スーパーオーガナイザートーク #1 BUZZ -話題のイベントの作り方-

アフロマンスが注目のイベントの仕掛け人たちを集め、話題のイベントの作り方についてトーク!
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2019.08.01 03:00

アフロマンスが注目のイベントの仕掛け人たちを集め、話題のイベントの作り方についてトークする番組。今回はあめみやゆうさん(SILENT IT)、DJ SHINDYさん(沈黙ダンス)、楢崎政彦さん(佐賀県広報)らとともに「BUZZ 話題のイベントのつくり方」というテーマで話していました。




イベントを作るときに大事にしていること


アフロマンス:今日のトークテーマが「話題になるイベントを作る」っていうことなので、それを踏まえて話を聞いていきたいなと思います。イベントを作る時にここを大事にしていますみたいなの、なんかあります? じゃあ、あめみやくんに聞きます。


あめみやゆう:大事にしていること……僕は結構、いろんなコンセプトのイベントをやっていて。さっき、体験作家の話をしたんですけど。SDGs(持続可能な開発目標)ってあるじゃないですか。そのSDGsがそれぞれ終わった世界っていうのをフェスとして表現するという意味で、ソーシャルフェスっていうプロジェクトをやっていて。


あれはSDGsのゴールからひとつ、ターゲットを選んで。その課題が終わった未来というものをそのターゲットに取り組んでいる人たちと一緒に想像して。その未来を1日だけフェスとして表現するということで、「課題の啓蒙」ではなくて「希望の体験」から未来というものを作れないかな?っていう意味合いでやっていたりします。


だから、自分の作ったコンセプトに自分の作った企画がしっかり乗っているのかどうかっていうところ。それは毎回、かならず意識しているところですね。もっとざっくりと言うと、体験や自分が作っている企画に対して、自分の心がちゃんと響いているかどうかっていうところ。


アフロマンス:それ、すごいわかる。自分を基準にして作るか、誰かを基準にして作るかっていうので結構分かれますよね。


あめみやゆう:分かれますよね。めっちゃ。そういう意味で言うとシンディさんとかって逆じゃないですか? お客さんをすごく……。


DJ SHINDY:そうですね。僕はイベントを作るときに参加して楽しいかとか、新しい体験ができるかっていうのはすごい大事にしていて。イベントの作り方みたいなところで言うと、前にアフロさんと対談させてもらった時にも2つ、言ったんですけど。話題になるイベントって2つだなと思っていて。圧倒的にコンテンツ力がある、強い企画。まあ、単純にフェスとかでも「大きい」とか「ゲストが豪華」とか、パワーのあるものっていうのは当然話題になりますし。


もうひとつは違和感がある企画。沈黙ダンスっていうのはまさに「えっ? クラブなのにしゃべれないの?」みたいな違和感ですよね。お客さんがなにか言いたくなるようなものっていうのは話題になるかなって、それはずっと思っているところというか。イベントを作る時にいちばん意識してるところではありますね。


アフロマンス:まあ違和感の作り方だと思うんだけど。お金をかけずにやるイメージが、僕はあるんだけれども。結構「引き算」のクリエイティブをするなって思っていて。よくみんな、「企画を考えよう」って思う時ってどんどん足していくというか。不安なんだよね。「もっとこういうことをやった方が人が来るんじゃないか?」って思って盛り盛りにしちゃうんだけど。でもそれによってぼやけてしまうっていうか。「これ、何をやりたいイベントなの?」っていう。そういう時にシンディはいまあるクラブイベントから「しゃべる」っていうことを引き算したりとか。そうすることで新しい体験を作るみたいなところはあるよね。


DJ SHINDY:そうですね。沈黙ダンスはまさに。引き算もそうですし、引き算をした結果、お客さん全員に共通のルールを敷くことができるんですよ。だからお客さんはそこに来たらみんな一緒でしゃべってはいけない。しゃべらずにその中でがんばるっていう同じルールを持っている人たちが中にいるという。そうなると、同じ空間を共有しているという見えない連帯感みたいなものができてくるんですよね。それはすごい大事だなと思いますね。


あめみやゆう:文化人類学者のロジェ・カイヨワっていう人が言うには、遊びって2つしかないんですよ。ひとつはルールを作る遊び。もうひとつはルールを外す遊び。そのどちらかという風に言われていて。人類の文明というのも、そのルールを作る遊びと作らない遊びのバイオリズムで実は文化っていうものができているのではないか?っていう仮説もあるぐらい、遊びというのは文明を押し進めている。そんな仮説があったりもするんですけど。シンディさんの方は完全にそのルールを課すっていうところで遊んでいるなっていつも思っていて。


アフロマンス:泡パはどうなります?


