今すぐ聴ける! 2018年を代表する名作・衝撃作 block.fmチョイス

2018年に登場した多彩な作品から、block.fm音楽ライターたちが注目した新作と、今年を象徴するMVPアーティストをピックアップ
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2018.12.31 08:00

2018年のエレクトロニックミュージック、クラブミュージック・シーンでは、数多くの作品が多才なアーティストたちから発表された。特に2018は、メインストリームとアンダーグラウンド、ジャンルやカテゴリー、日本と世界といった枠組みを軽く超えてしまうアーティストやプロデューサー、コラボレーションが飛躍した一年だったと言える。


block.fmでは「2018Best Music」と題して、話題を呼んだ国内外のエレクトロニックミュージック、クラブミュージックを振り返り、block.fmライターたちが注目した2018年を象徴する「MVP」アーティストと作品を紹介したい。


絶対必聴! block.fm日本人音楽ライターが選んだ、2018年上半期最強のアンダーグラウンド・ミュージックとは?





2018年ベスト・アーティスト: トリー・レーンズ(Tory Lanez)


少しヒネくれた選び方かもしれないが、今年常に名前が上がっていたアーティストの1人であることは間違い無いであろうトリー・レーンズ。自身名義でのアルバムも3月に『Memories Don't Die』、10月には『Love Me Now?』と2枚をリリースし、勢いのあった2018年。2017年のグラミー賞にもノミネートされた「Luv」のような甘い楽曲のイメージが強い彼だが、『Memories Don't Die』収録の「Shooters」のような”硬いビート”でも映えるのが彼の持ち味だ。


アルバムにはクリス・ブラウン(Chris Brown)からガンナ(Gunna)といった大物から注目のアーティストまで幅広く参加している上に、ラテンミュージック界でトップの人気を誇るオズナ(Ozuna)との「Pa Mi」も大ヒット中だ。そして今年の「XXL Freshman」にも選ばれたステフロン・ドン(Stefflon Don)の「Senseless」にもリミックスで参加。ラテンからレゲエ、R&B、ヒップホップとジャンル問わずハマるその歌声は来年以降も耳に焼き付いて離れないだろう!





2018年ベスト・リリース1: Meek Mill『Championships』


2017年11月から服役し、今年の4月に保釈されたミーク・ミル(Meek Mill)が11月末にリリースしたアルバム『Championships』。本来なら来年以降のランキングに入りそうなものだが、彼のスタイル、そして影響力も加味して今年にねじ込ませて頂く。何と言っても期待通りのできだったのでは無いだろうか! 近年のムーブメントである「Emo Rap」のそれとはまた違う土臭さというかストリート感。ドレイク(Drake)とのビーフを終結させ、アルバムでは「Going Bad」で共演しビルボードでは初登場2位にも輝いている。


リック・ロス(Rick Ross)とジェイ・Z(Jay-Z)を迎えた「What's Free」ではもともと不当だとされている自身への判決を経験しての、アメリカの司法制度、自由をテーマにラップしリリース直後から話題に。ジェイ・Zもミーク・ミルへの判決に対して異議を唱えていた1人であって人選もバッチリ。


さらに全体を通して30代以上のヒップホップファンには堪らないサンプリング曲が使用されており、いちいち胸を熱くさせるアルバムだ! SNSでは年内にもう1枚のアルバムリリースも公言していたので、遅くても来年早々には次回作が聴けるかも!?





2018年ベスト・リリース 2: Travis Scott『Astroworld』


正直MVPとしても迷ったトラヴィス・スコット(Travis Scott)。8月にリリースされた直後からチャートを賑わせてきたアルバム『Astroworld』ではドレイク、ザ・ウィーケンド(The Weeknd)、21サヴェージ(21 Savage)といった人気アーティストに加え、「Stop Trying To Be God」ではスティービー・ワンダー(Stevie Wonder)がハーモニカで参加! この意外な組み合わせはネット上ですぐさま話題になった。


また過去2作に比べサウスヒップホップへの愛情も高まっており、トラヴィス・スコットと同じくテキサス州出身のレジェンドDJ、DJ スクリュー(DJ Screw)に対する尊敬の念を込めた「R.I.P. Screw」(DJ スクリューは2000年に他界している)やサウスのヒップホップグループ、スリー・6・マフィア(Three Six Mafia)の有名なフレーズ「Tear Da Club Up」をサンプリングした「No Bystanders」など、昔からのヒップホップファンへのアプローチも忘れない2018年最高傑作のひとつだ!





