伝説的シンセAbsynth開発者Brian Clevinger氏が新たなシンセ開発中!

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Absynthの開発者Brian Clevinger氏が新たに設立したバーチャルインストゥルメントメーカー、Rhizomatic Software SynthesisよりPLASMONICという新しいシンセが発表された。シンフォニックサウンドジェネレイターの名機Absynthの幽玄で神秘的な世界観がどのような進化をみせるのか。イントロダクションビデオではBrian Clevinger氏自らが製品を紹介し、熱狂的なファン達から早くも注目を集めている。しかしさすがは伝説の人物、絵力がつよい!
バーチャルインストゥルメントのレジェンド的存在Absynth
Absynthは既述したBrian Clevinger氏が開発したセミモジュラー式ソフトウェアシンセサイザー。独特な使用感やUI、プリセットも代わったものが多いが、多くのクリエイターが虜になるAbsynthの最大の特徴は美しさと不気味さや狂気が混沌としたような、強烈に個性的なサウンドだ。
複雑に組み込まれたモジュールパラメーターをアサインし複雑にモーフィングさせることで、まるで生きているかのようなサウンドが作り出せる。パッドサウンドが得意なシンセのイメージだが、リードサウンドなども荒々しく美しい。
エフェクターとしても使用でき、サンプリングしたドラム音源をAbsynthに通すだけで、新しいビートとしてそのまま使うことができる程、ユニークで強力なモジュレーションとエフェクトが備わっている。
Absynthのサウンドや音作りを言葉で表現するのは難しいが、まるで未知の生き物をいじりながら音を出しているような感覚になるユニークなサウンド。ジャンルや時代を問わず愛好家の多い伝説的なソフトシンセの一つといって過言ではないだろう。多くのシンセサイザーをリリースしたNative Instruments製品の中でも異彩を放つ存在だ。
Absynthよりアコースティックな音響再現を目指したサウンド
そんなAbsynthの開発者Brian Clevinger氏が次に手がけているシンセは一体どのようなシンセなのだろう。PLASMONICはよりアコースティックな音響再現を目指しているということだが、記事冒頭の公式デモ動画でもわかるとおり単に生楽器的感覚ではない、独特な有機性とでも評すべき質感がサウンドに付加されていることがわかる。このデモ中52秒のあたりにはPluckタイプのシンセが使われているが、一般的なシンセのPluckでは感じづらいリッチさと奥行き感があり、独特の雰囲気を持ったサウンドに引き付けられる。
その後もデモ動画は公開されており、こちらではまさにAbsynth直系なパッドサウンドが公開されている。
基本構造はレゾナンスコントロールを軸とした減算方式だそのため、細かく丁寧な作り込みができそう。他のスペックリストを見ると、2機のオシレータージェネレーター、フィルター、3 Band EQ、Saturator、Final Resonator、 Waveform Transformationなど、やはりAbsynthを踏襲した構成と考えられる。
Absynthファンはもちろん、他と一味違うサウンドを求めているクリエイターの方はぜひチェックしてみてほしい。現在はホームページにてプリオーダーを受付中。プリオーダーは33%ディスカウント価格とのこと。2020年6月初旬がリリース予定とまだ時間があるので、これからのニュースを見逃さないようニュースレターや公式SNSなどもチェックしておこう。いまならフォロワーも少ないので古参ぶれるぞ!
また、もしAbsynthを触ったことのない方はこの機会にぜひ試してみよう。
written by Yui Tamura
source:
https://rhizomatic.xyz/
photo: