スーパーオーガナイザートーク #3 LOCATION -場所起点のイベントのつくり方-

アフロマンスが注目のイベントの仕掛け人たちを集め、場所を起点としたイベントのつくり方についてトーク!
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2019.09.30 10:30

アフロマンスが注目のイベントの仕掛け人たちを集め、話題のイベントの作り方についてトークする番組。今回はゲストにサトウダイスケさん(森の映画祭)、外山健太郎さん(音泉温楽)、後藤桂太郎さん、宮崎てるふみさん(岩壁音楽祭)をお招きし、「LOCATION -場所起点のイベントのつくり方-」というテーマで話していました。




▶「スーパーオーガナイザートーク by アフロマンス」

放送日:毎月第2木曜日 20:00 - 21:00 O.A.

番組URL :https://block.fm/radios/612





アフロマンス:それでは本題に入りまして、今回のテーマ「LOCATION 場所起点のイベントのつくり方」ということで、3名のゲストをお招きしております。今日は優等生な人が多くてですね。前回はこの放送の5分前に来るみたいなゲストとかもいて。ろくに打ち合わせもできなかったんですけども。今回は1時間前くらい前から来てる方もいて。すっかり、2杯くらいあけてる感じなんですけども。そこでもう結構楽しい話もしちゃって、僕も今日いろいろ楽しい話が聞けるという確信が持てているメンバーでございます。まずは1人目ですけども。森の映画祭の主催のサトウくんです。よろしくお願いします。


サトウダイスケ:はい。よろしくお願いします。


アフロマンス:どんなイベントをやってるかというのを簡単に説明してもらってもいいですか?


サトウダイスケ:僕ですね、普段『夜空と交差する森の映画祭』という野外映画フェスをやっています。どんなイベントかというと、音楽フェスの映画版と考えていただけると分かりやすいんですけど。複数の映画の上映ステージがあって、そこで日が落ちてから日が昇るまで大体11時間ぐらい、森の中で映画を上映してるイベントです。今年でだいたい59本ぐらいの上映作品をやるんですけども。長編だと『インターステラー』みたいに有名な作品からインディーズの映画まで、いろんな映画を上映するイベントを年イチでやっています。


アフロマンス:ちなみにこれ、何年目なんですっけ?


サトウダイスケ:今年で6年目を迎えました。


アフロマンス:それで毎回、会場を変えているんですもんね?


サトウダイスケ:そうです。いままで本当に変わったところだと、愛知県の離島の佐久島っていう人口230人の島で1700人ぐらい呼んでイベントをやったりとか。去年はツインリンクもてぎっていう栃木にあるサーキットで映画を上映したり。いろんな場所を変えることで毎年の楽しみを変えるみたいなやり方でロケーションを変えています。


アフロマンス:それってお客さん目線なのか、サトウくんが飽きるからなのか、どっちなんですか?


サトウダイスケ:そういう意味でいうともう完全に後者で。ちょっとルーチンワークが苦手なので。毎年ゼロからやり直すという気概になれるように毎年場所を変えてます。なので、お客さんはかなり振り回していると思うんですけど。でも結果で言うと結構、「今年はどこになるんだろう?」とかすごい楽しみにしてもらってるので。まあ他にはない独特なコンセプトに最終的にはなってるのかなとは思いますね。


アフロマンス:なんか結構場所が変わると来る人は変わるんですか?


サトウダイスケ:そうですね。アンケートを取ってるんですけど、たとえば愛知でやった時には名古屋とか関西圏から来る人が増えたりとか。場所によって、その密度は変わるんですけど。でも毎年北海道から来ていただけてる、まだお名前を知らない方が去年の時点で「5回目」っていう風にアンケートに答えてたので。あとは北海道から沖縄まで、結構いろんな場所から何回も来ていただいてる方もいて。たぶんその場所が変わることを楽しみにしていただけてるのかなとは思ってます。


アフロマンス:なるほど。イベントをやってる身からすると、場所変わると全部作り直しじゃないですか。作り物からオペレーションから。すごい大変だと思うんですけど、そういうのをどういう風にやってるとか、秘訣とかを後で聞きたいと思います。じゃあ今日はよろしくお願いします。


サトウダイスケ:よろしくお願いします。





アフロマンス:そして2人目は音楽温泉の外山さんです。よろしくお願いします。


外山健太郎:よろしくお願いします。外山と申します。我々の方では『音泉温楽』というイベントをやっておりまして。簡単にいいますと、温泉地の座敷を使った音楽フェスというので、2009年から数えて今年で10年目。ずっと開催をしてきています。


アフロマンス:温泉地、まずトラップだなと思ったのが、音泉温楽って普通に考えたら「温泉」と「音楽」だと思うんですけども。あれ、漢字が違うんですよね。


外山健太郎:そうですね。『音泉温楽』ですね。「音」と「温」を入れ替えてるんですよ。


アフロマンス:僕は初めて遊び行った時にすごい動画とかを撮ってハッシュタグつけたのに、「他の人は全然ハッシュタグでつぶやいてない。こんだけ人がいるのに、どういうこと?」って思っていたら、「ああ、字が違うんだ」みたいな。


外山健太郎:そうなんです。あれは辞書登録しておかないと、すぐに入れづらいっていうトラップなんですよね。


アフロマンス:わかります。今回、ホームページとかを書いている時も1回1回打ち直したんで。あのタイトル、めんどくさいですよね。


外山健太郎:そうなんですよ(笑)。打ちづらいんですけど、それでエゴサしやすくしているっていうのもあるかもしれないですね。


アフロマンス:でもなんか、僕もその音泉温楽に初めて行った時にすごい……なんかいいイベントっていうか。あれ、リピーターが多そうですよね。


外山健太郎:そうですね。10年、同じ場所で。長野の渋温泉の金具屋っていう旅館ですね。ここも築80何年かの木造建築で、いまはもう建築法で建てられないような建物なんですよ。それで国の登録有形文化財になっているようなところでやってるんですけども。だからそこに来ること自体が……毎年12月なんですけども。忘年会をやってるというか、毎年この約束の場所に来たら会えるみたいな感じというか。それで結構リピーターの方が多いっていうのもありますね。


アフロマンス:なんか『千と千尋の神隠し』のモデルになったとか聞いたんですけど? あれは嘘ですか?