あめみやゆう:泡パはもう完全に解放じゃないですか?


アフロマンス:あれのルールは?


あめみやゆう:「グチャグチャになりたい」みたいな。ルールを課さないという意味で。あんだけグチャグチャになれれば、周りの目とかどうでもよくなって、「ワーッ!」ってなれるじゃないですか。という意味で解放をさせているんだろうなって。


アフロマンス:やっぱり泥フェスとかも近い感じなんですか?


あめみやゆう:でも僕は結構特殊で、世界を作っているんですよ。要は。「Mud Land Fest」っていうのが泥フェスの正式名称なんですけども。マッドランドっていう国を作っていて。で、そのマッドランドにはどういう文化があって、どういう言葉があって、どういう挨拶があって、どういう法律があって……みたいなのを全部設計するんですね。それを現実に落とし込むという意味でフェスをやるから、結構僕は規制型なんですよ。




アフロマンス:ああ、なるほどね。でもそこに来る人たちはどう楽しむんですか? それはルールに縛られるのが楽しい?


あめみやゆう:いや、そのフィクションで楽しいんですよ。要は、たとえばライブとかもある種フィクションだと思うんです。もっといい言い方をすると「非現実」っていうか。だからその現実じゃない別のオルタナティブな世界に来て、その中にいる自分。その中でいつもと違う自分に出会うみたいな。そういうところにきっと楽しさがあるんだろうなと思っていて。要はルールを作るっていうのは「演じる」とかに近いんですよ。


アフロマンス:そうだよね。だから沈黙ダンスもそんな感じだよね?


DJ SHINDY:そうですね。お客さんの感覚は似ているというか。ディズニーのテーマパークに入る瞬間ってたぶんいちばん楽しいじゃないですか。「ここから違う空間に入る!」みたいな。あの長いエントランスじゃないですけども。あのワクワク感は結構大事だなと思っていて。だから沈黙ダンスは「もうこの扉を開いたら、中では一切しゃべれません。あなたは他の人たちと一緒にボディランゲージとかでがんばってください」みたいな、そういう「ここからは非日常」みたいなのは僕も参加する時にワクワクするなって思いますね。


アフロマンス:沈黙ダンスで面白いなと思ったのは、その「しゃべれない」っていう体験もそうだし、あとはライブだったら叫びたいし、歌モノが流れたら合唱したいっていう欲求がTwitterに流れるっていう。「このDJ、ヤベえ!」って言いたいけど、誰にも伝えられないこの気持ちをハッシュタグつけてツイートする。そうすると、DJの背景にそのツイートが出てくる。ああいうのはもともと狙っていたの?


DJ SHINDY:うーん、正直狙ってはいなかったです。でも「声を封印された結果、みんな踊るかお酒を飲むかTwitterするしかないんだ」って思って。1回目ぐらいでそれに気づいたんですよ。「なるほど。みんなTwitterしてくれるな」って思って。それでその次回からTwitterの内容をスクリーンに流すようにして。そうするとお客さんもさらに面白がってツイートしてくれたりとか。僕が再発見した感じではありましたね。面白かったです。やっぱり4時間ずっと踊り続けている人とかもいて。しゃべらずにずっと踊って4時間やって無言で帰っていくみたいな。「ああ、そういう楽しみ方も素敵だな」って思ったり。


アフロマンス:その沈黙ダンスの絶妙なバランス感はあるよね。ちょっと面白い企画系ってなっちゃうと、いい意味で言うと普段クラブにこない人たちが来るんだけど、悪い側面で行くと音楽目当てじゃなかったりするというか。泡パだったら別に音楽はどうでもいいんだけど、泡にまみれて盛り上がりたいみたいな。だから逆に、その音楽に対してリテラシーが低いとかね。そういう人たちもいたりする。いい・悪いとかはないんだけど、そういう傾向はある。でも沈黙ダンスってすごく絶妙なのは、結構みんな音好きだよね。


DJ SHINDY:そうですね。めちゃくちゃ嬉しいところなんですけど。やっぱり出発点が音楽をもっともっと聞いて楽しんでほしいなっていうところからなので。そこが上手く伝わってよかったなと思います。すごく嬉しかった瞬間があって。『Booyah』っていう曲があるじゃないですか。超有名なEDMの。そういう超アンセムな曲をそのまま原曲でかけても「逆にダセえよ」みたいなぐらい有名すぎる曲があるんですけども。それを沈黙ダンスで聞いたら、「あらためて聞くといい曲っすね」みたいな意見がお客さんから出て。



DJ SHINDY:というのは、普段クラブで有名曲が流れる時って「ワーッ!」とか「キャーッ!」とか「踊りまくれ!」みたいなモードの時だけなんですよ。でも、沈黙ダンスの場合は盛り上がっているけど曲がめちゃくちゃ聞こえる。


アフロマンス:ああ、ノイズが乗らないみたいな?


