Spotifyの「バイラル50」に連続入りするParty Pupils、独占インタビュー。新世代エレクトロ+ファンクネスの音作りに迫る

デビュー直後から世界中でバズを生み続ける注目ユニットが初来日。独自のサウンドの秘密をTJOが独占で迫る
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2018.10.01 23:00

2016年にリリースしたOutkastの傑作ヒップホップ『Ms.Jackson』のカヴァーで、突如Spotifyのグローバル・バイラル・チャートでTOP5入りを果たし、話題を集めたダンスミュージック・プロデューサーユニット、Party Pupils(パーティー・ピューピルズ)。


メンバーは、幼少時代からブロードウェイ・ミュージカルでAriana Grandeと共演、歌手やモデル業のみならず『Law & Order』などの人気海外テレビドラマにも出演する俳優としても活躍し、個人としてもビルボードヒットを生み出しているMAXと、数々のバンドやプロデューサー業で音楽界を渡り歩いてきたRyan Siegelの2人。


2018年には、Steve Aoki率いるDim Makからリリースした『Sax On The Beach』が大ヒットを記録している中、今回「Summer Sonic 2018」にMAX名義で来日し(RyanはバックDJとして同行)、MAX + Party Pupils形式でその姿を初めて日本のオーディエンスに披露してくれた彼らに、ユニット結成の経緯や、先鋭的なビート+ファンクネスの両立でポップさを際立たせているユニークなサウンドのルーツや制作の裏側をTJOが聞いた。




トラックを頼まれるけど、僕らがやってるスタイルで作れるかを大切にする


TJO:「Summer Sonic 2018」でのライブはどうでしたか?


MAX:素晴らしかったよ!日本人オーディエンスはとてもリスペクトがあると聞いていたけど、実際に僕らがやっていることも受け入れてくれた。必要なときは静かにライブを観て楽しんでくれるし、盛り上がる時にはすごく盛り上がってくれる。本当に楽しかったよ。


TJO:Ryanは過去にLos Stellariansというバンドで来日してことありますよね?


RYAN:そうなんだ。昔やっていたバンドで来日したことがあるんだけど、来た瞬間に日本人やカルチャーを好きになったよ。当時の僕らの音楽も評価してくれて、ホームタウンの次に大好きな場所かも。それにこないだHMV渋谷に寄ったら、なんとLos Stellariansのアナログレコードが飾られてたんだよ!




TJO:MAXにとっては初来日ですが、ライブで何か緊張したことなどはありますか?


MAX:日本のオーディエンスは、音楽をじっくりと楽しむため、すごい静かにしていると聞いていたんだ。そのための心の準備をしていたら、むしろみんながスゴく盛り上がってくれたことに良い意味でビックリしたよ!


アメリカでも盛り上がる客はいるけど、日本のように敬意を払ってくれない時もある。


そしてライブ中にスマホを出していなかった事もすごく良かった。最近はショーの間ずっと撮り続ける人もいるからさ。





TJO:今度は2人の関係について。Party Pupilsはどうやってスタートしたんですか?


RYAN:Tinderで出会ったんだ。というのは冗談だよ(笑)。本当は共通の友達を通して出会って、MAXがまだバンドでライブをしていた時にギターとして参加することになって、そこからミュージック・ディレクターになってショーのプロダクションを手伝うようになった。


Party Pupilsは、純粋に2人で楽しいことをやろうって2年前に始めたプロジェクトなんだ。しばらくMAXのツアーがなかった時に「何か音楽を出そうよ」と話して、OutkastのMs. Jacksonのカバーをリリースしたんだ。


最初はどんなリアクションを集めるか見たかっただけなんだけど、すごく良い反応が沢山あって本当にラッキーだったと思うよ。


MAX:Party Pupilsは僕らのアルターエゴ(別人格)なんだよね。今はParty Pupilsもソロでやってる世界観も両方混ぜられてすごい幸せを感じているよ。片方のプロジェクトのファンもいるし、両方のファンもいるから嬉しいね。





TJO:Ms. Jacksonカヴァーの大ヒット以降、リミックスを大量生産していますが、リミックスを作る時は何を大事にしていますか?


RYAN:まず僕らの曲のレンジは90~110台のBPMのテンポが多いんだ。たまに140BPMくらいのTRAP寄りの曲をリミックスして欲しいと頼まれる時もあるんだけど。それは僕らが上手く出来ることじゃないんだ。


だから何か頼まれる時は僕らがやってるスタイルで作れるかを一番に確認するんだ。その作品に何かしらのParty Pupilsらしさを出せないとダメなんだ。


TJO:じゃあ、もしTRAP寄りのリミックスしてと頼まれたら断る?