2018年ベスト・リリース 3: Ella Mai『Ella Mai』


数年に一度あらわれる本格R&Bシンガーの中でも群を抜いて人気者となったエラ・メイ(Ella Mai)のファーストアルバムとなった『Ella Mai』。リードシングルである「Boo'd Up」は2017年にリリースされたEP『Ready』にも収録されていたが、MVが公開された事をきっかけにさらに注目が集まり、今では3億回再生に届きそうな勢いだ。続いてMVが公開された「Trip」も美しいメロディーに彼女の声がぴったりハマるいわゆる”胸キュン”ソング。


この2曲でも自身の魅力を十分にアピールしたエラ・メイだが、アルバム全体を聴かずして彼女を語るのは勿体無い。90年代テイストでありながらアーバンでメロウな楽曲からトラップ・ソウルな楽曲まで歌いこなし、現代風に見事に昇華している。ヒップホップとR&Bの垣根が定かでは無い近年において、正真正銘R&Bで勝負できる数少ないアーティストの1人であり、R&Bアルバムだけで言えば文句なしの2018年ベスト候補だろう!





2018年の下半期をまとめた3枚のアルバムとMVPアーティスト。もちろん紹介した意外にもたくさんのアーティスト、素晴らしいアルバムがリリースされた。ストリーミング配信の影響もあってリリース量は膨大だが、音楽を聴く時間も増えるであろう年末年始には気に入ったアルバムを深く聴き直すこともオススメしたい!


written by #BsideNews





2018年ベスト・アーティスト mabanua


今年1年を振り返り、グッと心を掴まれたリリース3選とともに、最も印象に残る活躍ぶりを見せたと感じるアーティストを独断でセレクト。


今年“2010年代のトレンドを作り上げたクリエイターの一人”と称されるほどの活躍を見せた音楽プロデューサーのmabanua。藤原さくらやサイプレス上野とロベルト吉野、DATSなど、ジャンルに関わらず今年の日本音楽シーンを彩ったさまざまなアーティストのプロデュースを手掛け、ヒット曲を連発。一躍スターダムまで駆け上がった。


8月には自身3枚目となるソロアルバム『Blurred』をリリースした彼。タイトルが示す通りアルバムを通して幻想的な音像となっていて、聴いているうちにまるでタルコフスキーの映画「ノスタルジア」に出てくるような靄がかった情景が浮かんでくるほど。


mabanua『Blurred』


またこのアルバムでは自身初の日本語詩に挑戦しており、それも手伝ってアルバム全体のイメージがより掴みやすくなっている。特にASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文が作詞を担当した「Heartbreak at Dawn」はアルバムの世界観を如実に表した楽曲だ。人生にふと訪れる哀愁の瞬間を描いた詩の内容に思わず胸を打たれてしまう。今年1番のアルバムといっても過言ではないだろう。


mabanua「Heartbreak at Dawn」


2018年ベスト・リリース 1: Makaya McCraven『Universal Beings』


ビート・メイクをもこなすジャズ・ドラマーで、"ビート・サイエンティスト"の異名を持つMakaya McCraven(マカヤ・マクレイヴン)が今年リリースした『Universal Beings』はスピリチュアル・ジャズの新境地に踏み込んだ意欲作だ。



Makaya McCraven『Universal Beings』


多彩かつドラマチックに展開される彼のドラム・ビートと、それに合わせ繰り広げられる荘厳ささえ感じるセッションは、聴いているうちに思わず精神世界に没入してしまうほどの聴き心地。さらにそんなメロディの上から、ビート・メイカーとしての実力も垣間見えるハイセンスなエディットが施されていることで、単にジャズという枠だけに収まらない未開拓の音楽になっている。まさに新世代の幕開けともいえる作品だ。