DJ SHINDY:ノイズが一切乗らないんで。「ああ、改めてこの曲を聞くとやっぱりめっちゃいいな!」みたいな感想が結構流れて。「これはやってよかったな!」って思いましたね。


アフロマンス:なるほど。そんな秀逸な企画だと第二の企画って大変だね、これね。


DJ SHINDY:第二の……(笑)。いや、いろいろとコケちゃってますけどね。沈黙ダンスはよく取り沙汰されますけど、僕はいままで50種類以上イベントをやってきていて。もう9割以上がコケているので。失敗談なら任せてくれ!っていう感じです。


アフロマンス:なるほど。じゃあそこらへんはあとでしっかり聞きますね。楢崎さんはなんか、イベントの作り方というか、聞いていてなにかあります?


佐賀県広報・楢崎:そうですね。僕はどちらかと言うと、やるというよりかは盛り上がっているところを探しに行くっていう感じなんですよ。だから熱のあるところを探しに行くというか。今週号の『キングダム』で「起こり」っていうのが出てきたんですけども。物が動き出す時には、たとえば手を動かす前に肩が動くみたいな話をしていて。


だからその肩の動きを見ていたら手が動くことがわかる。なので世の中的に始まっていることが、気づいている人は気づいているという。なので、僕はその熱がどこか?っていうのを探しに行ければいいなと思っていて。その探し方がTwitterだったりSNSだったりするし。SNSで盛り上がっていたらかならず行くっていうのを自分のモットーにしていて。


で、実際に行ってみて「これはちょっと県ではやれないかな?」みたいなところだったり。「これは県でやれるから、じゃあ自分たちはどうやってやろうか?」みたいな。そういうところをすごく考えていますね。


アフロマンス:よく泡パを県でやれると思いましたね(笑)。


佐賀県広報・楢崎:まあ、健全なイベントですから(笑)。





イベントを考えるときのきっかけ


アフロマンス:では、イベントを考える時のきっかけというか、スタート。組み立てていく時にはこういうのを大事にしているっていうのはあると思うんですけども。「これをやろう!」みたいなきっかけってどういう感じなんですか? 発想の源みたいな。


あめみやゆう:そうですね。まあ、僕はいちばんはインスピレーションで。そのインスピレーションがどこから出るのか?っていうと、やっぱり体験というか、その場所に行った時ですね。たとえばダンス風呂屋っていう企画を作った時にもたまたま銭湯に寄って。「ここだったらどんなイベントができるだろう?」って考えちゃうの、オーガナイザーの癖じゃないですか。


で、その場所を観察していると、知らない人たちが急に話しかけてくるみたいなことがあって。「なんでだろうな?」って考えていると、「お風呂上がりだからだろうな。やっぱり体があったまると人はつながりやすくなるんだな。でも、それってクラブも同じか? フロアが沸けば風呂も沸くというか……この共通項、たぶん一緒にイベントができるな」みたいなところからダンス風呂屋っていう名前が浮かんで作ったりとかもしていて。



あめみやゆう:畑のやつもそうですし、だいたい歩いている時とかに「ああ、これだ」みたいな。あとは急に、今回の「aiが神になった世界」も急にその世界がやってきて。なんかのフェスに行って、帰りの車の中で「あっ!」みたいな。


アフロマンス:なんか降りてきちゃった?


あめみやゆう:降りてくるみたいな。「あ、来た! じゃあ、作らなきゃ!」って。


アフロマンス:えらい特殊なイベントの作り方というか。啓示を受けるみたいな?


