神戸発の新感覚バンド、FIVE NEW OLD

「枠」を越えて活躍するバンド、FIVE NEW OLDとは
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2020.02.17 01:10

「枠」を越えて活躍するバンド、FIVE NEW OLDとは


神戸発の4人組ロックバンド「FIVE NEW OLD」が、日本のロックシーンで話題を呼んでいる。デビュー以来破竹の勢いで知名度と人気を高めて来た彼らの音楽は、どこか馴染みがあるようでいて新しいスタイルだ。今回はそんなFIVE NEW OLDというバンドについて掘り下げて紹介していく。




構成メンバーとバンドの歴史


FIVE NEW OLDのメンバーは4人、ギターボーカルのHIROSHI、ギターのWATARU、ベースのSHUN、ドラムのHAYATOで構成されている。2010年にポップパンクバンドとして結成され、2017年に脱退したベーシストYOSHIAKIの後任としてSHUNが2018年に正式加入する形でこの4人体制となった。HIROSHI曰く、バンド名には特に意味はなく言葉の響きで名付けられたとの事だ。しかし「FIVEとは五感の事を指しているのか」「NEW OLDとは古今を問わない音楽を表しているのか」などの質問を受けるうちに「周囲がバンド名に意味を与えてくれた」と感じるようになったとも語っている。


彼らは結成当初から精力的にライブ活動を行いキャリアを積み重ねてきた。2010年10月に製作したデモ音源『She’s The Only One Who Makes Me Rash』は瞬く間に500枚を完売、2012年には新人ながらも『激ロックFES vol.6』に出演し海外の実力派バンドとも共演している。2012年6月には初の正式音源となるファーストEP『LOVESICK』を発表した。洋楽・邦楽を問わず様々なバンドと共演していく中で評価を高めていった彼らがファーストアルバム『LISLEʼ S NEON』をリリースし、初めての全国対バンツアーを慣行したのは2015年の事だ。


2017年6月にFIVE NEW OLDとして初のメジャー作品となるEP『BY YOUR SIDE EP』をTOY’S FACTORYからリリースし、同年にワンマン公演を含むレコ発ツアーを行い成功を収めている。翌2018年1月にメジャーファーストフルアルバムとなる『Too Much Is Never Enough』を発表、それまでのキャリアで最多となる16公演の全国ツアーを開催した。2019年には香港・台湾・中国・タイ・日本を回るアジアツアーを開催するなど、国際的な人気も獲得している。




ジャンルレスなサウンドが最大の武器


FIVE NEW OLDは「音楽にジャンルはない」というモットーを掲げて活動している。これは彼らの音楽が様々な要素を取り込んで成長し続けている事を意味しているものだ。あえてジャンル付けするのであれば、彼らはポップパンクバンドとしてそのキャリアをスタートさせている。しかしその音楽性は決して単一的な要素によるものではなく、ブラックミュージック・R&B・ゴスペルといった多彩なエッセンスが取り入れられたものだ。


FIVE NEW OLDの楽曲は基本的に英語で歌詞が綴られており、爽やかで口ずさみやすいメロディラインの構築に一役買っている。それでいながら楽曲とのマッチングを考慮して日本語が必要だと判断すれば、迷わず日本語の歌詞が曲中に綴られる。彼らのいう「音楽にジャンルはない」というのは、歌詞における言葉遣いについても同様の考え方が読み取れるだろう。楽曲製作や演奏スタイルについても、打ち込みサウンド・鍵盤・管楽器を楽曲に合わせて盛り込むなど色彩豊かで何物にも縛られない自由なスタイルを得意としている。






FIVE NEW OLDの人気曲


FIVE NEW OLDの楽曲の中でも、ファーストフルアルバム『LISLEʼS NEON』に収録されている「HOLE」は代表曲として名高い。この曲は冒頭からR&B色の強いグルーヴィーなバッキングが耳に飛び込んでくる。ゆったりとしたリズムに乗せて歌い上げられるメロディーは心地良く、HIROSHIの流暢な英語がその雰囲気を際立たせていると言えるだろう。リズムセクションのストップ・アンド・ゴーを効果的に挟み込む事で、スローテンポの曲にありがちな間延び感は感じられずリスナーはノリに身をゆだねる事が出来る。まさに彼らの長所が詰め込まれたキラーチューンと言って差し支えない。


2017年リリースのEP『WIDE AWAKE EP』のトップを飾る「Stay(Want You Mine)」は、まるで90年代にタイムスリップしたかのような錯覚さえ覚えてしまうだろう。90年代の洋楽ポップスが持つ独特の浮遊感や柔らかな質感を、見事に現代音楽として昇華している。生音と打ち込みサウンドをバランス良くミックスした音作りが彼らのセンスが光るポイントだ。ライブで聴けば思わず口ずさんでしまうであろう「Want You Mine」というコーラスが、楽曲のポップさをブラッシュアップしている。


メジャーファーストEP『BY YOUR SIDE EP』収録の楽曲「By Your Side」では、彼らの得意分野のひとつである重厚なコーラスワークが堪能出来る。ゴスペルから強い影響を受けたFIVE NEW OLDならではのエモーショナルなコーラスが聴き手を包み込んで放さない。サイドでギターが軽やかなリズムを取っていたかと思えば、Dメロでは一転してハードなサウンドで楽曲を盛り上げている。こうしたサウンドの使い分けひとつを取っても、彼らの音楽センスの高さが伺えるだろう。


2019年リリースのEPからは表題曲にもなっている「What’s Gonna Be?」を紹介したい。王道ポップスサウンドを踏襲したこの楽曲は比較的シンプルな構成がとられているが、それだけにごまかしが効かない。しかし絶妙に流れを生み出すキャッチーなベースラインや、徐々に鳴らす楽器の数を増やしていく事で爽やかさの中にしっかりと楽曲の盛り上がりを演出している。日本の渋谷系音楽やMaroon5(マルーン5)を連想させる、FIVE NEW OLD流の正統派ポップスだ。




written by 編集部


photo: facebook

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