外山健太郎:いや、そう言われてるというか……(笑)。あんまり明言しづらいらしいんですけども。いくつかあるモデルになったところのひとつであるだろうっていう感じですね。


アフロマンス:あと、いちばんメインステージになっている……8階でしたっけ? 8階の「いつ使うんだ?」みたいなでっかい宴会場。すごくいいなって思ったのが木造建築でめちゃめちゃ古いので、300人とか400人とか入って踊ると建物に影響が出るらしいんですよね?(笑)。


外山健太郎:そうなんです(笑)。


アフロマンス:だから「立ち禁止」っていう音楽フェスというか。全員、座敷で座って揺れる。でも、出ているDE DE MOUSEさんは容赦なく上げまくる。


外山健太郎:踊らせにかかってくるっていう(笑)。


アフロマンス:そうそう。でもあの上半身で音楽を楽しむ感じとかもすごく……なんていうか座敷文化の日本的な感じっていうか。


外山健太郎:そうなんですよね。ダンスと言っても上半身で踊る感じというか。座敷のこの楽しみ方っていうのがもともとたぶん脈々と日本にはあったんだろうなっていうのがあって。それをちょっといまのコンテンツでやれたら面白いなっていうのもあってやってるっていうのはありますよね。



Photo:Facebook/音泉温楽 / 湯会 (2018年の様子)


アフロマンス:そうですよね。もともと渋温泉でやってたのが音泉温楽で。でもいまってスピンアウトっていうか、違う場所でもやり始めてるって感じですよね?


外山健太郎:そうですね。その音泉温楽というイベントともう一つやってるのが『湯会』というイベントをやっていまして。これが主に都内中心なんですけども。その名の通り……。


アフロマンス:ちょっとロゴが泡パっぽいなっていうのを僕は一瞬思ったんですけども。あんまり関係ないんですけども。


外山健太郎:まあ、ちょっと……うーん(笑)。


アフロマンス:あ、嘘です。「関係ない」っていうことで大丈夫です。


外山健太郎:意識したわけではないですけども。若干要素が似ちゃったんですが。そうですね。そっちはそっちで都内のスーパー銭湯とか、そういった温泉施設の座敷を使ってやってて。そっちは結構施設的に畳の上で踊れる場所だったりするので。そっちの方はもっとアッパーな感じで楽しめるイベントをやっています。


アフロマンス:あと、要は温泉といえばこの湯会とか音泉温楽チームみたいな感じで。この間ご一緒したのがお風呂フェスっていって……。


外山健太郎:埼玉の越生町のゆうパークおごせっていう施設で。


アフロマンス:そこでご一緒させていただいて。ステージで鎮座DOPENESSさんとか環ROYさんとかが出ていて。で、イベント終わった後に普通に風呂に入ったら、「あら? 横に入ってるやん?」みたいな(笑)。


外山健太郎:普通に入ってましたね(笑)。


アフロマンス:結構「温泉音楽」のイベントってありますよね? なんか割とメインゲストが普通に外の露天風呂で……「あれ? 横にいるやん?」みたいな(笑)。


外山健太郎:そう。お風呂で出くわすみたいなことが……(笑)。


アフロマンス:「さすがに話しかけづらいな。お互いに裸だし……」みたいな(笑)。


外山健太郎:さっきまでステージで見ていた人が横に裸でいるっていう(笑)。


アフロマンス:という、まあ日本独特なロケーションでやられてる音泉温楽のポイントもこの後に聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。


外山健太郎:よろしくお願いします。





アフロマンス:そして3組目は私、これからの日本のフェスのニューホープだと思っているんですけれども。『岩壁音楽祭』……みなさん、ご存知でしょうか? 今年初開催したイベントなんですけれども。山形の岩壁……想像してほしいんですけども。切り立った岩の壁ですよね。その前で音楽ステージを作ってフェスをやっちゃうというのを僕、Twitterで見かけて。もうその足で弾丸で、もうこの岩壁音楽祭のためだけに山形に行っちゃったという。そこでもう知り合ってしまったメンバーなんですけども。岩壁音楽祭の後藤くんと宮崎くんです。よろしくお願いします。


後藤桂太郎:よろしくお願いします。


宮崎てるふみ:よろしくお願いします。


後藤桂太郎:岩壁音楽祭っていう山形県の高畠町っていう山形駅からだいたい車で1時間ぐらいの、田んぼの真ん中に……結構ど田舎っちゃあど田舎なんですけども。そこに、採石場跡で100年ぐらいの歴史があるんですけど。そこで高さ50メートルくらいの岩壁に270度ぐらい囲まれたすごい場所がありまして。そこで1日限りの野外フェスをやろうっていうのが岩壁音楽祭で。今年の5月に初開催して、アフロマンスさんにも弾丸で来てもらって……という。ありがとうございます。で、僕がいま、東京から山形に移住して2年ぐらい経つんですけども。東京と山形を往復するような、二拠点みたいな生活をしてまして。山形でできた友人たちと東京の友人たちでチームになって開催してるっていう感じです。


アフロマンス:今日は主要メンバーのうちの2名が来られてるっていうことですよね?


