向井太一、自分を見つめ直したアルバム『SAVAGE』を語る

向井太一が最新アルバム『SAVAGE』について☆Taku TakahashiとTJOと共にトーク。
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2019.10.14 10:00

毎週金曜日夜9時、block.fmで配信中の番組「TCY Radio」。10月4日の放送ではスペシャルゲストの向井太一さんが☆Taku Takahashi、TJOとサードアルバム『SAVAGE』について話していました。


毎週☆Taku TakahashiとTJOの音楽トークが聴ける番組は、こちらをチェック。

▶︎TCY Radio

配信中:毎週金曜日  21:00 - 22:30



TJO:さあ、ここからはIn Focusのコーナー。今夜は、アルバム『SAVAGE』をリリースしたばかりの向井太一さんにお越しいただいております。よろしくお願いします。




向井太一:お願いします。向井太一です。


☆Taku Takahashi:イエーイ! 今日はありがとうございます。


向井太一:こちらこそ、ありがとうございます。


☆Taku Takahashi:素晴らしいアルバム!


向井太一:ありがとうございます(笑)。


☆Taku Takahashi:特にあの、ちゃんと発音できない「ICBU」。あれ、なんて言えばいいんですか?


向井太一:もう「アイシービーユー」で(笑)。完璧でございます。


☆Taku Takahashi:「イクブー」って言う人、いませんか?


向井太一:よく聞かれますね。「なんて読むんですか?」って。あれは、starRoさんと一緒に作った曲で。完全に語感で「『ICBU』ってキャッチーでいいじゃん」みたいな感じで。


TJO:サビの歌詞から頭文字だけ取って……っていうことですよね?


向井太一:はい。「It Could Be U」っていう。


TJO:向井さんのプロフィールを簡単に紹介しましょう。幼少期より家族の影響でブラックミュージックを聴き育つ。ジャズとファンクをベースとしたバンドにボーカルとして加入し、東京都内を中心としたライブ活動を経て、2013年からソロ活動スタート。2019年、ビルボードでのワンマンや台湾、中国3都市、韓国を回るアジアツアーを完走。7月には自身の主催ライブ『BDP TOUR 2019』を開催。ハイブリッドなアーティストとしてさらなるステータスを目指すため、アグレッシブに活躍中。ということでつい先日、9月18日にサードアルバムとなる『SAVAGE』をリリースしたばかりという。


☆Taku Takahashi:今回のアルバムはすごく、よりトーンっていうかカラーが統一された感じを受けたんですけど。自分自身ではそういったところは意識したりとか、気づいたりするところってありました?


向井太一:はい。前作まではどちらかというとずっとリリースは関係なく、制作をしていて。最後にまとまったものをコンセプトとして出してたんですけど。今回は最初にアルバムコンセプトを決めてから制作を始めていて。


☆Taku Takahashi:お題があったと。


向井太一:そうです。だからたぶん全体的にそういった意味で統一感が生まれたのかなって思います。


☆Taku Takahashi:そのお題って聞いてもいいですか?


向井太一:はい。『SAVAGE』っていうタイトルは最初からできていて。


☆Taku Takahashi:そもそも『SAVAGE』ってどういう意味なんですか?


向井太一:「獰猛な、未開な」とか。英語の意味では。あとはスラング的には「かっこいい、イケてる」という意味もあったんですけども。僕、サードアルバムを作るって決定してから、いま何を歌いたいか?って考えた時に全然思いつかなくて。というのも、3作目で自分がアーティストとしてちょっと俯瞰して見れるようになって。自分がいま、何ができてるんだろうとか、この先は何ができるんだろうって考えた時に、自信がなくなったというか。


自分自身のアーティストとしてのアイデンティティって何だろう?って見失った時期があって。そういうこともあり、自分の中のある意味ネガティブな感情も作品にしたいっていうのがまずひとつのテーマとして。で、「未開な」っていう新しい自分のまっさらな状態を見せたいっていうので、『SAVAGE』っていうタイトルが最初に決まりました。


☆Taku Takahashi:そのタイトルと裏腹に、上がる、高揚感、アッパーっていうのはあんまり今回はないんですけども。それこそ気持ちいい曲がいっぱい詰まった感じ。『SAVAGE』っていうよりかは、気持ちよさ、心地よさが音からはすごく伝わってきてるんですけど。そこは自分的にどういう風に感じています?


