ナビア・イクバルが、女性として音楽業界への意見、「Throwing Shade」名義を使い捨てる決心についてblock.fmに語ってくれたよ

Back on Block: ナビア・イクバル（Nabihah Iqbal)
English version <a href="https://block.fm/news/NabihahIqbal_Eng/">here</a>.
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NTS Radioのホスト役でもあり、次世代シンセ・アーティストThrowing Shadeとして活動するロンドン出身、インド系イギリス人アーティストのナビア・イクバル（Nabihah Iqbal）。

block.fmにゲストで来てくれたナビアに話を聞きたかった理由は、彼女の音楽センスの良さだけでなく（その選曲センスはこちらの<a href="https://block.fm/radios/297">mixblock</a>でチェックしてください）、アーティストの立場からさまざまな社会問題に向き合い、発言を恐れない姿勢がカッコイイから。ロンドンのグレンフェルタワー火災の<a href="https://www.instagram.com/p/BVhRGpljcS5/?taken-by=nabihahiqbal">犠牲者への寄付</a>や、イギリスに住むアーティストたちの間で話題になっている人種問題についてのディスカッション、さらに自身の虐待された経験までSNSで発言してきました。

今回ナビアとは、本命名義でのデビューアルバム『Weighting of the Heart』の話や、女性アーティストから見た音楽業界、そしてなぜ「Throwing Shade」名義を捨てるかについてインタビューをしました。
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<h2>プレイを止めて「音を直して!」と叫んで気付いてもらう</h2>

▷ ナビアのFacebookで、フランスのイベントでサウンドエンジニアがあなたの機材トラブルを真剣に解決しようとしなかった<a href="https://www.facebook.com/ThrowingShadeMusic/videos/1254497068006769/">事件</a>があったと見ました。その時なにが起こったんですか？

ナビア： あれは、フランスで開催された三日間のミュージックフェスティバルだったの。セット中に問題が発生しまくりで、音楽人生で最も最悪な経験だった。CDJがちゃんと繋がっていなかったり、音がバグったりして。だけど、男性サウンドエンジニアの3人は、誰一人として私の話を聞こうとしてくれなかったわ。どうでもいいっていう態度だったと感じた。あまりにもひどすぎて、セット中にプレイするのをやめて、「音を直してくれ！」と叫んでやっと気づいてもらったわ。でも、結局何も解決されなかったんだよね。一番腹立ったのは、次にプレイするDJ（男）に対する態度が私の時と全く違ったってこと。彼のためには、ターンテーブルやミキサーをすぐに用意したり。彼らの技術からして問題が解決できないわけでもなかったから、私が女性であるから無視されたんだと結論した。

▷ 最悪! 経験をシェアしてどのようなリアクションが来たんですか？

ナビア：その経験をSNSで語ったら、かなりバズってコメントで勝手に誰かがディスカッションを始めて。びっくりしたのは、女性に対してわざと怠業する男性と働いた事があるとコメントした男性が多くいたことよ。

<blockquote>▷ 音楽業界の中で、女性を軽視する姿勢は、良くなると思いますか？</blockquote>
<blockquote>ナビア：音楽業界では、特にエレクトロニックミュージックとDJの世界ね、男性優位な世界だから。時間が経っても、女性はいつでも難しいわね。でも、少しは進化してきているとは思う。私のようなアーティストは、今やっている事をやり続けて、私たちを真剣に受け止めさせる。女性だからというのは無し。</blockquote>
<blockquote></blockquote>
<h2>ヴォルフガング・ティルマンスとの展示会</h2>
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▷ 最近はどのような活動をしているか、聞きたかったです。フォトグラファーで音楽プロデューサーのヴォルフガング・ティルマンス（Wolfgang Tillmans）とコラボプロジェクトをしたことを見ました。

ナビア：この1年間すごく忙しかったんだよね。いろんなプロジェクトに手がけていた。もっと学際的なことをやれて、それがいろんなことをやっているアーティストと一緒に仕事できてよかった。私もかなり好きなアーティストだから、ヴォルフガングと一緒に仕事できてすばらしかった。彼がロンドンのTate Modernで開催した巨大な展示会に参加しないかと連絡がきたとき、信じられなかった。

▷ 彼とはどうやって繋がったんですか？

ナビア：去年、撮影で会った時、私のSoundcloudのアカウントを教えてくれ、って。けど、さすがに「ヴォルフガング・ティルマンスが私の音楽なんか聴かないよ」と最初は思った。でもその後、私が作ってる音が好きと彼から連絡がきた。

▷ 展示会のためには何をしたんですか？

ナビア：Tate Modernの展示会では2つのプロジェクトをやった。まずは、彼が作った「The Playback Room」というインスタレーションについてトークをした。収録した音楽を聴ける最適な会場で、プロジェクトのコンセプトは「いつもライブパフォーマンスの音のためにすごく時間をかけて準備するけど、同じように収録された音にも時間をかけたらどうか」だった。