Makaya McCraven Studio Sessions Live Set / Red Bull Music Festival


そんな彼の実力が最も伝わるのはやはりライブだろう。彼の卓越したドラム演奏力とオリジナリティーあふれる即興性は完全無欠ささえ感じさせるほどだ。今年ブルーノート東京にて、初の単独来日公演を敢行し見事に成功させた彼。今作を引っさげての来日公演にも今後期待したいところだ。


2018年ベスト・リリース 2:Notology aka Aru-2『A H O』


KID FRESINO、Olive Oilなど、日本のアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンを牽引するアーティストらとのコラボレーションで注目を浴びているビート・メイカー、Aru-2。彼が別名義・Notologyとしてリリースしたボーカルアルバム『A H O』が最高にドープだ。


Notology aka Aru-2『A H O』


ヒップホップ・シーンにいながら、自身が実際に感じたことや体験したことを日本語詩で表現したい、との想いから完成した今作は詩といえるような言葉が収録されているわけではない。ただ、叙情的に繰り返されるマンブルな音がなぜだかナイトクラブでの喧騒や愉悦を想像させてくれる。


Notology aka Aru-2「Ka Ta Ku Na」


もちろん、こだわり抜かれたビートも上質でドリーミーな仕上がりだ。ヴォコーダーやシンセサイザーを駆使してカラフルに彩られたメロディは聴くだけでオーガズムに達するほどの快楽を与えてくれる。歯を磨く音や咀嚼音といった生活音でさえも音楽に昇華しているのも、アルバムを通してのポイントのひとつだろう。


2018年ベスト・リリース 3:Anchorsong『Cohesion』


先日、FACTmagazineの恒例映像企画「Against The Clock」にも登場し、話題を集めた日本人プロデューサーAnchorsong。


参考記事:海外で活動中の日本人プロデューサー、Anchorsongが10分で曲作りに挑戦する動画が公開


ロンドンを拠点に活動する彼のニューアルバム『Cohesion』は東洋と西洋の音楽とが絶妙に混ざり合った極上のダンス・ミュージックとなっている。


Anchorsong『Cohesion』


70〜80年代のボリウッド映画のサウンドトラックからインスピレーションを受けたというサウンドは、オリエンタルかつサイケデリックでなんだか神秘的。インドの民族打楽器であるタブラやドーラクをパーカッションに採用したことで、そんな摩訶不思議さを演出している。前作にも増してダンサブルで、没入感もあるトラックが満載のアルバムだ。



Anchorsong「Testimony」


アルバム収録曲「Testimony」のMVもそんな特徴をふんだんに盛り込んだ内容になっている。インドの踊り子たちが民族的なダンスを披露する周りで、極彩色に展開されていく映像を見ていると、次第にナチュラルハイな感覚に。まとわりつくような独特なリズム感に病みつきになってしまうこと請け合いだ。




written by Kenji Takeda



2018年ベスト・アーティスト:CRZKNY



今年はガバを経由したジューク、ジュークを経由したガバ的デジタルアルバム『GVVV』なる狂気的な破壊力を持つ作品を始め、サニーディ・サービスの公式ブートレグで、のちに転売ヤーとの壮絶な争いも展開することになった「Fuck You音頭」ヴァイナル、食品まつりがホストするNTS番組でのゲスト音源の馬力違いの地獄世界を見せつけたことなど2018年は、個人的なハイライトを数えるときりがないCRZKNY。


そんな中でもあえてベストを挙げるとすれば、それは5月に行なった代官山Unitでのライヴは圧巻さ極まるパフォーマンスにほかならない。クレイジーなほどに鳴り響き、蠢く低音はまさに狂気。地獄絵図のような低音の魔界は現在、YouTubeで公開されているフルライヴ動画で確認可能だ。ヘッドフォンで聴く場合はよく心臓を叩いてから聴くように!



