TOWA TEI x ☆Taku Takahashi 対談式 インタビュー Part 1

Written by Kazutaka Masuko<autobr /><autobr />通算8枚目となるニューアルバム『CUTE』を7月29日にリリースするTOWA TEIに、☆Taku Takahashiがインタビュー。今作の制作話を中心に、音のディテール、カルチャー、今の音楽シーンなど、この2人だからこそ語り得たディープでスペシャルな内容を4回に渡って公開致します。<autobr /><autobr /><big>自分が回さない時も毎晩クラブに行って<autobr />聴いた曲を紙にひたすらメモってた</big><autobr /><autobr />☆Taku　アルバム聴きました。僕めちゃくちゃ好きです。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　何が良かった？　何が面白かった？　なんか引っかかった？<autobr /><autobr />☆Taku　僕はどうしても打ち込みのほうに耳がいっちゃうんです。打ち込みの仕方とかディテールの部分に。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　同業者的だなあ。<autobr /><autobr />☆Taku　そういうところ以外では、音そのものが空間を作ってくれるというか……例えば家具を置いてすごく楽しい部屋になったりするかのような。今のサウンドのトレンドに僕はちょっと疲れているところがあるのかもしれないです。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　だって☆TakuはEDMでしょ？<autobr /><autobr />☆Taku　うん。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　EDMを率先している人だもんね。<autobr /><autobr />☆Taku　いやいやいや（笑）。好きですけども、そのセットの中にドラムンベースを入れたりしてるんです。いろんなジャンルを入れていくというのは、テイさんからの影響を結構受けているんです。何か1つのリズムじゃなくていろんな音が入っていくという。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　それは僕のルーツが……1987年の終わりにニューヨークでDJになって、88年、89年はそれで食っていて。いちばんDJをやっていたときがそうだったから。<autobr /><autobr />☆Taku　当時はレゲエをかけたりハウスをかけたりだったと言っていましたね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　そう。一晩でそれらを一緒にやっていたから、ロックもかけなきゃでワンジャンルだけじゃ無理なわけよ。<autobr /><autobr />☆Taku　その当時のお客さんってどういう感じだったんですか？<autobr /><autobr />テイ・トウワ　最初にレギュラーになった2つのうちの1つの店はブラックの人が多かったけど、どちらかというとハイソというかお金があるような人たちだった。イギリス系のブラックの人ってちょっとおしゃれじゃない？　音楽的にもファッション的にも。<autobr /><autobr />☆Taku　ですね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　あとは白人のDJでもすごくブラックミュージックに精通していて、レアグルーヴやレゲエに詳しいヤツがいた。そういう彼らが選曲の幅を広げてくれる先生でもあったわけだけど。僕は自分が回さない時も毎晩クラブに行って、当時はShazamもなかったから（笑）、聴いた曲を紙ナプキンとかにひたすらメモってた。<autobr /><autobr />☆Taku　毎日？<autobr /><autobr />テイ・トウワ　毎日行った。そこでかかっている曲を優しく答えてくれた人がフランキー・ナックルズだったりデヴィッド・モラレスだったりもして。<autobr /><autobr />☆Taku　ダンスミュージック界の大御所だらけ（笑）。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　一晩中ひとりで聴いていたけど、４ツ打ちなんてものは今みたいに多くなかった。四ツ打ちのレコードが週に数枚しかリリースがなかった87年だよ！　86年にハウスがシカゴからニューヨークに来た時代だから、週に2枚ぐらい「ハウスが入ったぞ」って（笑）。しかもひでぇミックスとか、ひでぇプレスとかろくでもなかったりもするわけよ（笑）。<autobr /><autobr /><autobr /><autobr /><big>どちらかと言うともう音楽はやめようと思って<autobr />ニューヨークに行った</big><autobr /><autobr />☆Taku　元々ニューヨークに行った理由は、アートスクールへの留学ですよね？<autobr />テイ・トウワ　そうそう。でもすぐドロップアウトして。87年2月に行って、87年の暮れにはDJになってた。<autobr /><autobr />☆Taku　テイさんはデザイナーを本職にするのが夢でもあった、みたいなことを仰ってたと思うんですけど。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　当時はね。<autobr /><autobr />☆Taku　学校をドロップアウトしたのは、音楽のほうがうまくいったからですか？<autobr /><autobr />テイ・トウワ　うまくいったからじゃなくて、音楽のほうが面白かったから。DJになりたいなと思い、毎晩クラブに行って。<autobr /><autobr />☆Taku　留学する前からも打ち込みをやってましたよね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　打ち込みはやっていたけど、どちらかと言うともう音楽はやめようと思ってニューヨークに行ったのよ。でもモノフォニックの8トラックしかないヤマハのMSXコンピュータと、サンプラーはカシオのFZ-1だけは持って行ったの。<autobr /><autobr />☆Taku　Deee-Liteの「Groove Is in the Heart」のミュージックビデオにも登場してますよね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　使ってるよ。あのアルバムの半分ぐらいはMSXで作っていたものをスタジオでそのまま流し込んでる。途中からMacを買って、初期の『Vision』（音楽ソフト）を入れて。当時はオーディオがないけど（※今はパソコンでオーディオをいじれるのが普通だが、当時はできず）、2ndアルバムの途中ぐらいに2chから4chになって、オーディオが使えるようになったんだよね。