特に、今はスマホやパソコンから音楽を聴く人が多いから。自分もアーティストとして、みんながいつでもライブで使われるスピーカーほどのクオリティーで私の音楽を聴けたらいいなと思うんだよね。

もう一つが、Tate Modernにある会場「The Tanks」で私がライブショーをやりながら、ヴォルフガングがライトインスタレーションやプロジェクションをライブで作るパフォーマンスをした。たくさんアート系の人が来てくれて、すごく静かにアートに没頭していた。彼のようなアーティストと一緒に働けて、今でも実感がしない。
<h2>Gorillazと過ごした太陽光発電スタジオ</h2>

▷Gorillazと一緒に太陽光発電のプロジェクトに手がけたと見ましたが、それは何でした？
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ナビア：彼らとは同じスタジオで働いていて、家族のような感じなんだよね。太陽光発電のスタジオで深夜セッションで曲を作るプロジェクトだった。

▷外にあるブースのようなスタジオでした？

ナビア：アメリカにある古いトラック、昼間は太陽光発電を集めていた。そこからは、２３時から次の朝７時までに集まった電力で動いていたスタジオで作業をした。

▷それで夜ずっと働くんですか？

<blockquote>ナビア：そうだよ、一晩中。</blockquote>
<blockquote></blockquote>
<h2>法律学校からの退学とフルタイムでの音楽活動。</h2>
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▷音楽のキャリアはNTS Radioで始まったと言えますか？

ナビア：そうだね、<a href="https://www.nts.live/shows/nabihah-iqbal/episodes/nabihah-iqbal-nastya-mikhaylova-7th-october-2017">NTS Radio</a>を始めてもう4年くらい経つ。NTSを始めた時は、まだ音楽をフルタイムにやっていなくて、法律を勉強していた。前はラジオをすることに関して考えたことがなかったけど、始まったら、番組に全力を入れてたんだよね。

▷いつ自分で音楽をプロデュースし始めました？

ナビア：いつも楽器を弾いたりしていたけど、初めて自分の作品をプロデュースしたのが18歳くらいかな。学生と音楽を両立してやっていた。フルタイムで音楽をやるつもりはなかったけど、数曲を自分のSoundCloudに載せたら、カッセム・モッセ（Kassem Mosse)というドイツのプロデューサーが見つけて、リリースしたいと連絡がきた。

▷そして、Ninja Tuneよりデビューアルバムもリリースされますね。

ナビア：『Weighting of the Heart』というアルバムで、初めてThrowing Shade名義ではなく、自分の名前「ナビア・イクバル」でリリースをする。11曲で、今までリリースしたものとは全然違う音。

▷どうやってその音を説明しますか？

ナビア：もうアルバムを聴いた人には、80年代のインフルエンスが入っている音と言われる。初めてスタジオでギターを使って、ボーカルももっと入っている。

11曲の中で2曲がインストルメンタル。スタジオに入ったときは、特別な音を作ろうとしないで、あまり考えずに1年以上かけてこのアルバムを作った。たまに音楽を聴くとき、特定の音を頑張って作ろうとするのが聞こえるから、今回は新しい音楽を聴かないようにした。だから、私がティーンのときに聴いていたバンドのインフルエンスが少し聴こえると思う。音楽を作る人にとって、それが形成期だから。ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)やバウハウス(Bauhaus)のインフルエンスとか。

▷アルバムがリリースされた後のプランは何ですか？

ナビア：それがどの方向に行くかによるよね。ライブショーの準備かな。全部1人で弾くから大変かも知らないけど。かなりハードだけど、女性が全て弾いているライブショーはなかなか無いからやるのが好き。新しい曲は、バンドがいるように聴こえるから、どうやってそれを1人でプレイする方法を探さないと。

女性がバンドに入っていると、顔が目立つ女だから参加してるだけとみんな思いがちでそういう目で見る人がいる。そのトラップに落ちないように私は気をつけている。このアルバムは全て私がやったと人にわかってほしい。

▷それも理由として、ナビアにインタビューをしなきゃ！と思いました。自分のプロモーション以外にSNSを使うアーティストは本当にレアですから。

ナビア：それこそ自分の経験について話すべきだと思った。他の女性が1人じゃないとことを知って欲しくって。特に音楽業界の中のアジア人として、女性として。

同じようなバックグラウンドを持っているファンからいつも「インスパイアされました」や「感謝しています」とメールが来るんだよね。だから、私の体験がファンにもインパクトがあるように思えるし。

だから、アーティスト名を本名に変えた。最初はエスニックすぎる名前で、人が発音できるか心配をしてたけど。なんで私がそう心配しないといけないかって気がづいた。

他の人の意見を気にしている自分の考え方は止めないと。だからモチベーションとして名前を変えた。周りのリアクションが楽しみだわ。

＊　＊　＊

ナビア・イクバルのアルバム「Weighing of the Heart」は、12月1日にNinja Tuneからリリースされます。
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Written by Amy

block.fm

音楽業界の女性の扱い、本名で作品を作る理由、アジア系イギリス人アーティストのナビア・イクバルが語る

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