あめみやゆう:ああ、そうです。啓示を受けるタイプですね、僕は。降りてくるタイプ。


アフロマンス:いまダンス風呂屋の話とかありましたけど。僕も結構ロケーションってイベントにとって大事なキーワードだと思っていて。よく、イベントをやりたい人って「こんなイベントをやりたい! こういうできる場所、ないかな?」って探したりするんですけど、結構逆の方が早かったりするというか。「ああ、この場所でやるならどんなイベントをやったら面白いんだろう?」みたいな。


で、意外とみんな気づいていないような場所ってあって。この間、岩壁音楽祭っていうのが山形の方であったんですけど、あれなんかもそうなんですよね。採掘場でやっていたんですけども。まあ、普通に観光地というか、普段は有料か無料かはわからないですけど、たぶんそんなに人が来ていないような場所なんだけど、「あそこで音楽フェスをやったらヤバいじゃん!」って思えば、それが生まれるというか。




アフロマンス:お風呂に入っていて「ここでは音楽イベントなんてできない」ってみんなどこかでうっすら思っているんだけども。でも、それを「いや、どうなるんだろう? これ、できるんじゃね?」みたいに思ったら、新しいのが生まれたりすること、ありますよね。イベントが生まれるきっかけっていうか。場所からのインスピレーションとか。


あめみやゆう:そうっすね。だから自分がどういうアンテナを張っているのか? みたいなところだったりもしますよね。急にそういうのってやってくるから。


アフロマンス:まあ啓示を受けるタイプもいるんで。でも、啓示を受けるためになにか普段からやっておいた方がいいことってあります?


あめみやゆう:サウナですね(キッパリ)。


アフロマンス:サウナか! そこに来るのか。


あめみやゆう:ここでサウナの話をちょっと入れておこうかなって。やっと話せますね、サウナの話が(笑)。まあ、でもサウナは本当にいいんです。リラックスしている、力を抜いているっていうのがいちばんだと思っていて。とにかく力を抜いて……「意識」って邪魔じゃないですか。できるだけ無意識の状態に近づいてワーッとやっていればフッと来るから、あとはそれを掴むみたいな。そういう感じですね。


アフロマンス:みんな、わかりますかね? あ、わからない?(笑)。でもね、リラックスすることがすごい大事っていうのは、アイデアや企画を考える時にすごくあって。だいたい……僕はもともと広告とかクリエイティブの会社とかにいたんですけども。やっぱり若い子たちってだいたい力みすぎているんだよね。「面白い企画を出そう!」って力んじゃって、なんか変な方向に球を投げるみたいな人の方が多くて。


だからむしろ、そのクリエイターの彼女とかの方が「こんなことやったら面白いんじゃない?」みたいな。そういうポッと出の方が意外と使えるアイデアが出たりするっていうか。だって、お客さんになったら面白いかどうかってわかるわけじゃん? でも、作り手になったら途端によくわからなくなる。だからその状態にどうやって持っていくのか?っていう時に、いまの話でサウナが大事なのかもっていう。


あめみやゆう:はい。いや、そうっすね(笑)。まあね、なんせ一緒にサウナ、行きましたもんね。下北の。


アフロマンス:そうですね。裸の付き合いしてますもんね。


あめみやゆう:サウナが大好きというところで。今日はこれで終わりに……(笑)。


一同:フハハハハハハッ!


アフロマンス:結論(笑)。まあ、それはいちばん最後に言いましょう(笑)。シンディはさ、企画を立てる時。いちばん最初のゼロイチみたいなところはどうするの?


DJ SHINDY:ゼロイチは……まあ、うーん。啓示パターンもありますけど、僕は結構考えて組み合わせるタイプですね。出発点を1個決めて、それとかけ合わせたらなにが面白いかとか。僕の事例だと少ないですけど。でも、アフロさんのマグロハウスとかはまさに面白いかけ合わせで生まれているものじゃないですか。ああいうのってたぶん片方があってもう片方、なるべく遠いものを組み合わせるみたいなところだと思うんですけど。まあ、作り方としてはそれが王道なのかな?って思います。むしろ僕はアフロさんに聞きたいですけどね。




アフロマンス:マグロハウスは、スシローのテレビCMを見ている時、赤身のマグロをカットしているすごいきれいなCMだったの。お寿司屋さんっぽくない。それが「ハウスミュージックのPVみたいだな」って思ったんですよ。


DJ SHINDY:やっぱりでも降ってきたんですね(笑)。


アフロマンス:で、それに実際にハウスミュージックの音楽をiMovieでつけてみたら「あ、これめっちゃ合うやん!」というのがあって。あ、思い出した。もうちょっとちゃんと話すと、それは実はマグロハウスが誕生する2年前ぐらいの話なんですよ。そのスシローのやつは。で、それはなんの時か?っていうと、ジャズトロニックっていう大先輩のアーティスト、いるじゃないですか。