宮崎てるふみ:そうですね。サイコ野郎2人でのぞませていただければと思っております。後藤と宮崎です。で、ちょっと自分の自己紹介ですけども。後藤の方が山形を中心とした活動を、フェス構築をしながらやっていて。で、半分半分で山形メンバーと東京メンバーっていうのがいるんですけども。僕の方は東京の活動……たとえばそれが広告宣伝だったりだとかアーティストさんのブッキングだったりとかっていう感じで役割分担をさせていただいているっていう感じです。普段は某エンタメ会社で働いてるんですけど。


アフロマンス:某エンタメ会社?


宮崎てるふみ:「○※△×」っていうところなんですけども。バレたらたぶんクビか、なにかしらの罰を受けるんですけども。


アフロマンス:つまり、サラリーマンやりながらフェスをやっているっていうことですよね?


宮崎てるふみ:そうです。で、バレたらあれなんで、あれっていう感じでよろしくお願いしまーす!


アフロマンス:すごいな。まとめたのかわからないけど(笑)。ちなみに今年、その岩壁音楽祭に行かせていただいたんですけど。告知の段階からクリエイティブのレベルが高いなというか。地方でちょっと変わったレイブとかってたまにあったりするんですけど、やっぱり岩壁音楽祭が違ったなと思ったのが「えっ、これ誰がやってんのかな?」みたいな。そういう風に気になっちゃうくらい、結構クオリティが高くて。実際に行った時もただ別に岩壁の前にDJブースを置いてやっているというよりは、結構チルエリアから洞窟というかね、ケイブステージでしたっけ? 洞窟の中にDJブース、クラブみたいなのを作ったり。で、メインステージも夜になったら岩壁にプロジェクションしたり。まあ、簡単に言うとレベル高えな、みたいな。


後藤桂太郎:ありがとうございます!


アフロマンス:という風に思ったんですけども。その初開催からあのクオリティを出してるところが結構特異な存在かなと思ったんですけど。ああいうのってどうしてるんですか?


後藤桂太郎:そうですね。僕が結構山形と東京をガンガン往復して。東京では箱のイベントとかに行って、箱のイベントってパーティーのカラーを出すためにデザインに凝ったりとか、ロゴをすごいしっかり構築してコンセプトを作ったりとか……っていうパーティーにいっぱい足繁く通って。方や、山形では結構誰も知らないような、山形県民も知らないような山の奥で開催されるすっごいデイープなレイブに行って。こういうのも面白いなって思っていて。ただ、そういうのってあんまり知られていないんで。そういったものに東京とかでやっているデザインとかコンセプト作りみたいなのを徹底するみたいな思想をもっと持ち込んでプレゼンしたらめちゃめちゃハネるんじゃないかなと思って。で、そういうのを東京にもいっぱい友人がいたんで、架け橋となってやって、ああいう感じに成功させられたのかな?っていう


アフロマンス:その、いま「ハネるんじゃないか」みたいな話がありましたけども。実際にアウトプットとか反応とかは期待通りだったのか、期待以上だったのか……。


宮崎てるふみ:いろいろなメディアさんに取り上げられていただいて。それこそblock.fmさんにも取り上げていただいたんですけども。そのクリエイティブに関しては主要メンバーのうちの1人、ウエダマサキっていう映像監督がいるんですけども。彼にクリエイティブを一任していて。そのクリエイティブコントロールだったりっていうところが一定に保たれていたので。


確実にメディアさんにも取り上げていただけるだろうっていうことを踏んで、いろんなところにアタックしたところ、いろんなところに本当に露出をかなり最大限にできたなっていうのは、前パブとしてはすごく効果的だったのかなって思っています。それこそ、それを見て来ていただいたアフロマンスさんもいるので。まんまと罠に引っかかってくれたな、やったー! みたいな感じでは思いますよね。


アフロマンス:ねえ。なんか山形のイベントに東京からはなかなか行かないですよね。まあまあ、コロナフェスとかも僕、好きなんですけど。沖縄はまあ、行くじゃないですか。だし、まあ大阪のフェスだったら大阪もまあ、行くんだけども。山形でフェスをやって山形に行くっていうのってなかなかないから、相当なやっぱりパワーを持ってたんだろうなみたいな……。


後藤桂太郎:そうですね。結構山形ってあんまり考えないというか。なんだろうな? 超ランダムだなと思っていて。


アフロマンス:超ランダム?


後藤桂太郎:「山形で岩壁……なんでなんだろう?」みたいなところはあるんですけども。でもなんか、結構クリエイティブとかも作りこんでがんばっていたんですけど。なんかいちばん反応が良かったのがやっぱり、その「岩壁の場所がとにかくヤバい」っていうことをダイレクトに伝えたのがいちばんよかったのかなって。東京の人とかもみんなそれで高まって来てくれたんで。そういうのとかをもっと出せたらなとは思います。


アフロマンス:うんうん。これ本当に……まあこの番組とかってSNSもそうなんだけど、結構地方でウズウズしてる人って多くて。なんか「ああいうフェスとかって東京だからできるんでしょ?」みたいなさ。で、「地方でやったらなかなか人が少ないし、わざわざ東京からは来ないし……」みたいな感じだったりするんだけども。それの可能性の引き出し方を提示してくれた感じがするというか。だって本当にあの岩壁って、もしかしたら普段あそこの周りに住んでる人からすると日常の風景なわけじゃない?


