ミュージカルで世界を変える団体「Out Of Theater」のオーディション情報

一風変わったミュージカルとそのオーディションについて
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2020.02.12 00:00

一風変わったミュージカルとそのオーディションについて


ミュージカルプロジェクト「Out Of Theater」をご存じだろうか。劇場などで鑑賞するミュージカルとは少し違ったスタイルで、日本にミュージカルの文化を根付かせようとする取り組みである。ここでは一風変わったミュージカルプロジェクト「Out Of Theater」とそのオーディション情報について紹介する。





ミュージカルプロジェクト「Out Of Theater」とは何か


「Out Of Theater」というミュージカルプロジェクトは、100BANCHが手掛けている。100BANCHはパナソニック、ロフトワーク、カフェ・カンパニーの3社によって生み出された大規模プロジェクトで数多くのプロジェクトの集合体といえる。「Out Of Theater」はその中のひとつ、2018年に発足した。内容は「劇場外のありとあらゆる公共空間でミュージカルを実現する」というもの。発足当初の目標は「渋谷区でのストリートミュージカルのイベント企画を実現すること」だった。


「Out Of Theater」のミュージカルは、劇場に留まらないという点で、一般的に想像されるであろうミュージカルとは異なる。「ミュージカル×空間」という切り口で、商店街や街中でのミュージカルショーを中心に活動している。空間ごと巻き込んで世界観を構築するこのミュージカルは、街角ドッキリ企画などとは一線を画した最高峰のエンターテイメントになり得るとして、今注目を集めつつある。パフォーマーはミュージカル俳優などを中心としており、「遊び心ある社会の創造」を目指し活動を行っている。


これまでプロジェクト「Out Of Theater」の一環として、「STREET THE MUSICAL」が行われた。これは、まるで劇場のワンシーンのように作り替えられた街の中で、観客もパフォーマーも一体となってミュージカルシーンを楽しむことができるという企画だ。また、漫画『東京喰種』とコラボしたイベント「喰種レストラン」も開催。ウェイターも「Out Of Theater」のパフォーマーが中心に担った。漫画の世界観に合わせた4万本の薔薇に包まれたカフェや、会場スタッフの仮面など、没入感たっぷりの空間が話題を呼んだ。そしてついに、2019年10月20日には活動開始当初に目標として掲げた渋谷でのエンタメイベントを開催。活動の幅の広がりを感じさせた。





「Out Of Theater」リーダー広屋の思い


「Out Of Theater」のリーダーは、広屋佑規が務める。都市空間を活用したイベントのプロデューサ―として活躍する人物だ。彼は学生時代から、道端で100人が一斉にバナナで電話を始めるドッキリ企画「バナナフォン」や、町で実際にウォーリーを探す「リアルウォーリーを探せ」などの企画を行ってきた。「街中を歩く人たちを驚かせる」ようなドッキリイベントが好きだという彼は、エンタメで社会の空気を変えたいのだと語る。彼がそう考えるようになったきっかけは、計画した企画で大炎上を経験したことだという。


炎上した企画はハロウィンイベント「ゾンビドッキリ」だった。まだ、渋谷で公式のハロウィンイベントが行われていなかった頃、ゾンビに扮した仕掛人が一般人を襲ってみるというこの企画。これが炎上したのは、道路占用許可などの公的機関の許可を得ず、安全性などが保障されていなかったことにあった。広屋のSNSまで特定され、心無い言葉を浴びせられたこともあるそうだ。この企画の炎上で、広屋は大きく反省をすると同時にあることを思ったそうだ。


表現に対して不寛容な世界を変えたい。それが広屋が感じたことであり、「Out Of Theater」の根幹ともいえる思いである。エンタメの力で人を楽しませようとする企画が受け入れられるような日本の社会になってほしいのだという。炎上の経験を踏まえ、広屋はこう仮説を立てた。「正規のルートで安全性や公式感を煽って実施することで、パフォーマンスを行うことで遊び心のある社会にしていけるのではないか」と。そして実際にイベントを執り行い、コラボの依頼を受けるまでに至ったのだという。





「Out Of Theater」のオーディション情報について


「Out Of Theater」のパフォーマーはオーディションによって集められる。これまでにもオーディションは複数回開催されており、2018年3月、8月、9月、2019年8月と不定期に行われているようだ。2019年に実施されたオーディションでは、ミュージカルコースとパフォーマンスコースという2つのコースが設置された。参加者は「Out Of Theater登録パフォーマー」として「Out Of Theater」の出演者募集情報を受け取ることができるようになるということだ。


開催イベントの規模が大きくなるにつれて、必要な人員の数も増加すると考えることができる。そのため、パフォーマーオーディションは今後も不定期に開催されるのではないだろうか。オーディションについての情報は、「Out Of Theater」公式Twitterで告知されるようだ。「Out Of Theater」と検索するとヒットするので、受けたい方はそちらをフォローしておくと良いだろう。





ミュージカルプロジェクト「Out Of Theater」が世界を変えていく


寛容な世界を作りたいという思いで発足したミュージカルプロジェクト「Out Of Theater」。街中のエンターテイメントとして有名漫画とのコラボ企画を成功させ、彼ら自身の目標の一つであった渋谷でのイベントも見事勝ち取った。彼らの活動は表現に対する日本社会の考えをどのように変えていくのだろうか。今後とも目が離せない。




written by 編集部


photo: facebook



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