で、それはなんの時か?っていうと、大先輩アーティストのJazztronikさん、いるじゃないですか。


当時、僕はJazztronikさんのイベントでフロアオーガナイズをやってたんですよ。その時に、僕がこんな性格なので、なんか面白いことがしたくなっちゃって。イベントの中で、トロのお寿司に「JAZZ」って焼印を押して提供するっていう「JAZZトロ肉」っていう企画を考えて。すごいやりたかったんですけど、事務所から「ダメ!」って言われてお蔵入りになったという。だからずっとその頃から赤身とハウスをかけたイベントをやりたいと思っていて……。


DJ SHINDY:じゃあ、2年かかったんですね。でもやっぱりダジャレってめちゃくちゃ面白いっすよね。そこが僕、楢崎さんに聞いてみたいんですけども。「ロマンシング佐賀」とか本当に天才だな!って思いましたけど。


佐賀県広報・楢崎:語呂というか、覚えてもらうのって大変じゃないですか。なので、そこはすごく重要視しているというか。たとえばAmazonが製品を作る時、かならずプレスリリースから始まるらしいんですよ。先に商品を作るんじゃなくてプレスリリースを作ってどう伝わるか? みたいなところを書いていくらしいんですね。だからそこかなと思っていて。「どう伝わるから、いいものだ」というところで作り始めるのが大事なので。やっぱりわかりやすさっていうのはすごい大事だし。そういう意味ではダジャレってすごく安易ですけど、伝わるなって思いますね。


アフロマンス:僕もちょこちょこといろんなところに呼ばれて「話題になる企画の作り方」とか……これはもうちょっと体系化したような話をしたりするんですけども。その時、1個ポイントで「一言一枚」っていう話はしていて。要は「一言でそれが伝わるのか? 一枚の絵でそれが伝わるのか?」っていうのは結構大事にしていて。


たとえば「マグロハウス」って言ったら「マグロとハウスを組み合わせたんだな」とか。あとは「泡パ」って言ったらすごい短い単語なんだけど「泡にまみれるパーティー」とか、伝わるじゃないですか。それと合わせて1枚の写真で、それがタイムラインに流れてきても「なにこれ?」みたいな。さっきの違和感みたいな。その一言一枚で違和感をどれだけ生むか、みたいなのがすごい大事かなって。それは気にしてやっていますね。


あめみやゆう:僕もそういうの、作りました。行政向けに話す時に。だから近いっすね。僕の中の楽しそうな企画のポイントが7個、あって。1、両極を混ぜる。2、制限をはらう/する。3、できなそうなことをする。4、お土産から考える。5、楽しさは感性にやどる。6、シンプルに伝える。7、発酵させる。これが全てみたいですね。


アフロマンス:ふーん。ごめんなさい。7の発酵させるってなんですか?


あめみやゆう:あの、1から6までを作って「完璧だ!」って思うじゃないですか。そこで1回、寝るんですよ。


アフロマンス:ああ、「腐らせる」の方の「発酵」ですね。


あめみやゆう:そうです。「出来た」と思ったら1回、寝る。で、翌日にもう1回、見直すっていうのは絶対にやりますね。





今、話題になっているイベント


アフロマンス:個別のいま話題になっているイベントについて話していきたいんですけども。あめみやくん、aiが神になった世界をテーマにしたフェスっていう……「KaMiNG SINGULARITY: aiが神になった世界」、ちょっとどんなイベントか教えてもらってもいいですか?


あめみやゆう:渋谷のストリームホールというところで8月9日にやります。それは2045年の世界を作るフェスです。2045年っていうのはシンギュラリティが来るっていう仮説があって。「シンギュラリティ」っていうのはざっくり言うとAIが人間を超える特異点ですね。で、それ以降は全く人間が想像し得ない世界がやってくると言われているんですよ。で、その全く想像し得ない世界を1日だけ想像して具現化してみるというのが「KaMiNG SINGULARITY」っていうフェスティバルで。


まあ「AIとアートのフェスティバル」って考えてもらえればいいかなと思うんですけども。コンテンツとしては、たとえばAIと人間が新しい音楽を一緒に作るコラボライブがあったりとか。それでDE DE MOUSEさんとかSASUKEくんとか、あとは人工知能ラッパーっていう、人工知能で無限にラップを作っていくソフトウェアとか、あとはAI TOMMYとか。いろんなAIと人間のコラボライブがあったり。あとはサイバー神社っていうのを建立するんですけども。