後藤桂太郎:まさにその通りですね。


アフロマンス:たぶん「あそこに東京からわざわざ見に来る人なんていないだろ?」っていう風に思うようなロケーション……岩壁マニアは来るかもしれないけど、じゃあ渋谷のクラブで踊ってる人が来るとは思わないわけだよね。でも、あそこに音楽とエンターテイメントと、そしてそれをちゃんとクリエイティブでまとめて発信すると、なんかまさに掛け算というかね。山形で得たリアルな体験と東京のクリエイティブエッセンスを掛け合わせるとあんだけハネるんだな、みたいな。


後藤桂太郎:結構自分でも東京のイベントとかに行っていて、完成された箱で中身だけ変わっていくみたいなのが楽しいんですけど、ちょっと飽きちゃっている部分があって。


アフロマンス:ああ、僕も一緒(笑)。


後藤桂太郎:ちょっと飽きちゃっていて。山形に行ってみると、方や河川敷とかでっかい観音様のある倉庫でみんなで踊っていたりとか。そういうヤバい自然の中とか遊休資産というか……半分廃墟みたいな場所でやっていたりすることもあって。そういうところに東京でやっているようなことをガンガン持ち込むっていうのはすごい新しいんじゃないかっていうのと、あと東京で「ちょっと飽きたな」って感じちゃっているような人とかもそういうところに反応をして来てくれるんじゃないかなって思いました。


アフロマンス:でもね、わかった。俺が反応をしたのって、地方で地方の人たちだけがそのクリエイティブとかは特に気にせずやってるパーティーってのはあるというか。まあある意味、好きな人だけ集まって。「まあ、がんばろうね」みたいなパーティーはちょこちょこあるんだけど。そこに掛け算でチームでやっているっていうのが結構大きいといか。結構オーガナイザーってワンマンになりがち……いきなり振っちゃうけども、サトウくんとかって結構ワンマンだったりするんじゃないの?


サトウダイスケ:いや、立ち上げの時は最初ミニマムな感じだったんですけど、いまはスタッフ総勢45人。当日のスタッフを入れるとたぶん110人ぐらいになってますね。


アフロマンス:サトウくんが「この場所でやりたい」とかさ、「これをやりたい」って言った時に止める人っているの?


サトウダイスケ:フフフ、うーん、でもそもそもそれを見てから入ってきてくれた人たちなんで……そこをすごい大事にしてて。毎年スタッフを総解散してるんですよ。4月ぐらいに実行委員会の立ち上げを行って、イベントが終わった2週間後に打ち上げをして解散、さようならをするんですけど。で、いまコアメンバーが4名いて。4名でその開催地とかコンセプトを決めるんですよね。それでティザーサイトを公開した後に今年、今回のスタッフを募集するから、それを見てから集まる人がいるんで。そもそもそこに反対する人は現れないっていうか。順番的に。


アフロマンス:なるほど。すごいね。場所も変えるし、メンバーも変えるみたいな?


サトウダイスケ:そうですね。場所もコンセプトもメンバーも基本的に全て全部変えているっていう感じですね。


アフロマンス:ねえ。なかなか変態な人が今日は集まっているんですけども。こんなメンバーでやっていきます。で、じゃあ早速なんですけども、トークテーマの方に入っていきたいんですけども。今回は「LOCATION 場所起点のイベントのつくり方」ということで。早速なんですがみなさん、毎年場所を変える。無人島だったりとか、山中だったりとかっていうのもあれば、温泉の宿でやってる人もいるし。岩壁にこだわってる人もいるしということで、ユニークなロケーションでやられてると思うんですけど。どういう順番でイベントを作っているのか。これ、事前に質問もあったんですけど、要は場所ありきで。「この場所、いいやん」みたいな感じで作っているのか、「こういう企画をやりたい」と思って場所を探してるのかとか。そういう作り方みたいなのを聞いてみたいんですけども。サトウくん、まずどうですか?


サトウダイスケ:はい。さっき岩壁さんからあった「箱があって中身だけ変える」っていうのが僕はすごい嫌いで。その箱に魅力っていうか、箱にクリエイティブとか意味合いがないとあんまり面白くないなと思っているんですよ。だから、うちはそのロケーションの決め方としては、まず基本的に場所とコンセプトをほぼ同時並行で考えます。「昨年はちょっとスタイリッシュ系だったから、今年はちょっと柔らかい感じにしたいな」とか、そういう大まかなところから考えていって。で、今年は沼津でやるんですけど「いつのまにか」っていうテーマでやるんですね。で、最初は10個ぐらい、「いつのまにか」とかいろんなワードがあったんですけど。同時に今年の開催場所も候補をめちゃくちゃ挙げて。


アフロマンス:それが「いつのまにか」決まったみたいな感じですか?


サトウダイスケ:ああ、そうです(笑)。「いつのまにか」沼津に決まりましたね(笑)。


アフロマンス:結構その土地のストーリーとかをいろいろ調べたりするんですか?


サトウダイスケ:そうですね。土地の歴史的なところまでは踏み込めてないんですけど。そのストーリーというか、その場所の特性みたいなものはすごい大事にしていて。去年は「交差」という……「夜空と交差する」というその「交差」をテーマにしてたんですけど。その年、去年はいろんな人とか……全国から2000人とか3000人の人が一点に集まってくるんで。それもある意味で「交差」。で、それが物理的に残せないかなと思ったんで、去年はパンフレットの話になっちゃうんですけども。パンフレットが取り外しできるリング式になってまして。最初に渡すパンフレットにはミニマムの情報しか入ってなくて。会場中のあらゆるところにフライヤー的な感覚で追加ページが落ちてたりとか。で、人が持っていたりするんですよ。で、お客さんもそのページを作ってきて、なんかZINEみたいな感じでみんな作ってくることができるんで。それを交換していくと来場者全員が違うパンフレットができあがるんですね。



Photo:Facebook/夜空と交差する森の映画祭 / Forest Movie Festival (2018年の様子)


アフロマンス:なんか僕も見たんですけども。要はイベントに参加する時にもらうのは20ページくらいで。イベントを通して一晩遊んでると、いろんなところに行っていろんな人と触れ合ってるうちに60ページのパンフレットになっちゃうみたいな感じですよね?


