シカゴ発、異形のポップ・ラップ・デュオ 100 gecsがアルバムをリリース

エモ・トラップ、EDM、フューチャーベースのパロディのようなジョークめいた強烈に個性的なスタイルがインパクト大。シカゴ在住のDylan BradyとLaula Lesによるラップ・デュオ100 gecsがアルバム『1000 gecs』をリリース。
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2019.06.10 09:00

フューチャーベース化したLil Yachty?エモ・トラップに感化されたCrystal Castles?野生のPC Music?何とも形容し難い、強烈にフレッシュなヒップホップが登場した。




強烈すぎるサウンドで「ポップ」を引き裂く。100 gecsがアルバム『1000 gecs』をリリース


アメリカはシカゴ・セントルイス在住のラップ・デュオ 100 gecsのフル・アルバム『1000 gecs』が一部の音楽マニアの間で注目されている。ピッチシフト+オートチューンで変調したラップに骨組みだけのフューチューベース~トラップ・サウンド、書き割りのように唐突に挿入されるEDMやグランジ・ロック、キャンディ・ポップのパロディ……。フックのメロディはCharli XCXなどを思わせる痛快なポップ・センスだが、あきらかに「乗せる皿を間違ってる」ミスマッチング。



100 gecsはセントルイスのクルーHELLAに属するDylan BradyとLaula Les(以前はosno1と名乗っていた)による二人組で、2016年にミックステープ「100 gecs」を公開。その後もSoundCloudやYouTubeで楽曲をマイペースに配信。とりわけトラック担当のDylan Bradyは昨年からはMad Decentでのリリースや、韓国のラッパーjosh panやjojiとの共演など、その活動の幅を大きく広げている。







筆者が100 gecsを初めて知ったのは2017年で、TRASH 新 ドラゴンなどのアンダーグラウンドなトラップ・ラッパーのビデオを検索する内に、たまたま辿り着いたのが彼らが2016年にリリースした「Bloodstains」だった(アンオフィシャルのAMV=適当な日本のアニメ映像とともにYouTubeに転載された音声動画)。隙間の多いトラックとまくしたてるようなラップ、そしてアウトロのノイズに大きな衝撃を受けつつ、その後の活動については追っていなかった。作風からして、コンスタントな活動ではないものと勝手に思っていたら……。




満を持してリリースされた『1000 gecs』は10曲入りのコンパクトな内容ながら、初期の作風と比べると更に拡張的に、更に確信的に「ポップ」の領域を痛快に引き裂くサウンドになっている。「745 sticky」のPC Music風~ベース/EDMの二転三転する展開はベッドルームからスタジアム直通(ただし全部VR)のカタルシス。今後の活躍に期待大である。



written by Kotetsu(STUDIO MAV/ピクニックディスコ)


image source:https://www.youtube.com/watch?v=1MyCfLnf5Hs



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