普通の神社って「二礼二拍手一礼」じゃないですか。それをなんか「二礼二拍手一入力」っていう作法にして、実際にその願いをキーボード上に入力して、その願いがブロックチェーン上に登録されてそれをAIがカテゴライズして、それに合わせたプロジェクションマッピングをして。その言葉を200万倍の速度で再生する超音波でフロア中に発信して人々の深層意識にサブリミナル的に潜り込ませていくことで願いの確度を上げていくみたいな、そういう神社を作ったりとか。


まあまあ、2045年に起こりえそうな物語っていうのをいろんな角度から。アートの角度から、エンターテイメントの角度から、いろんなところから作って表現をしていくみたいなフェスティバルが「KaMiNG SINGULARITY」。「#aiが神になった世界」で調べてもらうとめっちゃいろいろと出てきます。


アフロマンス:なるほど。


あめみやゆう:で、なんとアフロマンスさんも、横にいるシンディさんも出演をしていただけるということで。よろしくお願いします!


アフロマンス:よろしくお願いしますなんですけど……どんなDJをすればいいんですか、それ?


あめみやゆう:フフフ、2045年を……(笑)。


DJ SHINDY:僕も気になってます、それ(笑)。


アフロマンス:ちなみに今回、出演者のセレクトってどういうセレクトなんですか?


あめみやゆう:2045年のライブのコンセプトを僕の中で3つ、持っていて。ひとつがAIと共生する新しい音楽。もうひとつが変わらない音楽っていうのもあると思っていて。たとえば、神主さんが吹く笙の音とかディジュリドゥとかジャンベとか民族音楽みたいな音だとかそういうアーティスト。あとは技術と身体性の融合っていうことで、そこをテーマにしているアーティスト。この3つを大きく分けているっていう感じで。で、「俺はどこなんだ?」っていうところがあると思うんですけども。


アフロマンス:俺は何担当なんですか?


あめみやゆう:アフロマンスさんとシンディさんに関しては、特に……。


アフロマンス:フハハハハハハッ!


DJ SHINDY:結局? こんだけありましたけども(笑)。


あめみやゆう:そうですね(笑)。


アフロマンス:「特にない担当、好き放題にしていい担当」っていうことで(笑)。


あめみやゆう:普通にDJとして好きだったんで。そんだけです(笑)。


DJ SHINDY:嬉しい(笑)。


アフロマンス:あんだけの内容を語った上で、最終的には「好きだから呼んだ」っていう(笑)。


あめみやゆう:そういう特別枠です。それは2人だけなんで。


アフロマンス:でもね、僕もいろんなイベントをやっているんですけども。さっきの一言一枚みたいなのにそのわかりやすさってすごく大事だと思いつつ、一方ではその先にある、SNSだけでは伝わらない情報量みたいなのって、すごい大事だなって思っていて。簡単に言うと、SNSだけでこのイベントがどんなものかってわかったら行く必要がないじゃないですか。なんかの対談でも言っていたんですけども。言葉で伝わることって大したことないし、写真だけで素晴らしさが伝わるのも大したことがないし。動画でやっとわかるけど、動画でもわからないんだけど実際に体験したらめっちゃ面白いじゃんみたいなことって、いちばん面白いみたいな話があって。僕はそういう期待を持ってあのイベントは……。


あめみやゆう:ああ、まさに。まさに。


アフロマンス:こう言っちゃうと、「告知を見ても伝わらない」って言っちゃう感じに近いかもしれないですけど。たぶん、告知で見えるものよりももっと現場に行って「ああ、こういうことか」みたいな答え合わせをしに行くようなフェスなのかなっていう期待を持って見ています。


あめみやゆう:そうですね。そもそも「わからなさ」っていうのが僕は最高のエンターテインメントだと思っていて。未知があるからワクワクできるじゃないですか。だから、別にわからないでもいいと思っているというか。難しいことをやさしく、やさしいことを面白く、面白いことを愉快にして、愉快なことを愉快にするよりも、わからないことを面白くしたいな、みたいな思いがあって。そもそもなんか、未来を考えるとか、よくわからないものに手を出してみる。自分が体験したことのない怪しさに手を出してみる。誰も想像したことのないものを作ってみるっていうのって、それ自体が僕は面白いなと思っていて。それを「エンターテインメント」っていう風に呼びたいなって思って作っているのもありますね。


アフロマンス:僕も最近共感するのが、わかりやすさってすごい大事なんだけども、あえてその先を言うと、そのわかりやすさを求めすぎて、告知もわかりやすい。イベント内容もわかりやすい。フライヤーもわかりやすいみたいな。でもそれって、わかりやすさを突き詰めていっちゃうと「ワクワクする」っていうことがどこか抜け落ちちゃうところがあって。