サトウダイスケ:そうですね。それもありますし、僕もページを作っていたんで。「ページを持っている人はピンク色のサイリウムを付けてます」っていう風にちゃんと事前に言ってあるんで。もう名刺交換感覚で。「すいません、ページをもらえますか?」みたいな感じで。で、僕も作っていたんで歩いていたら「ください」みたいな感じになっていたりしていて。で、ロケーションの話に戻るんですけども。「交差」っていうテーマだったんで、そのサーキット。サーキットが道っぽいなと思って。それで道っていうのは交差ポイントだなと思ったので、その交差とそれに合うロケーションっていう意味でツインリンクもてぎというサーキットになったっていう感じですね。


アフロマンス:ちなみに、その交差がいいなって思ってサーキット場を当たった感じなんですか?


サトウダイスケ:サーキットは複数当たってないです。サーキットの他にも、たとえば水族館とかいろいろ当たったりして。返事が来ないところもいっぱいあるんですけども。で、「ここだったらこれにしようかな」みたいな。なんか完全に同時並行ですね。コンセプトワードとロケーション、どれが組み合わさるかはロケーションでちゃんと快く迎え入れてくれるかみたいなところが大きいかなって感じですね。


アフロマンス:なるほど、なるほど。結構場所を決める時ってパッと見て「ここだ!」とかなるの?


サトウダイスケ:そうですね。「いつかここでやりたい」みたいなのはあったりするんで。


アフロマンス:「いつかここでやりたい」とか、いっぱいあるよね。たまに「どうやって企画を考えてるの?」とか聞かれたりもするんだけど。もうやりたい気持ちが勝っちゃってると、旅行先とかいろんな場所で見つけちゃうというか。そういうヤバいスポットみたいな(笑)。


サトウダイスケ:見ちゃいますね。


アフロマンス:さっきも、この番組前に話してたんだけど。前回のスーパーオーガナイザートークに出ていただいた福田さんたちがやられているコロナフェスに2年行って。で、コロナフェスはすごい素敵なんだけど、イベントとしては普通に昼間で終わっちゃうんですよね。で、「なんかこの後にアフターパーティーがほしいな。でも、アフターパーティーは気持ち的にクラブじゃないな」みたいに思って、なんか場所を探してたら、ケイブパーティーというか洞窟を見つけて。そこで音も出せるんですよ。それで来年はもう……コロナフェス、まだ開催発表されてませんけども。「ああ、もうこの裏でやろう!」みたいな風に思っていて。それでさっき、主要メンバーと話をしたら、「ああ、そこは僕もチェックしています」みたいな(笑)。


後藤桂太郎:そうなんすよ。僕ら、いろんな場所で岩を見つけちゃうんですよ。いろんな場所で岩とか壁、洞窟とかを見つけちゃって。アフロさんがさっき、「沖縄のあれ、知ってる?」って言っていて。「ああ、あの岩の洞窟ですよね? すげえマッチしますよね」みたいな(笑)。


アフロマンス:「ケイブパーティーですよね?」みたいな(笑)。


後藤桂太郎:「絶対になんかやりましょう」みたいな話とかにすぐなっちゃう。それぐらい、どこに行っても岩とか見つけちゃったり。それこそコロナフェスで沖縄だったりとかっていうのは、見つけるそういう視点にどうしてもオーガナイザーってなっちゃうのかな? みたいなのはすごい思いますね。


アフロマンス:ねえ。場所から結構インスピレーションを受けますよね。で、ちなみにじゃあいまの話の流れで、岩壁メンバーのイベントの作り方というか。どういう感じのプロセスでやってるとか、ありますか?


後藤桂太郎:そもそも岩壁メンバーが全員、そういうイベントとか普段作ってないし。フェスはおろか、屋外イベントとかやったことがないみたいな。


アフロマンス:それを聞いてさ、本当にびっくりだよね。


後藤桂太郎:もうだから、なんですかね? そもそも「やる」っていう前提なんてなくて。僕、山形で友達に岩壁の場所……瓜割石庭公園っていうんですけども。「ここ、ヤバいから行ってみ?」って言われて。写真を見て、もうリアルマインクラフトっていうか。断崖絶壁が広がりまくりで。「こんな場所、あんの?」みたいになって。行ったらもうなんて言うんですかね? 完成されたフェス会場っていうか。パッと見で……僕はフェスがめっちゃ好きでいっぱい行くんですけど。「パッと見で、4エリアあるじゃん!」みたいな。棲み分けができている。


アフロマンス:もう見た瞬間に配置とかも降りてきたみたいな?


後藤桂太郎:もう見た瞬間に「ここ、フェス会場じゃないの?」って。それで聞いたら「やったことない」って。「ここがチルエリアで。ここに洞窟があってクラブみたいになって。このへんにフードコートができて。トンネルを抜けたらそこがいちばんヤバいスペースで……」みたいな。ジャーニーがあるっていうか、抜けたらいちばんヤバい岩壁が広がっていて。「ここは絶対にメインステージだな!」みたいな。そういう構想が頭に浮かんじゃうから、これはやるでしょ!っていう感じで東京の友達にその場でLINEで動画とか送って。だから、場所がなかったらそもそもやっていないっていう感じですね。


アフロマンス:ああ、なんか前回のこの番組が「世界観のつくり方」っていう。で、まさに洞窟を抜けてメインステージがワッと広がる感じとか、僕も見にいって「やられた!」って思ったというか。でも、あれはある意味「降ってきたもの」っていうか。そこに行ったらそこにできていたみたいな感じなんだもんね?


