『AINOU』のリリースに至った。


この『AINOU』は、三重県で合宿をしながら制作したという。なぜビートミュージックはかっこいいのか。ビートや音のバランスを中心に音楽を聴くレミ街のメンバーに対して、歌の流れをメインに聴く中村佳穂。音の聴き方が違うのに、同じ曲を寂しいと感じるのはなぜだろう。そのようにいろんな音楽を検証する作業は1年間続けられた。こうして『AINOU』に収録される12曲なかでも、最初に仕上がったのが「きっとね!」だ。


『AINOU』のリード曲「きっとね!」は、まるで卓越した大人のラブソングのようだ。秘密や苦しい程の痛みが、優しさや強さを生み出す。生きることは愛することそのもの。そんな奥深い歌詞が心地よいビートにのせられ、繰り返される。日本語の歌詞でありながら、どこか英語の歌詞に聞こえるようなかっこいいサウンド。震えるような音楽。「きっとね!」は中村佳穂の真骨頂といえるだろう。これからもシンガーソングライター中村佳穂から目がはなせない。



written by 編集部


photo: nakamurakaho.com




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