【無料プラグイン】80年代Korgのマニアックなシンセ「Trident Mk2」のエミュレーション「Tricent mk3」リリース

Retrowave/Synthwave~Lo-fi Houseあたりを中心に幅広く使える、80’sレトロでドリーミーなサウンド。
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2020.03.03 06:00

Korgの復刻プラグインKORG Collectionにも含まれてないマニアックなシンセTrident mkIIのソフトウェア版が、ドイツのFull Bucket Musicより無償プラグイン(Windows (VST)  macOS (VST/AU)対応 )として発表された。サウンドとしてはまさに今欲しいタイプの、マイルドでドリーミーなレトロ感が得られるシンセ。まずはデモ音源を聴いてほしい。



80年代Korgのフラッグシップシンセとしてリリース


78年にProphet-5が発売されて以後、シンセメーカー各社がこぞってメモリ搭載のポリフォニックシンセを発表する中、KORGが発表したのがこのTrident (Mk2)。ブラス、ストリングス、ピアノやエレピなどの音色がメモリされ、それぞれの音をパラアウトでき、8音ポリ、キーボードスプリット機能などステージでの演奏を意識した当時として高機能なプロユース仕様のシンセサイザーとしてリリースされている。


フラッグシップシンセとしての位置づけだったが、残念ながら発売当時の実績はよくなかった。ステージ用として使うにはサイズ・重量共に小型化しきれていなかったこと、中途半端な価格設定やプロモーションのタイミングとリリースのタイミングがズレてしまったことなどが理由だ。さらには不動の人気シンセKorg Mono/Polyも発売され、知名度も低いまま生産終了となり、マニアックなシンセとなってしまった。


チープながらも独特な上品さがあるサウンド


サウンド面で特徴的なのはOutputに付いているフランジャー。これが出音をユニークにモジュレートしている。Prophet-5のようなハードでソリッドな印象はないが、全体にふんわり小綺麗な印象。今聴くとソリッド過ぎないまったりした質感が心地よく、ブラス系の音色さえもマイルドさがある。


Retrowave/Synthwave~Lo-fi Houseあたりのドリーミーなサウンドや、Trap〜Future bassのパッドなどにも使えそう。今時の高機能シンセで80’sレトロっぽさを狙って作るのは知識もいるので、無料でお手軽にレトロサウンドを利用できるなら使わない手はない。定番すぎるヴィンテージ再現ものではないのも、制作のいいスパイスになるだろう。





操作は簡単なうえ、オンラインマニュアルも丁寧


MIDIラーンなど最低限必要な機能は盛り込まれているが、基本は80年代シンセのエミュレーションのため操作は非常にシンプル。昨今の複雑怪奇なシンセを使ったことのある方なら簡単に扱えるだろう。初心者の方も、なんとなく触っていれば使える範囲のものとなっている。


英語ながらフリーシンセとは思えないしっかりした図解入りPDFマニュアルも、もちろんフリーで入手できる。

▶https://www.fullbucket.de/music/dl/tricent_manual_1_0.pdf


ともかくフリーなので、デモ音源の音色が気になったならこちらからダウンロードして自身の耳でその出音を確かめてもらうといいだろう。ちなみにFull Bucket Musicには他にもユニークなフリープラグインが多数アップされており、昨年12月にはKORG VC-10 Vocoderのエミュレーション・プラグインも発表している。


基本はフリーウェアだがドネーションも受け付けているので、気に入ったらできる限りサポートしてあげよう。


written by Yui Tamura


Source:

https://www.fullbucket.de/music/tricent.html

photo:

https://www.fullbucket.de/music/tricent.html





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