後藤桂太郎:そうですね。あれは作れないっていうか。100年近く石工が、あれは手掘りでやっているらしくて。露天掘りで垂直につるはしで掘っていったみたいな。だからそのまま放置されているようにしか見えないというか。


アフロマンス:いや、本当にね、まだ見たことない人は「岩壁音楽祭」で検索してほしいんですけど。


後藤桂太郎:なんか「1分でわかる岩壁音楽祭会場」って検索するとたぶん、すごい簡単な会場の動画、1分でまとまっているやつがあるんで。それをチェックしてもらえると会場のヤバさが……。


アフロマンス:イメージすると、本当にビルですよね。あれね。サイズ感が。


後藤桂太郎:サイズ感、ビルっすよ。体感150メートルぐらいあるように感じるんですよ。


アフロマンス:そうそう。断崖絶壁のビルがそのまま岩になって周囲を囲んでる。メインステージも結構あれだよね。なんか270度くらい囲まれてる感じっていうか。


後藤桂太郎:そうですね。だから完全にもう視界は全部岩壁に覆われます。


アフロマンス:あれがいいし。あと、そのロケーションからの発想だと思うんだけど。岩に魅せられた空間作りというか。メニューも石に彫ってたり、みたいなね。


後藤桂太郎:そうですね。あれは完全におふざけの範囲なんですけども。ちょっと芸大に行って「ちょっと石に彫ってほしい」みたいな感じで。「キーン!」って削ってもらったりして。


アフロマンス:石に「ビール」って書いてあるみたいな感じとか。座る場所も石でできていたりね。


後藤桂太郎:あれは単純にイスとかを用意するお金がないっていうのもあるんですけども(笑)。でも、そのへんにいい感じの石が採石場なんでゴロゴロ転がっていて。「ここでフェスをやろう」ってなると全部が宝に見えてくるっていうか。「これを運んでここに座ったら超いい感じじゃん?」って。それで囲んでシーシャ吸うみたいな。


宮崎てるふみ:シーシャ屋さんに出店してもらったんですけども。とにかくイスがないけどいろんな人に座ってほしいっていうところで、本当に全会場でいろんな岩が転がってるんで。イスになりそうなものをひたすら3、4時間かけて運んで。それをシーシャをみんな円形に囲んで。岩がたたただイスみたいな感じになって。神殿みたいな感じになっていて。


アフロマンス:なんかさっきね、「ローリング・ストーンズ」って言っていたもんね。転がしながらね。


宮崎てるふみ:ちょいちょい、僕が寒いキャラみたいなの、本当にやめてください。(笑)。いや、でもそうですね。どうやってやり始めたか、みたいな感じのところなんですけども。さっきあった通り、見た瞬間に、アフロさんにも見てもらったと思うんですけども。見た瞬間、「これは日本、ないしは世界に広めるしかない!」ってすごい思って。で、単純に僕らのツールが音楽と映像しかなかったので自動的にフェスになったみたいな方が強くて。なので、フェスをやるしかないみたいな感じになったのがストーリーっていうか、やろうと思った起点ではありますね。


アフロマンス:なるほど。すごいいいなと思ったのがね、いま、「お金が無かったし……だからもうそこにある石を使いました」みたいな。言ったらさ、そのステージというか演出も同じなわけじゃない? あの岩壁は別で作ったわけじゃなくてそこにあったもの。でもだからこそリアルだし、作ったものよりも素晴らしいし、みたいな。で、やっぱりいままでのフェスってどうしても、「こういう世界観を作りたい」と思って。「じゃあ、スタジアムを借りて……」とか、「更地のイベント会場を借りて……」とかで。それですげえお金をかけてがんばってステージを作るんだけども、あれよりもいいんだよね。


後藤桂太郎:まあ、「本物」ですからね。マジでそこにある岩壁を……まあ、岩壁がテーマっていうのも岩壁があったからやっているんで。絶対に全部がリアルというか、全部そこにあるもので。


アフロマンス:でも、そうなってきた時にたとえば、じゃあULTRAしかりEDCしかり。あれってあの世界観の統一をフォーマット化して世界中に持っていくと、じゃあアメリカでやってもフランスでやっても日本でやっても、「これはEDCだね」みたいな感じに見えるわけじゃない? でもさ、岩壁がすごいなと思ったのは、岩壁があるからね。いろんな場所に。


後藤桂太郎:いやー、やってから気づいたんすけど、日本全国で昔からめっちゃ石を掘っていて。めっちゃ採石場、あるんすよね。


アフロマンス:だからね、あれもあれでなんかソフトの部分をフォーマット化して、ハードの部分は現地で調達して……みたいな。


後藤桂太郎:そうですね。だからそこも、採石場を見つけたらまあクリエイティブとか統一してやったら、もうそれで岩壁音楽祭になるじゃん、みたいな。だからいま、もう岩壁・洞窟ディグが止まらない。全部が会場に見えるみたいな。


アフロマンス:いいよねー。まあ僕はね、岩壁も好きだけど、まあいろんなロケーションが好きだから。やっぱりああいうのを見ると、なんか「一生に一度は行きたい絶景」とか、日本にも絶景スポットっていっぱいあるわけじゃないですか。でも、じゃあそこで何をやるかって意外と写真を撮るだけだったりするというか。でも、あそこで全部サウンドシステムを持ち込んでパーティーをやってったら、急にそこがフェスになるっていうか。全国で聞いてる方は是非ね、せっかく地方でやるんだったら、そういう場所を探して、掛け算してやったらいいってめっちゃ思いますね。