最近、「喰種レストラン」っていう『東京喰種』とコラボしたレストランがあったんだけども。それこそ場所が載っていないんだよね。チケットを買わないと場所もわからないし。で、実はこっちで用意している内容の1、2割ぐらいしか告知では載せていないんですよ。だからもう、行ったらいろいろと面白いことが待っている。でも、そのなんとなくの空気感はSNSを通して伝わるみたいな。その匙加減でみんなの期待を高めていく時にすごい大事だなと思う感じ……。


あめみやゆう:ああ、なるほどね。僕のやつはさっきのサイバー神社とかを聞いていても思ったと思いますけども、言ってもわからないという。そっち系なんですけども(笑)。結構全部伝えているんだけどわからないみたいな(笑)。そうですね。


アフロマンス:じゃあ、シンディ。ちょっと事前に言っていましたけど、活動休止宣言をしたと。なんでしたのか?っていう話を聞きに来ている人もいると思うんですけども。


DJ SHINDY:ちょっとね、イベントの作り方とは関係ないんですけど。大変恐縮なんですが、8月で僕はDJ活動を休止することにしまして。ということを先月発表して、いろいろとプチ炎上みたいになっていたんですけど。次にやることを2つ、決めてはいるんです。それ以前になんで僕がイベントをやってきたか?っていうところだけお伝えしておきたくて。


僕はずっとダンスミュージックとかクラブミュージックとか他にもロックとかいろんな音楽が好きだったんです。やっぱり一般人からするとまだまだクラブって距離が遠いというか。「夜だよね」とか「若者だよね」とか「ちょっとナンパとかあるよね」とか、人によっていろんなイメージがあると思うんですよね。いいイメージを持っている人もいれば、まだまだ怖い、距離感が遠いみたいな風に思っている人も多いと思っていて。


そこをもっともっと身近に、音楽を聞ける空間としてクラブって楽しいよとか、別にクラブじゃなくても音楽って楽しい要素のひとつだよっていうことを伝えるためにイベントをやっていたっていう感じなんですよ。なので、この挑戦を僕はずっとしていきたいと思っていて。もともと音楽に育てられたので、やっぱり音楽って必需品ではないけどすごくいいよねっていうことを伝えられるような挑戦をしていこうと。


で、イベントは一旦一区切りにはなるんですけど、次にやることは2つ、決めていて。ひとつは、レーベルのA&Rをやります。


アフロマンス:おおー。


DJ SHINDY:さっき必死にブログを書いていたんですけども(笑)。A&Rって知らない人も多いと思うんですけど。クリエイターをリクルーティングする仕事ですね。海外のレコード会社だと結構メジャーなんですけど。要するに音楽を作っている人の支援をしていこうと。リクルーティングして、曲をリリースして、お金を払っていくみたいなところをやっていきたいなと思っています。要するに裏方の方に行くっていう感じですね。


もちろん、僕も曲を作るんですけど。記念として1曲リリースしようと思っているんです。それをやるのと、もうひとつ、これはもう1個将来的な話なんですけども。DJとかイベントにもっとお金が回るように、まだ具体案は見えてないんですけどファンドみたいなことをやりたいなと思っています。これはイベントとDJをずっとやり続けてきて思ってきたのは、すごく楽しいんですけど収益構造がまだまだ難しい。


なかなか日本でDJだけで稼ぐっていうのが難しい現状を、ちょっと外からブチ壊しにいけないかな?っていうのを考える時間にしようと思っています。なので、引き続きDJシンディとしては、DJはしませんが活動は続けていくので。ちょっとDJとクリエイターの地位向上じゃないですけど。きちんと稼げて正当な対価をもらえるみたいなところのシーンに日本をしていきたくて。いろいろと引き続き挑戦をしていこうと思っているので。


みなさんにはご心配をおかけしましたが、引き続きイベントとかDJ活動とかクリエイター活動は僕、支援をできるポジションに行きたいなと思っているので、一緒にやりましょう。よろしくお願います!


アフロマンス:おおーっ! 素晴らしい!


DJ SHINDY:ありがとうございます。


アフロマンス:いやー、いいっすね。


DJ SHINDY:いやいや、僕の話をしちゃってすいません(笑)。


アフロマンス:でも、いまコメントで「自分がDJじゃなくてもイベントをやっていましたか?」みたいな質問とかも来たりしているんだけど。たぶん、いろんなイベントをやる人っていろんなモチベーションとか動機でやっていると思うんですよね。僕はね、まさにDJからなんですよ。このイベントをやり始めたきっかけって。ちなみにイベントをやり始めたのって何きっかけですか?


