AIがDJをするようになる?新たなDJのスタイルとは?

AIの登場でDJはどうなるのか?
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2018.06.13 08:52


AIの登場でDJはどうなるのか? 


スマートフォンやタブレットでもDJプレイできるようになった現代において、今後大きく台頭してくるであろうAI(人工知能)が、DJの分野へも進出してくることは必至である。テクノロジーの発展とDJの関係について見て、AIはDJにどのような影響を及ぼすのかということを以下から検討していく。  


テクノロジーの発展とDJ


DJのスタイルはテクノロジーの発展と共に歩んできた。具体的には、音楽を再生する媒体が新たに発明されるたびに、新たなDJのスタイルが確立されていった。レコードからCD、そしてパソコンやi-Pod、タブレット端末へと音楽を再生する手段が革新されたことに伴い、DJプレイは万人に開かれたものになっていく。音楽を再生する媒体としてレコードが主流であった時代においては、繊細で大きなレコードを扱う技術がDJに求められたが、デジタル化が進んだ現代では、音楽データを取り込みそれを再生することでDJプレイは可能となった。音楽を選ぶセンスさえあれば誰でもDJになれるようになったのである。レコードやCDを使用するDJとの差別化を図って、デジタルを駆使してディスク操作をしないDJプレイをする人のことを「PJ」と呼ぶ人もいる。






DJにとってAIは脅威


SNSの投稿履歴などからヒット曲を見つけだすことや、自動的に曲と曲をわかりやすくつないでいくことは、AIが得意とするところであろう。曲を事務的に処理していくことにかけては、人間のDJはAIに及ばないと考えられる。機械的なトラブルがない限り、AIはミスをしないものと思われるので、安定した状態で絶え間なく曲を流すことができる。そして、無尽蔵に曲目をデータ化して保存できることは、AIの大きな強みである。言うまでもなく人間の脳が蓄積することのできる記憶量には限界がある。人よりも多くのレパートリがあることを売りにしているDJは、AIの保有する「ビッグデータ」にひれ伏すことになるだろう。そして、デジタル化の恩恵を大きく受けてDJプレイをしている人にとって、優れた処理能力とデータ収集能力を備えているAIの台頭は大きな脅威になると考えられる。テクノロジーの発展で万人がDJになれるが時代は終わり、テクノロジーの発展のためにDJになることが難しい時代が到来しようとしている。




人間にしかできないこともある


AIが今後発展していくことは確実であり、多くのDJがその影響を受けることは必至であるが、「AIが台頭することで人間のDJがいなくなる」と悲観することは早計であろう。AIは優れた処理能力をもち無限に曲目のデータを保有することができるが、人間のDJにしかできないこともある。DJの大切な要素として「人を見る目」があるが、それは人間のDJでしか培うことができないだろう。会場全体の雰囲気を掴みその場の雰囲気にあった曲を選ぶことは、洗練された人間のDJがなせる技の一つである。さらには、個別の人間に気を配りその人のために選曲をすることもDJの大切な仕事であると思われる。たとえば、ダンスフロアから離れてバーで一人佇んでいるような「ちょっと元気のない人」を踊りたいと思わせる選曲をすることもDJの大きなやりがいであろう。好感のモテる異性が会場で気落ちしているところを偶然目にしたなら、その人を励ますような曲をかけることで会場全体のムードに変化をつけることができるかもしれない。全体に向けて「ノリがいい曲」を流しているだけでは単調になってしまう可能性がある。万人に受ける曲を機械的につなげて流すだけでなく、意表をついた選曲で客の「ノリを変える」ことについてはAIよりも人間のDJが優っていると考えられる。曲をつなぐ際のミスも会場の雰囲気を変える「人間的な」要素にもなり得る。たしかにAIはDJにとって脅威かもしれないが、選曲や曲の処理にかかる手間をAIに任せることで、個々のDJが自分のオリジナリティーを模索することにより時間をかけることができる。DJは既存のスタイルに固執することなく、AIと柔軟に共存関係を築いていくことが求められる。


Photo:https://pixabay.com/


Written by 編集部



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