後藤桂太郎:そうっすね。やっぱり遊休資産というか、「採石場跡」って言われているぐらいだから、昔採石で栄えたけどいまはちょっと放置されてるみたいな部分も大きかったりするんで。地元の人にとってはすごい場所だけど、まあなんか「あそこで何やるの?」みたいな場所とかも、たとえば東京から行ったら「うおお、すげえ!」ってなるんで。なんかそういう視点みたいなものがどんどんと入っていけばいいなと思うんですよね。


アフロマンス:うん。気づかないところに宝が落ちてるっていう感じですよね。で、ちょっと質問コーナーに行こうと思うんですけども。sli.doで質問をいただいております。ちょっと面白いなって思ったのが、「イベントの名前ってどこからアイデアがわきますか?」っていう話なんだけど。たしかに僕も今回、打ってて「全員、漢字だな」と思って。『森の映画祭』とか『音泉温楽』とか『岩壁音楽祭』とか、もうカクカクしてる名前が多いんですけども。何かこう、イベントの名前ってどういう風につけてるとかってあります? じゃあ岩壁……。


後藤桂太郎:岩壁音楽祭は結構いろんな候補があったんですけど、「岩壁って英語でなんて言うんだろう?」とか。いろいろ考えたんですけど。まあ初開催っていうのもあって、もうわかりやすくいこう。岩壁はヤバい場所なんだ。そこでやるんだっていうことで、もう即決というか。もういま見ると他の候補とか超恥ずかしいみたいな感じなんですけども。たとえば、採石場跡って英語で「Quarry」っていうらしいんですけども。まあ、聞いてもわからないじゃないですか。


で、たとえばすごい感度の高い人とかはキャッチしてくれるかもしれないけど。やっぱり山形とか地元でも定着したいんで。たとえば岩壁音楽祭って言ったら……「ここで岩壁音楽祭をやります」って言ったらたとえば地元のおじいちゃん、おばあちゃんとかも来てくれてきて。なんかご飯を食べて「いいね」みたいな感じで来てくれたんで。なんかそういうところにも分かりやすくキャッチーに伝えるっていう意味でもストレートに岩壁音楽祭ってしましたね。




アフロマンス:ちなみに、森の映画祭はどうですか?


サトウダイスケ:森の映画祭は、初期メンに……僕は『夜空と交差する森の映画祭』っていうのが浮かんで。「これで行こう」って言ったんですけど。アサミくんっていう初期メンに「サトウくん、それ長くてみんな覚えられないよ。『森の映画祭』にしよう」とかって。最初、ドメインも「Forest Movie Festival」って英語で言うので「forest-movie-festival.jp」なんですけども。「それも長いから、『morinoeigasai.jp』みたいにしよう」ってなったんですけども。でも、「夜空と交差する」ってなんかシズル感あるし、一気に聞いた瞬間に色づくというか、イメージがわくよねって思って。


アフロマンス:アサミくんってあのアサミくん? カズヒコ?


サトウダイスケ:そうです。最初、助言で「サトウくん、『森の映画祭』がいいんじゃない?」って。


アフロマンス:ちなみにバーニングジャパン(Burning Japan)というイベントがありまして。それの共同ファウンダーなんですけども。カズヒコ アサミくんは。


サトウダイスケ:『森の映画祭』って名付けたというか、僕が「『夜空と交差する森の映画祭』がいい」って言ったら、「『森の映画祭』っていう短縮がいいんじゃないか? 長すぎるんで……」っていう風に。


アフロマンス:ああ、そういうことね。そんなに重要な役割はしていないというね。


サトウダイスケ:フフフ、いえいえ。いろいろと助けてもらいました。


アフロマンス:ちなみに音泉温楽……もうね、音泉温楽も「この音泉温楽っていう名前をどなたが考えたんですか?」くらいの質問が来てるんですけど。どうですか?


外山健太郎:これはもともと、音泉温楽を始めたのがうちのプロデューサーの鶴田っていうのがいまして。それと、サワサキヨシヒロさんというテクノミュージシャンがもともと始めたので。僕はちょっと後からジョインしたから、実はその成り立ちには関わっていなくて。でも、もともとやろうとしてることが温泉座敷での宴会のアップデートっていうところもあるので。もともとの日本の文化に根ざしたところからスタートしてるので、必然的に日本語にもなるし、日本文化の掘り起こしにもなるし……っていうのはあったんだとは思います。


アフロマンス:僕もすごくね、さっき話に出たような「分かりやすいかどうか」って、すごい大事ですよね? なんかそういうのが分かってる人たちが実際にやってるんだろうなっていうのと、結果的に話題になってるイベントの仕掛け人をたまたまチョイスしたら、全員名前がもう読んだらどういうイベントなのかが半分くらい分かるみたいな……。


外山健太郎:フフフ、名前が表しているっていう。


アフロマンス:だってね、泡パとかもそうだし、マグロハウスとかもそうだし。あと、あれだよね。漢字に行くと低音卓球っていうね、低音を楽しみながら360度卓球ができるっていうイベントをやったんですけども。ソニーさんとコラボして。あと、加えて言うと「引っかかり」かな? 逆にカタカナの名前のイベントが死ぬほどあるんですよ。


これもね、調査したら面白いかもしれないけど、たぶん85%ぐらいがカタカナだと思うんだよね。世の中のイベント名って。そうなった時に、日本人としてどうしても英語が脳の知覚スピードとしてちょっと遅いっていうのと、あとはありきたりな名前になりがちなのでスルーされちゃうという時に、「これ、なんだろう?」ってちょっと立ち止まらせる力はあるかなって思いますね。


で、めっちゃしゃべったら時間がなくなってきて。外山さん、あんまり話を聞いてないので、外山さんに戻りますと……音泉温楽でやられている時のイベントのつくり方で。まさにこの間ね、熱海とかでもやられてたと思うんですけど。1ヶ所だけじゃなくて、いろんな場所でやられてると思うんですけど、イベントってどういう風に作ってますか?


外山健太郎:もともと、やっぱり音泉温楽も湯会もベースとしてあるのが温泉地もしくは温泉旅館の座敷を起点とした宴会の復興っていうのがテーマであって。フェスをやろうとしているっていうよりはもともと座敷で80年前とかもっと前から温泉地で楽しまれてきたものをいまのコンテンツ……たとえばDJだったりミュージシャンのライブだったりとか、そういったコンテンツに入れ替えてアップデートしたいっていうのがあって。だからどっちかっていうと新しいことをやろうとしてるっていうよりは、もともとあった、ずっと昔の前の世代の……。


アフロマンス:「日本人のDNAに刻まれている」的なね。


外山健太郎:そういう遊び方っていうのがベースにあって。その楽しみ方って参加したことがなかったというか、そういう宴会に行ったことがない、やったことがないっていう人でもなんかどこかの遠い記憶にあるはずなんですよ。なのでどこか懐かしさもあったりとか、あとは畳の上でお酒飲んで踊って楽しむっていうのって妙な開放感があるんですよね。それってなんかそういう遊び方を発見したっていうのもあるんですけど。何世代か前の記憶の呼び起こしっていうんでしょうか? みたいな感じもあるっていう。


アフロマンス:僕もお会いした当時に話をしていて面白いなと思ったのが、温泉っていま、なぜかチルなコンテンツなんですよね。「疲れたら癒されに温泉に行く」みたいな。冬にしっぽり……みたいな。なんだけど、実は数十年前……2、30年前くらいで行くと、温泉ってアゲの場所で。


外山健太郎:そうなんです。アッパーな場所なんですよ(笑)。


アフロマンス:要はみんなで遊びに行って……わからないけども。芸者とかいろいろと呼んで。だから、あそこには宴会場があるんですよね。


外山健太郎:そうですね。それこそ、いまでこそあんまり使われてないんですけど、結構いろんな各地の温泉地って数百人が入れる宴会場とか結構あるんですよ。それっていま考えたら、そういう宴会ってほぼないですけど。当時、それこそ30年前とかってみんなでバスで行って。会社の旅行だったりとかそういう団体旅行とかで行って……っていう遊び方をやっていたわけなんですよね。


アフロマンス:たしかにそこにステージがあるし。2、300人入れるスペースがある。だけど泊まった時の朝ごはんを食べる時にしか使ってないみたいな、そういう場所ですもんね。


外山健太郎:まあ、そういう感じでしか使われてないのがもったいないなっていうのはもともとあったんですよ。


アフロマンス:あとはやっぱり座敷に……さっきちょっと出ましたけど。メインステージなのにみんな座ってやる。で、次第にみんな酔っ払ってきて横になりだすじゃないですか。音泉温楽って。


外山健太郎:そうなんですよ。後ろの方では寝てる人とか、だいぶ自由な楽しみ方をしていて(笑)。


アフロマンス:マッサージをしている人が後ろの方にいたりとか。なんかあれがやっぱり、日本人が逆に言うと数百年かかって開発した居心地のいいシステムみたいな。畳の上でゴロゴロするという。なんかあれをイベントに取り込んでる感じがすごいいいなと思って。


外山健太郎:そう。本当にね、やっぱりイベントって僕が苦手なのが、クラブとかに行くと逃げ場がないんですよね。特に深夜のオールナイトのイベントとかに行くと、居場所というか「なんかちょっと疲れたな」っていう時になかなか休めなかったりとかして。なかなか、ちょっと休むみたいなのが難しかったりするんですけど。座敷だと結構そういう隙間が多いっていうか。お客さんが自分で各々過ごしたい場所がすごく多い、すごい作りやすいっていうのもあって。まあ、それもありますね。座敷のよさって。


アフロマンス:まあ、分かりやすく言うと「極楽」ですよね。あのイベント。「極楽、来た!」っていう感じがして。それでまた、あの極楽に年に1回、戻りたくなるみたいな。


外山健太郎:そうですね。涅槃を用意して待っているみたいな感じですね(笑)。





▶「スーパーオーガナイザートーク by アフロマンス」

放送日:毎月第2木曜日 20:00 - 21:00 O.A.

番組URL :https://block.fm/radios/612


HP:http://afroand.co/superorganizertalk/


「スーパーオーガナイザートーク」は、これからイベントをつくりたい人や、イベントをより面白くしたい人に向けて、「泡パ®︎」や「マグロハウス」、「喰種レストラン」など話題のイベントを手がけるパーティークリエイター「アフロマンス」が、注目のイベントの仕掛け人(スーパーオーガナイザー)たちにガシガシ突っ込んでいく、イベントづくりのバイブル的番組です。回ごとにテーマを設け、イベントの発想法や、企画のプロセス、失敗談などを深堀りしていきます。

また、Twitter「#スーパーオーガナイザートーク」やsli.do(イベントコード:#SOT3)で質問を受け付けたり、渋谷駅直結の「MAGNET by SHIBUYA109」7Fで公開放送し、放送終了後にゲストを交えた交流会も開催されるなど、リスナーや来場者も参加できる内容になっています。


【過去の放送内容】


#1 BUZZ -話題のイベントの作り方-

#2 IMMERSIVE -世界観のあるイベントのつくり方-


written by みやーんZZ



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