 2018年ベスト・リリース 1: Shinichi Atobe『Heat』 



2000年代の伝説的なダブテクノアーティストであり、ここ数年はほぼ1年に1度のペースで音源リリースを行なっている”ダブテクノ界のツチノコ”的存在Shinichi Atobe。


昨年、東京KGRNに実在の人物として姿を現したことが界隈で話題になった謎のプロデューサーだが、今年は近年リリースを行うDemdike Stare主宰レーベル「DDS」から突如アルバム『Heat』をリリース。


「20年前に作られたかもしれないし、今年に入ってから作られたかもしれない」と言われる同作ではこれまでの作品に比べフロア向けのダブテクノ/ディープミニマルハウス系トラックが多くなった印象を受けた。Shinichi Atobeらしい美しいダブテクノ「Heat 2」、レフトフィールドミニマルな「Heat 3」、ソリッドな構成ながらもドリーミーな「So Good, So Right 2」の3曲が特にオススメ。



2018年ベスト・リリース 2: Metome『Dialect』  




大阪在住の天才トラックメイカーMetomeが約4年ぶりにリリースした3rdアルバム。Metome印といえるカットアップされたヴォーカルサンプルとジャジーなヴァイヴスの組み合わせは今作でも踏襲しつつも、よりムーディーかつ妖艶になったという印象を受ける本作。


前作までのファンを魅了するカットアップソウル「Passage」、「Sathima」から、今年話題になったOneohtrix Point Never、Yves TumorらWarp周辺の前衛電子音楽家の新作にも通じる「Testament」、「Myrtle Family」など、アルバムらしく音楽表現の幅も広い。改めて「Metomeってやっぱりスゲー」と再認識させられる秀逸すぎる1枚。 



2018年ベスト・リリース 3: 田島ハルコ『聖聖聖聖』


  


個人的に今年1番の問題作だと感じるほど強烈な印象を受けた”ニューウェーヴ・ギャル”田島ハルコによる『聖聖聖聖』。ネット音楽シーンが生み出したミュータントと言いたくなるほどのクセの強さも1周回って新鮮。


Vaporwave以降のネット音楽カルチャーをビジュアル面でも踏襲しつつも、謎に歌謡曲を思わせるヴォーカルの節回し、ダンスホール、トラップ、レゲトンなどジャンルを行き来するトラックの打ち込みスキルの高さなど良い意味で色々とツッコミたくなる部分多数。


特に一時期渋谷の街頭ビジョンでも放送されていた「奇跡コントローラー」は、最近の海外新鋭ネットコレクティヴまわりの音楽性にギリギリ擦りつつも、独特の怪しげなアジアンサウンドを搭載したレゲトンになっているなど、とにかく”インターネットの魔窟”から飛び出して来た感がすごい。”脳内麻薬”などという言葉が軽く感じるほど脳みそを刺激する劇薬的作品だ。2018年最大のジョーカー、田島ハルコはアジアの新しいポップスターとなるのか? 2019年の動向を注意深く見守りたい。



written by Jun Fukunaga



2018年、ゆっくりと腰を据えてアルバム単位で楽曲を聴くよりも、EPやMixTapeをコンパクトに聴くことが多かったように思う。サブスクメインで利用するようになってから、音楽の聴き方が自分でも知らず知らずのうちに変化していってるなあ。


2018年ベストアーティスト:Yung Pinch



photo:Yung Pinch Instagram


“ビーチボーイ”のニックネームでその知名度を広げるカリフォルニア州・ハンティントンビーチ出身の21歳のラッパーは既存のヒップホップのステレオイメージに当てはまらない。


海外ドラマ「OC」の舞台となったオレンジカウンティ郡にあるハンティントン・ビーチはパンクバンド、THE OFF SPRING(オフスプリング)が生まれた街であり、“サーフシティ”として美しいビーチと共生している。そこでPinchはポップパンクとヒップホップを聴いて育った。


8月から10月上旬にかけて、#4EVERFRIDAYと題し、毎週新曲をドロップし続けた。シリーズはシーズン2と題した現在までに21曲にのぼる。11月には7曲入りの『Lost At Sea』Mix Tapeもリリース。




 YG(ワイジー)、Dillon Francis(ディロン・フランシス)、Post Malone(ポスト・マローン)、G-Eazy(ジー・イージー)とツアーや楽曲で共演し、スター街道を歩んでいる。