RYAN:場合によるかな。出来る限りは何にでもチャレンジしたいと思ってる。けど自分達が何を一番上手く作れるかをハッキリとさせることも大事だと思うんだ。TRAP寄りのものを作っても、どうしても他の人の作品に聞こえたりしちゃうんだよね。だから誰が聴いてもParty Pupilsだ!って伝わる曲が作りたいんだ。


MAX:全くもってその通り。でも少しずつチャンレンジするのも大事。


例えば最近僕らがリリースしたTravis Scottの『Stargazing』のリミックスも、いつもやってるジャンルとは違うけど、実験的にチャレンジした。僕らはTRAPを作るグループではないけど。自分達が上手く出来ることや好きなことをさらに押し広げていくのも大事だと思っている。


RYAN:たまにリミックスを依頼される時に「『Ms. Jackson』のように作って」と言われると、僕らのサウンドが気に入られてるんだなと実感するよ。





ブートレッグはキレイなアカペラを探す作業から始めるんだ




TJO:じゃあ、自分達がリミックスやブートレッグを作る際に選ぶ曲の基準は?


MAX:特にルールはないかな。けどThrowback系の懐かしい曲とかは好きだね。


RYAN:いつもお互いにアイディアを投げ合ってるよ。マネージャーにも「今流行ってるこの曲をリミックスしてみれば?」と勧められるし。でも実際に作るときはキレイなアカペラが見つかると最高だね。


MAX:そう、何よりもキレイなアカペラ。


RYAN:今までKanye Westのブートレッグを2曲出してるけど、理由の一つは、彼がスゴくキレイなアカペラを出してるからなんだ。もうそのままスタジオから書き出したようなクオリティー。そうやってリミックスしてみたいものはアカペラを探す作業から始めるんだ。


MAX:それか、充分なアカペラが見つけらない場合はカバーして歌う。


RYAN:だからキレイなアカペラが見つかった時は「よっしゃ!」ってテンションが上がるよ。僕らはThrowback系の懐かしいヒップホップやR&Bのリミックスが多いんだけど、ヴァイナルからキレイに書き出したアカペラを探すのはかなり難しいんだ。でもSnoop DoggやKanye Westのは良いアカペラが多く出回ってるからすぐ作っちゃうよ(笑)。


MAX:BTSのような最近なアーティストもやりたいんだよね。でもBTSのアカペラはどこにもないんだ。


TJO:話を聞いてると、OutkastからTravis Scott、BTSといろいろなアーティストの名前が出てきますが、今までどんな音楽を聴いてきましたか?それと最近はどんなのを聴いていますか? 


MAX:僕らがリミックスしてきた曲とか、クラシックな曲とかかな。誰でもフックがわかる、キャッチーな曲とか。それこそヒップホップが多いね。Missy ElliotやThe Roots、Snoop Dogg、Pharell。


それにオールドスクールなソウルも大好きだよ。James Brown、Etta James、Michael Jackson、Princeも大好きだよ。


RYAN:T-Painのようなちょっと昔のヒットなんだけど古すぎない曲も大好き。「この曲最近聞いてないね~!」って思わず懐かしくなる曲とか。


MAX:もっと最近のアーティストだと、僕らの友達のLouis The ChildやJai Wolf、Louis FutonやYung Baeも大好き。それにDua Lipaも!


RYAN:あとはMoe ShopやNight TempoとかのFuture Funkも良いね。





TJO:もしどっちかがこの曲をリミックスしたいとなって、相手が嫌がったらどうします? 


MAX:話し合うしかないね。RYANは僕にとって2人目の結婚相手のような存在だから、コミュニケーションをうまく取らないといけない。


例えば僕はすごくBTSの曲をリミックスしたかったけど、彼は全然納得してくれなかったんだ。でもそれはそれでいいんだよ。たまにRYANも、あまり知られてない曲だけどどうしてもやりたいっていう曲もあるし。


RYAN:僕らが一番いい作品を作れる時は、一番インスパイアされてる時なんだ。よくあるパターンなのが、MAXにこれをリミックスするのはどう?と聞かれても僕がすぐに「No」と返すんだ。


でも、そこからMAXが頑張って僕に説得しようとするんだよ。彼の曲『Lights Down Low』もリミックスするためのインスピレーションを得るのに1年近くかかった。ツアー中ずっとプレイしてた曲だし、他の人によるリミックスもたくさん出ていたし。でもある日、やっと良いアイディアが降りてきてリミックスしたんだけど、ちょっと遅かったね。


