新たな歴史への1ページ、サウジアラビア人女性が風を切る!! サウジアラビア初の女性F1レーサー誕生!!

サウジアラビア初の女性F1レーサーが誕生。サウジアラビアではなぜ女性が運転することができなかったのか
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2018.07.29 09:33

それはサウジアラビアの女性にとって素晴らしい出来事だった



待てば甘露の日和あり。本当に長い時間だっただろう。サウジアラビアの女性にとって、歴史的な快挙だと言える出来事が起きた。2018年6月24日、サウジアラビアの女性が車の免許を取ることが許可されたのである。免許一つで大袈裟だと笑う人がいるとは思えないが、一応説明せねばならないだろう。


サウジアラビアではなぜ女性が運転することができなかったのか


サウジアラビアは、女性の人権が低いとよくいわれている。それはなぜかというと、宗教が深く関わっている為である。サウジアラビアはイスラム教の中でもとても厳しい規則を用いているシャリーアを国法としている。男性がしても平気だが、女性では死刑になるということもあるくらいで、免許についてもそういった厳格なルールで決められていたのだ。サウジアラビアの女性は、必ず出かける際にアバヤという民族衣装を着ているのはご存知だろうか。これも法で定められている。姿を隠すその様は、さながら忍者のようで日本人にとっては親近感が湧いてしまう。しかし彼女たちは当たり前だが、忍者ではないのだ。宗教のことはあまり熱弁する訳にもいかないから、話を戻そう。


 さて、免許が取れなかった理由については述べた通り、宗教的問題だ。ただ、今まで運転した女性は本当にいなかったのかといわれると、実はそうではない。国でできないなら、国を出ればいい。そう考えた女性たちが国外で免許をとり、運転する様子を動画サイトにアップしたことがあった。その行動力には脱帽だが、もちろん彼女たちは罰せられてしまった。サウジアラビア中が真っ白になってしまうのではないかと思われたこの事件も、もしかしたら今回の出来事への原動力の一つだったのかもしれない。


もう一つの歴史が動いていた



緊迫するレースに、誰もが手に汗握る。タイヤの叫ぶような音、熱狂する観客…。Formula One(フォーミュラ1)についてのイメージは、こんなところだろう。正式名称だと馴染みが薄いだろうから、わかりやすくF1と言おう。世界的に見ても男性が多いモータースポーツであるから、まさかとは思うだろうが、そのまさかが起こったのだ。免許が許可されたその日、サウジアラビア人女性のアル・ハマドが、F1での初ドライブを成し遂げた。ハンドルを握るその日までに、彼女はドライブに向けてのトレーニングをしていたという。もともとサウジアラビアではF1そのものにあまり関心がなかったようだ。これは、サウジアラビアでのモータースポーツの歴史が浅いということも関係している。それでも彼女は挑戦を続けたのだ。その勇気には、同じサウジアラビア人女性たちも心を動かされただろう。


 運転免許を取得して、自分の国で運転ができる。多くの国では当たり前、普通のことだが、サウジアラビアでは曇天が晴れるような出来事なのだろう。法改正が進み始めているサウジアラビアでは、まだまだ女性に対する評価が決して高いとは言えない。だが確実に何かが変わっている。何かが動き始めている。新しい時代を切り開いたのは、F1のエンジンサウンドだと言えるだろう。


これからも歴史にタイヤ痕を



宗教面から男性優位なルールで回っているサウジアラビア。女性たちはもっとやりたいこと、叶えたいことがきっとあるはずだ。少しずつ女性が暮らしやすいようになってはいるが、微々たるものだ。運転解禁も、リアライズするまでに一体どれだけ努力し、非難を受けたのか。この国の沿革に大きな影響を与えた今回の出来事に、期待する女性の声も高まる。これから先、長くはなるだろう。まだ女性たちの乗ったレースカーは、スタートしたばかりだ。


 F1は肉体的にもとても過酷だと言われる。かかる重力は並大抵ではないし、危険とも常に隣り合わせである。しかし、レーサーたちはそこに魅了されてサーキットを走るのだ。熱き勝負の世界に、男も女も関係ない。情熱を持ってこれからも、歴史というサーキットにタイヤ痕を残していってほしい。


Photo: https://jp.motorsport.com/


Written by 編集部

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