そういう時期だよ。<autobr /><autobr /><autobr /><big>往々にして時間が短くできているものは<autobr />気に入っているものが多い</big><autobr /><autobr />☆Taku　今回リリースされるアルバムのタイトルは『CUTE』。いつも曲が集まってからタイトルを考えられてますよね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　だいたいそうだね。もちろんタイトルも当初の予定から変わっていくものもあるし、最初からずっとそのままのものもあるけど。<autobr /><autobr />☆Taku　今回はLEO（今井）君が多く参加しています。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　4曲で参加してます。<autobr /><autobr />☆Taku　そのタイトルは一緒に会話して決めていた、と他のインタビューで読みましたが、それってスタジオに入った時に「こういうのをやりましょう」って言うんですか。それとも飲んでいるときに出てくるとか。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　両方だね。「CUL DE SAC With Leo Imai」は、作曲クレジットも“words and music TOWA TEI & LEO IMAI”になっている唯一の共作で、これはアルバム制作の最初の頃にオケだけあって、パッとできて、仮でサッと“CUL DE SAC”って付けた。“袋小路”“出口なし”っていう意味。<autobr /><autobr />☆Taku　（笑）。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　フランス語なんだけど、ゴダールの映画でこのタイトルがあるの。<autobr /><autobr />☆Taku　そこからインスパイアされて。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　そうそう。「CUL DE SAC」の前にLEO君には「LUV PANDEMIC」で歌ってもらって、作業が楽しくってその後飲みに行ったんだけど、そこで「他にないんですか？」と言われて。「今回は歌ってもらっただけだけど、次はインストを聴かせるからピンときたら何か考えてよ」って言ったの。そうしたら、すごい勢いで作ってきて。<autobr /><autobr />☆Taku　LEO君も楽しかったんでしょうね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　そうね。その時に世の中の話をしたわけですよ。だいぶ妙な世の中になってきちゃったからさ。<autobr /><autobr />☆Taku　今は時代がすごく変わっている。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　3.11以降、いろいろ思うことはあるよね。<autobr /><autobr />☆Taku　必ずしもポジティヴじゃないこともいっぱい起こっています。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　そうそう。必ずしもじゃなくて、だいぶひどい世の中だと思いますよ（笑）。<autobr /><autobr />☆Taku　そうですけど（笑）。結構ディープな話をしていたわけですね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　音楽も売れないしさ、といういろんな話をしていたなかで僕のトラックを聴かせて。「CUL DE SAC」というのは閉所恐怖症というか、出口がない、閉塞感のある言葉なんだけど、逆にこのオケは開放感があって、僕がパッとイメージしたのはなんとなく広い湖とかなんだよと。<autobr /><autobr />☆Taku　正反対のものをハメたという。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　そうそう。それだけで「後で送るから」と言ってトラック自体は聴かせてなかったの。そうしたらLEO君がそれにインスパイアされて、“CUL DE SACという狭い袋小路に2人きりでいたい”というラブソングにしたわけ。逆に。広いところにいるより狭くてひどいところに2人いたほうがロマンチックだと。<autobr /><autobr />☆Taku　ロマンがありますね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　音って文学じゃないから、音を聴いて人によっては赤だったり、人によっては緑やモノクロだったりをイメージするけど、広がりのあるイメージのオケに閉鎖的なワードはどうかな？　っていう飲みながらの話をパッと具体的に詞とメロディにしてくれたんだよね。<autobr /><autobr />☆Taku　すごいチャーミングでキュートですねえ。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　僕はこのオケに関してはそこ止まりで、本当に「CUL DE SAC」だったから（笑）。このままだったらボツだったわけですよ、「ボツノバ」（笑）。<autobr /><autobr />☆Taku　「Technova」に続く「ボツノバ」（笑）。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　「ボツノバ」フォルダーはありますよ。<autobr /><autobr />☆Taku　それ、見たいですね。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　そこからたまーに復活することはあるけど、まず復活しないなあ。長年ずっとそこにいて、たまに思い出して開いてみることもあるけど、「うーん、やっぱりダメだな」って。ベースやフィルを変えてみたけどやっぱりダメだなって。<autobr /><autobr />☆Taku　たまーに使えることもあるんですか？<autobr /><autobr />テイ・トウワ　往々にして時間が短くできているものは気に入っているものが多いんだよね。<autobr /><autobr />☆Taku　アルバムの収録時間も短くする流れが。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　それもそうだし……近年特にアナログで音楽を楽しむようになっていて、コンディションの良い盤を買い直したりしてる。手に取ってジャケットやクレジットを見ながらみたいに、そういう行為をして聴いているのって20分ぐらいでしょ。<autobr /><autobr />☆Taku　レコードをひっくり返さないといけないし。