MAX:喧嘩もよくするけど、喧嘩を通してうまくコミュニケーションを取れるようになったと思うよ。


RYAN:『Demoitis (デモアイティス)』というのがある。プロデューサーに多いと思うんだけど、デモやトラックを何回も聴いてると音が客観的に聞こえてしまう病があるんだよ。


MAX:そこに僕が入っていって初めて聴く曲に、こういう風にリミックスしたらどう?と言うと怒られるんだ(笑)。


RYAN:「それはもうすでにやろうとしたよ!」って(笑)。プロデューサーとして一番ハードなのは、いろんな音を繰り返し聴き続けることだね。楽な時はないよ。でも、そういう時にパートナーが言ってくれることを信頼するのも大事なことだと思う。


TJO:Party Pupilsとしての今後のステップは? 


MAX:新しい音楽をたくさん書いているよ。とても嬉しいのは夏前にリリースした『Sax On The Beach』への反応がスゴく良くって。リリース前から結構ライブでプレイしてたんだけど、初めて聴く曲のはずなのにオーディエンスが一緒に歌ってくれたんだよね。


この曲は今まで出してきたものよりも分かりやすいキャッチー路線なんだ。こういうことをもっとやりたくて。今後こういった路線のEPを出そうかとも考えている。そこからツアーもどんどんして、次はParty Pupilsとして来日したいね。


RYAN:ずっとツアーだったから、なかなかスタジオに入ることが出来なかったんだけど、最近ずっとコラボしたかったアーティストと一緒に曲作りがやっと出来たんだ。SNS上でも言っているんだけど、Ashという女性シンガーとLouis Futonというプロデューサーと曲を出すんだ。


MAX:Louis Futonとの曲は、実はIKEAで作業しはじめたんだ。


RYAN:お店にレコーダーを持って行って、ポットを叩いた音や、スキャンの「ピー」という音を録ったりした。もともとリリースつもりはなかったけどMAXに聞かせたらその場で歌を書いてくれたんだよ。たった15分でだよ!MAXはそういうところがスゴいんだ。思いつきで5分で曲を書くとか。もちろん8時間かかる時もあるんだけど(笑)。


MAX:『Sax On The Beach』もスタジオに入って1時間くらいで書けたね。たまに、どうしても完成出来ないものもあるけど、それもそれで受け入れないといけないと思うんだ。でも作り始めたものはいつか必ず使うという気持ちで何も捨てずに置いてあるんだよね。


TJO:そういう使われてない曲やトラックのラフは、どこかでみんなが聴くチャンスはありますか?


RYAN:そういうラフやアイデアは、ミックステープの中に部分的に取り入れたりして出すことも多々あるからぜひチェックして欲しいね。





「Summer Sonic 2018」のライブの2日後、渋谷クラブクアトロで開催されたワンマンライブで目にしたのは、MAXのブッとんだ煌びやかな衣装とサービス精神旺盛なパフォーマンス


そして、最初はバックDJとして登場しながらも、コーラス、キーボード、トークボックスの演奏、さらにステージで踊り出すなど、仕事出来すぎなスーパーマルチぶりを発揮していたRyanの二人によるショーは、まさに今の時代のエンターテイメント。


MAXの楽曲をメインに据えながらも、DJ的にシームレスにParty Pupilsの楽曲も織り交ぜて、美味しいところを凝縮したライブで、「Summer Sonic 2018」まで彼らのことを知らなかったであろうオーディエンスも一気に虜にしていた。


ライブ途中、MAXが客演したGalantisの最新曲『Satisfied』も入れるなど、EDMパーティーな盛り上がりも見せながらも、ウクレレ一本でMichael Jacksonの『Billie Jean』をしっとりと弾き語るなど、歌手としての真髄も見せつけてくれた場面もあり、本当にエンターテイメント性に溢れた楽しく充実した内容だった。


今や飛ぶ鳥を落とす勢いで進み続ける彼らが、次回の来日ではParty PupilsとしてもMAXとしても、さらなるパワーアップしたショーを見せてくれれるのが楽しみだ。



https://www.partypupils.com

http://www.sonymusic.co.jp/artist/max/

https://www.instagram.com/maxhellskitchen

https://www.instagram.com/partypupils/

最新リリース情報


Max Schneider
タイトル:ヘルズ・キッチン・エンジェル(ジャパン・バージョン)
リリース日:2018/07/25
LABEL:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
詳細:http://www.sonymusic.co.jp/artist/max/discography/SICP-5800



Interview & written by TJO

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