歌うようにラップする声とトラックのバランスが絶妙で、チルな世界観は海辺でのんびり寝そべっていたくなる。海の香りがするラッパーって言われてみれば確かに珍しい。




なにより、現在のヒップホップ・シーンの悪しきトレンドとなっているドラッグアビューザー特有の表現は登場しない。「俺はマリファナとヘネシーはやるけど、暴力や薬物依存を支持していないから、そういう歌詞を書いてもリアルじゃないだろ? 」本人はBillboardのインタビューでそう言い放っている。21歳にして先入観やイメージにとらわれない自由な振る舞いが最高にヒップだ。




2018下半期ベストアルバム 1: MUSE『Simulation Theory』



image :Warner Music Japan MUSE


アンダーグラウンドというよりはゴリゴリのベテラン、大御所である。99年にデビューしグラミー受賞歴もあるUKの3ピースバンドはいまだに進化を続け、今年11月に8枚目のアルバム『Simulation Theory』をリリース。


通常盤のジャケイラストはNetflixの人気ドラマ『ストレンジャー・シングス』のポスターアートワークを手がけるKyle Lambert(カイル・ランバート)が手がけた。インパクト抜群なジャケからヤバい匂いがプンプンするでしょ? 


 

レトロ・フューチャーなサウンドを軸にしたアルバムにはMUSEとともにさまざまなアーティストがコー・プロデューサーとして参加しており、「Propaganda」では2000年代ヒップホップミュージックのアイドル的プロデューサーとして、多数のポップアーティストにも愛されたTIMBALAND(ティンバランド)の変態ビートが炸裂。サイファイなバンドサウンドといい具合にマッチングしていて、TIMBALANDの姿を思い浮かべてニヤニヤしてしまった。 

通常盤、デラックス盤、スーパーデラックス盤の3形態同時リリースという男気あふれる展開もマニア心をくすぐる。ところで“スーパーデラックス“って響きは『星のカービィ』とか『マリオ』とかNintendo感あっていいよな。





 2018年下半期ベスト・リリース 2: KyotoBlack&Delaney Kai『Sounds EP』



photo:Spotify


KyotoBlack(キョウトブラック)とDelaney Kai(ディレイニー・カイ)はともにカナダ、バンクーバー出身のアーティストでKyotoBlackはビートメイカー、Delaney Kaiはシンガーソングライターとして活動を行っている。たびたびコラボレーション作品を発表しておりInstagram見たら親しい関係みたい。最高じゃんそういうの。



名前の幕末感とは裏腹に、Cashemere Cat(カシミアキャット)を彷彿とさせるKyotoBlackのチルベーストラックが心地良く、Kawaii Bassの影響も大いにありそうなフューチャーポップサウンド味わえる『Sounds EP』。なによりDalaneyの透明感のある“Kawaii”ボーカルを引き立たせる作りになっているように感じられる。愛だね。


Krewella(クルウェラ)、NERVO(ナーヴォ)EDMスターを輩出し、韓国のAiobahn(アイオバーン)、MODESTEP(モードステップ)ら、気鋭のアーティストと契約するバンクーバーの名門EDMレコードレーベルmonstercat(モンスターキャット)のJustin OH(ジャスティン・オー)もDelaneyのボーカルを使用し楽曲をリリースしており、制作したボーカルパートのみをSoundCloudにアップするほど気に入っている様子。




2019年、Kawaiiボーカルの黒船としてKyotoBlackとともにブレイクしてほしいし、2019年はDelaneyがフィーチャーされたEDMトラックを多く耳にすることになったら嬉しい。



 2018年下半期ベスト・リリース 3: SKOLOR『WTMM(Welcome To My Mansion)EP』


photo:Spotify

韓国と日本を拠点に活動するバイリンガルラッパーSKOLOR(スカラー)の楽曲は下半期だけでなく2018年を通してよく聴いていたように思う。


韓国のEDPDというクルーとともにインディペンデント活動し、SNSを通じてJinmenusagi(ジメサギ)、Lui Hua(ルイフア)、ACE COOL(エースクール)やTYOSiN/Kid Nathan (キッド・ネイサン)ら、日本のヒップホップシーンを盛り上げるタレントたちと密接に繋がっている。


