Underground Resistanceが、デジタルリリースを行うと発表した理由とは?

この記事をシェア
Written by Jun Fukunaga
Photo: Underground Resistance Facebook
かつてMad MikeとJeff Milesによって結成されたユニットであり、レーベルでもある通称「UR」こと、Underground Resistanceは、ホームページ上にもあるイントロダクションでも、「音の革命による変化を望む、行動のためのレーベル」と表明しているようにクラブミュージックシーンで1番「シリアスなレーベル」として知られているが、今、このURが、新たに抵抗、行動を起こすことが、Mad Mikeによって発表され、シーンに衝撃を与えている。
それによると、現在のレコードブームによって、大手メジャーレーベルではない、中小レーベルは作品をリリースしていくことが非常に困難な状況に陥っており、レーベルとしての経営、活動継続の危機にさらされていると訴えている。
Mad Mike曰く、「現在のブームによって、レコードプレス工場が「渋滞」状態に陥っているため、必然的に販売による収益を回収するまでには長い時間を費やすことになる。しかし、プレス費用を半年前に、流通費用を3ヶ月前にそれぞれ前払いする必要があり、中小のレーベルでは、その請求分を支払ったうえで、持ちこたえていくことが難しい」とのこと。
そして、そういったレーベルの現状を打破するために、これまでに違法にアナログ盤からリッピングされた低音質なものとは違う、マスタリングされた高音質なデジタル盤のUR作品と、関連レーベルのRed Planet作品をbandcamp上で、リリースすることを発表している。
一時は「死に体」だったアナログ盤の近年のセールスの好調ぶりは確かに目を見張るものがあり、レコード愛好家にとっては、朗報ではあるが、このような悲劇を巻き起こしているという現実もあり、事実、アナログ盤のセールスが好調だと言われるイギリスでも、その売り上げは、大手メジャーレーベルが発売するロックやポップスの大物アーティスト作品によるところが大きく、実際はそれよりも規模が小さいダンスミュージック専門の中小レコードレーベルについては、依然として厳しい状況下に置かれていることが改めて明らかになったと言えるだろう。