あめみやゆう:僕は教育きっかけなんですよ。


アフロマンス:教育からのイベント?


あめみやゆう:もともと文学部で哲学とかそういうのをやっている中で「ああ、エンターテインメントだ」っていうのが降ってきてやり始めたという。だから全然DJをやったこともなかったし。イベントをやって初めてやったみたいな。


アフロマンス:ああ、イベントが先だったんですね。


あめみやゆう:先でしたね。


アフロマンス:シンディは?


DJ SHINDY:僕はリスナー始まりなんですけど。音楽が好きで、音楽好きだけを集めて飲み会とかやっていたんですよ。で、そこから曲作りを始めて東京に来て。「クラブっていうのもがあるらしい」と。それで「DJやっちゃいなよ」って言われて「ああ、やります」みたいな感じで始めて。で、DJをやって、曲を作って、飲み会して……「これ、クラブでイベントできるんじゃね?」みたいな。本当に音楽からたどっていったらイベントをやっていたみたいな感じですね。


アフロマンス:でも、たまたま面白いイベントをやっていて今日ここに並んでいるんだけど、この入口ってみんなバラバラで。やっぱりシンディのこの決断ってその入口。音楽から入って音楽に出ていくんだなっていうのが面白いなと思っていて聞いていました。


DJ SHINDY:僕の周りだとDJをやっていないオーガナイザーさんって結構いますね。結構オーガナイザーから入る人って多いというか。むしろ上手く分業をしている人が多いなっていうイメージはあります。


アフロマンス:ですね。最後に楢崎さん。なんかこう、行政とイベントオーガナイザーの可能性というか。さっき、「熱を探しに行く」みたいなのがあったんですけども。その延長線上で……たぶんここ、イベントに携わっている人が多いと思うんで。そういう人たちに向けてなにか一言、いただいてもいいですか?


佐賀県広報・楢崎:そうですね。行政って基本、全方位っていうか。もうたとえば佐賀県だったら県民が81万人いらっしゃるんですけども。81万人が相手なわけですよね。で、いままでの行政って基本、「81万人に届け!」っていう感じでやっていたんですけども、いまはクラスタがどんどんと分かれてきているので。その人たちになにかさせたい事業があるのであれば、イベントと連動してやるべきだっていうので6年前からいろいろとやらせていただいているので。まあたぶん同じような感じかなって。得意なところにちゃんと頼って、ちゃんと伝えようっていうところですね。


アフロマンス:その小さな主催者に共通すると思うんですけども。数千人集まる、特になにかコンセプトのないというか、ただ集まっているイベントと、100人、200人が集まっていてめちゃめちゃおもしろいイベントだったら、その100人、200人でめちゃめちゃおもしろい方が世の中にとって結構バリューが僕はあるなって思っていて


佐賀県広報・楢崎:そうですね。


アフロマンス:だから自分の「好き」を突き詰めていった先に……そのスケールにあんまり騙されないでほしいというか。


佐賀県広報・楢崎:そうですね。行政の人も「○千人来ないとダメ」みたいなことを言っちゃったりするんですけども、かつお食堂みたいにあんなに狭いけどやっぱりカツオが好きなオーナーがいて。提供をしていて行列ができるみたいな。ああいう熱量ってすごい大事だと思っていて。なので、ちっちゃくても熱量を作ることが大事かなと思います。


アフロマンス:素晴らしい。最後、締めに近いような言葉をいただき、ありがとうございます。


番組情報

「スーパーオーガナイザートーク by アフロマンス」

放送日:毎月第2木曜日 20:00 - 21:00 O.A.

番組URL :https://block.fm/radios/612


HP:http://afroand.co/superorganizertalk/



「スーパーオーガナイザートーク」は、「イベントをつくりたい」「やっているイベントを面白くしたい」という未来のスーパーオーガナイザーに向けて、泡パ®、Slide the City、マグロハウスなどの話題のイベントをつくり続ける「アフロマンス」が、今注目のイベントの仕掛け人たちにガシガシ突っ込んでいく、オーガナイザーのバイブル的な番組です。回ごとにテーマを設け、話題のイベントの出来上がる過程や、失敗談、発想法などを深堀りしつつ、MAGNET by SHIBUYA109 MAG7(7階)での公開放送で、その場での質問も受付。さらに、番組後には、スーパーオーガナイザーたちとの交流会&企画会議も開催。聞くだけではなく、リアルな場で新しいイベントも参加者と一緒につくりあげていきます。


written by みやーんZZ



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