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　そうそう。ひっくり返すのをやめて飯食べたり。そういうのが生理的に気持ちが良いんだよ、聴き方として。別にレトロスペクティブとかじゃない。収録時間が短ければ短いほどディープカットになるからどんどん音圧は上がっていくし。そういうのを『FLASH』ぐらいから意識するようになったかな。『Last Century Modern』は今聴くと長い（笑）。<autobr /><autobr />☆Taku　僕は世代的にちょうどなんですけど（笑）。<autobr /><autobr />テイ・トウワ　でも、そのときは若かったから僕もちょうどよかったのかもしれないね。<autobr /><autobr /><autobr /><big><a href="http://block.fm/news/TOWATEI_Taku_pt2.html" target="_blank">Part2へ続く>></a></big><autobr /><autobr /><autobr />今週の金曜日 7/31 (Fri) 24:00〜は「MIX BLOCK - TOWA TEI」をオンエア。<autobr />普段のMIXBLOCKのサウンドと違った世界観をご堪能ください。<autobr /><a href="http://block.fm/mix_block/towatei.html" target="_blank"><img src="/files/2015/07/f55b71ef06f40e.jpg" alt="20150731TOWATEI_MIXBLOCK.jpg"width=380 /></a></mltext><autobr>1</autobr></item><item num="3" type="mltext" status="1" page="1"><name>text_lf2</name><headline>TOWA TEI / テイ・トウワ</headline><mltext><img src="/files/2015/07/f55b65a319ad7f.jpg" alt="towatei_360_2015.jpg"width=180 /></mltext><autobr>1</autobr></item><item num="4" type="mltext" status="1" page="1"><name>text_lf3</name><mltext>94年『Future Listening!』でソロ・デビュー。その後、98年『SOUND MUSEUM』、99年『SWEETS ROBOT AGAINST THE MACHINE』、99年『LAST CENTURY MODERN』をリリース。2002年にはSWEETS ROBOT AGAINST THE MACHINE 名義で『TOWA TEI』をリリース。軽井沢への移転を機に創作活動は更に 活発化し、05年『FLASH』、09年『BIG FUN』11年『SUNNY』13年『LUCKY』と コンスタントに作品をリリースする。オリジナル作品以外でも楽曲制作、プロデュ ース等数多く手がけ、07年に松本人志監督の映画『大日本人』のサウンドトラック を担当。また、音楽制作の傍らで作り続けたアートコラージュ作品を集めた展覧会 『ecollage』展を 12年に東京と京都で開催。<autobr />ソロ活動20周年となる14年は『94-14 REMIX』『94-14 COVERS』『94-14』を20 周年企画として、リマスタリング3部作リリース。2015年、7月29日、ニュー・アル バム『CUTE』発売。<autobr /><autobr /><a href="http://www.towatei.com" target="_blank">http://www.towatei.com</a><autobr /><a href="http://www.machbeat.com/" target="_blank">http://www.machbeat.com/</a><autobr /><a href="https://www.facebook.com/MACH.TOWATEI" target="_blank">https://www.facebook.com/MACH.TOWATEI</a></mltext><autobr>1</autobr></item><item num="5" type="control" status="1" page="1"><name>clear_lf</name></item><item num="6" type="mltext" status="1" page="1"><name>text_lf2</name><mltext><big>【リリース情報】</big><autobr /><autobr /><img src="/files/2015/07/f55b659494ad49.jpg" alt="TOWATEI_CUTE_artwork.jpg" width=180/><autobr /><autobr />[Tracks]<autobr />01. FLUKE<autobr />02. TOP NOTE<autobr />03. LUV PANDEMIC<autobr />04. NOTV<autobr />05. HEAVEN<autobr />06. SOUND OF MUSIC with UA<autobr />07. TRY AGAIN<autobr />08. CUL DE SAC with Leo Imai<autobr />09. BARU SEPEDA<autobr />10. CHAISE LONGUE</mltext><autobr>1</autobr></item><item num="7" type="mltext" status="1" page="1"><name>text_lf3</name><mltext><big>音楽が一番キュート。テイ・トウワ8枚目。<autobr /><autobr />TOWA TEI - CUTE</big><autobr />品番 MBCD-1501<autobr />税抜価格:¥2,778 <autobr /><autobr />問い合せ先 <a href="mailto:contact@huginc.net">contact@huginc.net</a><autobr /><autobr />[予約 / 購入]<autobr /><a href="http://www.amazon.co.jp/CUTE-TOWA-TEI/dp/B00XL01PQO" target="_blank">●amazon</a><autobr /><a href="http://www.hmv.co.jp/artist_TOWA-TEI_000000000052853/item_CUTE_6432684" target="_blank">●HMV</a>

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