12月にリリースされたばかりの『WTMM』EPは“自分の家に友達が遊びに来た”というコンセプトのもとSKOLORと交流のある日韓のアーティストを迎えた作品だ。リードトラック「Important」はSKOLORが日本のラップに興味を持ちはじめたころから注目していた存在だったというMonyHorse(モニー・ホース)をフィーチャー。大阪のJINDOGG(ジンドッグ)率いるHibrid Entertainment(ハイブリッド・エンターテイメント)との交流からつながり、念願の共演を果たしている。




そのほか、韓国のシーンで注目を集めているというKorKash(コーキャッシュ)、Bla$eKid(ブレイズキッド)、PUBGでのゲーム仲間でもある山梨のYUNGYU(ヤングユウ)、Raq aka reezy(ラック)、ビートメイカーにK BoW(ケー・ボウ)やJvucki Wai(チェキワイ)とも楽曲制作をするFuturistic Swaver(フューチャリスティックスウェーバー)が参加。自身が交流する友達と、思い出や経験をコンパイルした等身大のEPとなっている。




2018年下半期は個人的にEPを中心に良作が多かったので、ベストアーティストはアルバムを切っていない新しいリリーススタイルのアーティストを選出し、ベストアルバム3枚のうち2枚はEPからのセレクトとした。


written by Tomohisa“Tomy”Mochizuki




2018年ベスト・アーティスト:Kaidi Tatham


200年代に巻き起こったUKブロークンビーツシーンの立役者。Dego、4Heroとの活動でも有名な、Bugz In The Atticの中心メンバーである天才キーボード奏者Kaidi Tathamをベストアーティストの1人に選びました。


今年は自身初のソロアルバム「It's A World Before You」のリリースから数々のコラボやリミックスまで、ほぼ毎月リリースが絶えなかった彼の制作スピードとその楽曲のクオリティには脱帽です。UKサウスイーストロンドンから始まった世界的なジャズシーンの隆起と90年代~2000年代のハウスシーンの復興も合間ってフュージョン感のあるサウンドが復活した印象。その象徴がKaidiだったんじゃないかなと思います。


2018年ベスト・リリース 1:Kaidi Tatham『It's A World Before You』





UKマンチェスターのレーベル「First Word Records」からリリースした自身初のソロアルバム。あれだけ作品を量産しててなんでいままで出なかったんだろうと思うくらい。朋友DegoやレーベルメイトのChildren Of Zeusとのコラボレーションも光る。2曲目の「Your Dreams Don't Mean A Thing」を初めて聴いた時はブッ飛びました。10年後に聴いても絶対いいと思える本当のマスターピース。


2018年ベスト・リリース 2: Anchorsong『Cohesion』





UK在住の日本人アーティストAnchorsongが送り出す3枚目のアルバム。前作「Ceremonial」からの流れを捉えつつもシタールなどのインド音楽にもインスパイアを受けそれを独自の解釈で昇華した内容が光る。BPMも115~123までの幅で展開されていて、DJユースでも使える作品でした。来年1月は待望の凱旋ツアーもあり(東京はオーケストラバンドセット)もっと日本で取り上げられるべきアーティストだなーと素直に思える素晴らしい作品。


2018年ベスト・リリース 3: Waajeed『From the Dirt』





かつてJ Dilla率いるヒップホップ・グループSlum VillageやPlatinum Pied Pipersなどで馴らしたデトロイト出身のベテランだが、ここに来てハウススタイルに方向展開。


自身のレーベル「Dirt Tech Reck」から突然EPをリリースした2017年からもの凄い勢いで駆け上がった印象。アルバム「From the Dirt」はDerrick May、Kevin Saundersonなどの先人から続く「デトロイト」の系譜が、2018年新しい音楽で蘇る。まさに18年代の新章デトオタ入門編。


written by Midori Aoyama




edited by block.fmニュース編集部

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