向井太一:今回はサウンド面とリリックの面で両極端なものを作りたくて。だからどちらかと言うとコンセプト的には歌詞の部分で自分のじめっとした部分を入れてたんですけど、サウンド面は前作に比べてグッとクラブミュージックの要素を増やしたりとか。歌詞と全然リンクしていない部分みたいなのを作りたくて。だからそういう意味ではいろんな角度から聴けるアルバムになったかなと思います。サウンド面で聴くと気持ちよく揺れたりとか踊れる曲でもあるけど、リリックの中では人間らしいものだったりとか、その聴いてる人の状況とか気持ちによって聴こえ方が変わるような、長く愛されるようなアルバムにしたいっていうのがひとつ、ありましたね。


☆Taku Takahashi:じゃあ、アルバムから1曲聞いてもらいましょうか。なんかムカタイさんに……フフフ(笑)。


TJO:それ、先週から気になってた。「ムカタイさん」って呼ばれるんですか?


向井太一:そうなんですよ。実は中学校の時のあだ名で。それからファンの方の間とかで呼ばれるようになって。


TJO:じゃあ、間違いじゃないですね。


向井太一:キムタクルールですね(笑)。


☆Taku Takahashi:本当に1文字・1文字切っているだけなんですけどね。


向井太一:じゃあ、1曲目はさっき言ったstarRoさんとの曲を。それでは聞いてください。「ICBU」。


向井太一「ICBU」


TJO:はい。聞いてもらったのはサードアルバム『SAVAGE』からstarRoさんプロデュースですね。「ICBU」。さっきの話を踏まえて聞きたかったことがあって。それを狙ってか狙っていないかわからないんですけど、今回のアルバムのジャケットと写真。前作って写真も割とカラフルっていうか。それに対して今回はモノトーンじゃないですか。それはやっぱりその世界観と合わせて、こういうジャケ写にしようっていう風に?


向井太一:僕、アートワークとかも自分でディレクションをやっているんですけども。実はあんまり考えていなくて。今回はコラージュっていう…。いままではポートレートをシンプルに載せたジャケットが多くて。今回はちょっとアート性を持たせたかったりとか。自分の中で音楽的にもビジュアル的にもちょっと新しいことをしたいっていう気持ちが結構強かったですね。でも、アルバムのコンセプトができる前に、そういうことやりたいっていうのはもともと頭にあって。だから別々に考えてた感じです。


TJO:そうなんですね。でもすごいトーンが合っているっていうか。


☆Taku Takahashi:俺、前回のアルバムの時にインタビューした時も「ジャケット、そこまで考えてないんですよね」って言われたような気がする…。


TJO:ああ、ここでのインタビューの時?


☆Taku Takahashi:どこで聞いたかは…「でも、すごい世界観と合ってますよね」っていう。同じ話にまた…。


TJO:ということは、無意識のうちにっていう感じなのかな?


向井太一:たぶんリンクしている部分はどこかしらあるかもしれないですね(笑)。


☆Taku Takahashi:あと、インスタで顔から何かが出てくるシリーズっていうのをストーリーで上げてましたけども。あれは?


向井太一:今回、オリジナルのストーリーズのフィルターを作ったんですよ。いままで日本ではあんまりローンチされてなくて、今回初めて日本でもリリースされて。それで、リリースのタイミングでアルバムジャケットを思わせるような、顔が割れて糸が出てくるみたいなものを作ったんですけど。まあ、結構グロいらしくて(笑)。あんまり広まっていないっていう。


☆Taku Takahashi:あれね、まあグロいんだけど…(笑)、すごく面白いと思っていて。どうやったらあれ、できるんですか?


向井太一:デザイナーさんが、たぶん日本で1人だけ、いらっしゃるんですよ。そういうデザインをする人が。その人とコンタクトを取って今回作っていただいて。僕のInstagramのプロフィールから使えます。



☆Taku Takahashi:プロフィールに行って、何をすればいいんですか?


向井太一:フィルターの顔マークみたいなのがプロフィールにあるんですよ。


☆Taku Takahashi:じゃあ、ちょっと向井くんのインスタ、見てみようか。


向井太一:ぜひぜひ。


☆Taku Takahashi:いま入った。


向井太一:僕のプロフィールでフィード投稿、IGTVの横に顔キラキラみたいなマークがありますか? あ、こちらです。


TJO:ああ、これだ。


☆Taku Takahashi:あるある!


向井太一:そこで僕がフィルターを実際に使っている動画があるんですよ。それで「試す」っていうボタンを押すと。


☆Taku Takahashi:あ、ハマるんだね。すごい、これ!


TJO:ああ、これ、アップしよう!


向井太一:ぜひぜひ。


TJO:なった?


☆Taku Takahashi:なってる。俺、いま……うわっ!


向井太一:動画にも対応してるんで。写真とかもなるんですよ。


☆Taku Takahashi:後付けもいけるの?


向井太一:実際にその場で撮ると大丈夫です。


☆Taku Takahashi:ああ、そのカメラで写真を撮って認識してくれるっていうことね。


TJO:これ、面白いですよね。


☆Taku Takahashi:これは試さないともったいないよね。


向井太一:ぜひぜひ!


☆Taku Takahashi:糸が出ているんですよね。これはメッセージ的なものはあったんですか? 自分は糸でできているみたいな…?


向井太一:全然ないです(笑)。ごめんなさい。かっこいいこと言えないんですけども。さっきも言ったように、完全に僕は別々で考えていて。今回、コラージュのアーティストにお願いしたんですけど。そのデザイナーさんが実際にその写真を切り貼りして、それをコラージュして、もう1回その上から写真を撮るみたいな方で。だから糸もまた別の素材が入っていたりとか。そのアーティストさんの感性みたいなものが作品にも入っていて。だから実際に僕が「糸を使いたい」みたいなのはなかったんですよ。


☆Taku Takahashi:考えていたというより、「これ、気持ちいいかもしれない。これをやったら面白いかもしれない」っていう感じで出来上がっていったっていう?


向井太一:そうですね。アートワーク的にはそういうものが強かったです。


☆Taku Takahashi:逆に曲は考える方ですか?


向井太一:「どういう曲を作りたいか」ですか?


☆Taku Takahashi:そう。その歌詞の方向性とか。今回、いろいろと自分のアイデンティティ、自分が何を作りたいのかとか。さっきね、「葛藤があった」っていう風に言ってましたけど。言わば負のパワー的なところを今回使ってる的なことを言ってましたが。曲を作る時ってたとえば、トラックが来た時に「うーん……」って考えるのか、印象を受けてアイデアが浮かぶのか。たとえば「ICBU」は気持ちよさを追求したっていう風に言っていたけど、他の曲はどんな感じでした?


向井太一:サウンド面で最初にどういうものを作りたいかは、歌詞とは別にあって。


☆Taku Takahashi:お題を出して。


向井太一:そうです。歌詞に関しては本当にそれ以外、歌えなかったっていう気持ちが強くて。


☆Taku Takahashi:えっ、どういうこと?


向井太一:あの、言ってみればちょっと病んでたんですよね(笑)。病んでいて、人のライブに行くのもつらかったし、自分の音楽を作るのもつらかったし。本当に自分に自信がなくて。アルバムを通して聞いて下さった方は分かると思うんですけども、すごく自分のパーソナルな部分が強くて。本当に昨日まで自信のあったものが今、全部なくなって。でもその中でもやっていかなきゃいけないことの葛藤だったりとか。その時その時の自分自身の気持ちを書くしかないというか、自分がこの先アーティストとして生きるためにいま、これを作品にしなきゃいけないというか。それ以外はできなかったみたいなのが…。


☆Taku Takahashi:じゃあ、結構しんどかったんですか?


向井太一:ちょっと落ち込んでましたね。やっぱり。セカンドアルバムまでは……まあ、いまもそうなんですけど、結構スピード感があってずっと制作をしていて。ライブもツアーも何回もやって。そのスピード感に必死についていくっていう感じだったんですけど。サードアルバムになった時、急に自分のポジションだったりとか、自分がアーティストとして何が違うんだろうとか。で、結構いままで僕、いろんなことに対して割と器用な方で。もしかしたら音楽もちょっと器用なだけで、才能が本当にあるんだろうかとか。そういう自分自身を見つめ直す時間がめちゃくちゃ長くて。悩んでましたね。


☆Taku Takahashi:それでも曲を作るっていう風に…そのエネルギー、すごいですよね。そうやって曲を作るっていう気持ちになるって。


向井太一:自分の中で一回どん底まで落ちて、「作品を作るしかない」って考えた時に、やっと音楽っていう芸術作品に自分の気持ちとか、こういうマイナスな気持ちを乗っけるようになったっていう。それを聴いて受け入れてもらえれば、また自分自身のそういうマイナスな部分だったりとかネガティブな部分も、ちょっと好きになれるんじゃないかなっていう。


TJO:なるほどね。


☆Taku Takahashi:なんか勝手に、向井さんっていうと楽しいツイートしてるイメージというか。周りの人が「写真アプリを教えてもらった」って。YonYonが…。


向井太一:ああ、ヨンちゃんがね。盛れるアプリを(笑)。


☆Taku Takahashi:フフフ。とか、そういうところばっかり見てて。あと、会ってる時もいつもすごくポジティブな感じがするけど。そういう葛藤があったっていうのは意外なんですけど。たしか、あれは僕、酔っぱらって朝くらいに「ラブソングは誰でも書けるけど、泣けるラブソングはメンヘラにしか書けない」みたいなことを書いた時、反応してる人が何人かいたと思うんですけど。まさに向井さん、その状況…(笑)。


向井太一:メンヘラ代表(笑)。そうですね。でも、メンヘラだと思います。本当に。かまってちゃんだし(笑)。


☆Taku Takahashi:でもね、向井さんもそうかもしれないけど、TAARくんともそういう話をしましたし。


向井太一:メンヘラ代表ですね!


☆Taku Takahashi:ですよね。彼もそうですよね(笑)。


TJO:アハハハハハハハッ!


向井太一:いや、まさに(笑)。


☆Taku Takahashi:あと、SIRUPくんと話してもその話で盛り上がったし。


向井太一:いや、周りみんなメンヘラですね(笑)。


☆Taku Takahashi:メンヘラ男子だらけみたいな(笑)。


向井太一:でも、人間の弱い部分みたいなの、やっぱりある方がその分、愛おしくなるし。自分自身もちょっと気持ちよくなれる部分、ありますよね。


☆Taku Takahashi:そこになんかね、やっぱリアリティもあるし。うん。思いますね。


TJO:はい。ありがとうございます。すごい話まで飛んでいったなって思うんですけども。でも『SAVAGE』、これでまた聞いたら聞き方が変わりそうな感じがしますね。


☆Taku Takahashi:本当にね、すごく素晴らしい作品が出来上がったし。でもその中ですごくいろんな葛藤があったりとか。まあ、自分との和解なのかもしれないし。ひょっとしたら。すごいいいアルバムなんですけども。じゃあ、ちょっと曲を。


向井太一:じゃあ、僕の中で結構本当にいちばんしんどかった時に書いた……「最後は勝つ」という曲を聞いてください。



向井太一「最後は勝つ」



☆Taku Takahashi:聞いてもらっているのは向井太一で『最後は勝つ』。いやー、なんかね、こういう話を聞かせてもらうと、作る人たちって華やかな部分が見えたりとか。たとえばアー写を撮っている時とかもきれいに見せるし。しゃべってる時も元気なところを見せるし。でも、地味なところもいっぱいあったりとか。


向井太一:フフフ(笑)。


☆Taku Takahashi:みんなが想像しているようなこととぜんぜん違うようなことがいっぱいあったり。あと、つらいこととか大変なことがいっぱいある中、こうやってアルバムを完成させていくっていう。そこをそのままさらけ出すっていう勇気も、すごいですよね。


向井太一:そうですね。僕が尊敬するアーティストで「命を削ってる歌を歌ってる人が好き」っていうのをよく言っていて。僕もよくインタビューとかで「これだけさらけ出すことが恥ずかしかったりとか、大変だったしませんか?」っていうのがあったんですけど。僕は生き様を歌いたいから。それが自分にとってまたパワーに変わるし。今回のアルバムを聞いて「自分にとってこのネガティブな感情だったり悩んだことが必要だった」と思えるようになりたいっていうのがいちばんで。それが伝わればいいなと思います。


☆Taku Takahashi:この後にツアーがあると聞いてるんですけど。


向井太一:ワンマンツアー『SAVAGE』が10月18日名古屋スタートで、ファイナルが11月14日、Zepp Tokyoにて行います。チケット受付中ですのでぜひ、オフィシャルサイトのチェックをお願いします!


☆Taku Takahashi:僕も行きたいです。


向井太一:ぜひ遊びに来てください。


TJO:一緒に行きたいです。


☆Taku Takahashi:楽しみにしています。ということで、今日はスペシャルゲスト、向井太一さんでした。ありがとうございます。


TJO:ありがとうございます。


向井太一:ありがとうございます!


☆Taku Takahashi:最後にこの曲を聞きながらお別れです。曲紹介をお願いします。


向井太一:それでは聞いてください。「Runnin'」。


☆Taku Takahashi:向井さん、ありがとうございます!


向井太一:ありがとうございます!




【リリース情報】




向井太一『SAVAGE』

各種リンク:https://miya-terrace.lnk.to/A01UY


【ツアー情報】




ONE MAN TOUR 2019 –SAVAGE-

詳細:http://taichimukai.com/news/2019/09/14/697


【番組情報】


TCY Radio

毎週金曜日 21:00 - 22:30放送


☆Taku Takahashi&TJOが世界中から集めたまだ発売されていないエクスクルーシヴチューンや、これからのクラブフロアを賑わすであろう最新キラーチューン等を紹介、また注目のDJ/アーティスト達によるここでしか聴けないインタビュー等も数多くフィーチャーしているプログラム。

https://block.fm/radios/1


written by みやーんZZ





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