モーリー・ロバートソン力説! ヨーロッパにカオスを呼ぶアメリカ陰謀論とは何か?

トルコの経済暴落から、ヨーロッパのEU離脱まで、もはや世界の解体屋スティーブ・バノンとアメリカの仕掛ける戦略とは?
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2018.09.05 23:45

毎週木曜日夜9時、block.fmで生配信中される、国際ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソンさんの番組の『Morley Robertson Show』。今回の番組では、ヨーロッパを分裂させるアメリカとスティーブ・バノンの陰謀論について語ります。



毎週モーリー・ロバートソンのラジオが聴ける番組は、こちらをチェック。

 「Morley Robertson Show」

https://block.fm/radios/28

生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30



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モーリー:Cesqeaux & San Holo『Who Am I』。きれいな曲です。



さあ、ここでモーリーの最新の陰謀論を述べましょう。あのね、要は世界が国連とか置いても、まあアメリカが世界の警察。そのために軍事的にも経済的にもいろんな出費をしていた。もともと戦前に工業能力をつけていたのでR&D(研究開発)はアメリカがやったけど、それをサテライトにあたる日本のような国や西ドイツがどんどんと、まあくすねていっては改良する。小型化する。


そしてインフレの70年代、石油ショック以降、燃費の良い車でアメリカの造船・鉄工のみならず車にも半導体にも白物家電にもどんどんと食い込んでいくわけですよね。


だからアメリカがある種の資本主義のエンパイア。帝国を作ったんだけれども、西側で自分がその末端へと国力を注入していくうちに吸い取られていくようになった。だから自分で作ったグローバリズムにアメリカが自分で食べられていくという過程でもあったんですね。


その反対側、ベルリンの壁の向こうにソ連がいて、地球儀の左から手を回して太平洋越しに東アジアで日本を前線にしてソ連を抑える。右から手を伸ばしていって大西洋越しに西ヨーロッパから、ワルシャワ条約機構とかソ連の陣営を抑えていく。


この「抑え込み」っていう図式の中では、アメリカの作り出したグローバリズムっていう志向は良かったんですけども、ソ連が終わっちゃって崩壊した後、一極支配になった時に結局自分が作り出した「金融」という魔物が世界を跋扈するようになって、国家のコントロールいわゆるシビリアンコントロールっていうのかな? 市民が軍を支配して、軍が暴走しないようにするんだけども、資本主義に対するシビリアンコントロールがなかったわけですよ。


その結果、グローバルがどんどん大きくなって肥大していって、金融商品がどんどんと動いていって、最後は全ての労働力っていうものは国籍や民族性、国民性を離れて「値段」だけになっていった。つまり、値段だけで人の価値が評価される人件費っていうコモディティーですよね。そうなったことがグローバリズムを産んだとか、まあよくある話なんです。


要は結局、何が起きるかっていうと南半球へと北半球から富が移転していくという、それだけの現象になっていくんですよ。最終的には。


それと、どの国も独裁者の方が民主国家よりも経済を支配しやすいのでありがたいっていうことと、民主国家ではいちばん貧しい人たちやいろんな弱者に対する経済的な救済があるにはあるけれども、そのセーフティネットは予算を削られていって、その分が上へ付け替えられるというのがいまのグローバリズム政治ですよね。


それで、スティーブン・バノンっていうトランプのメンター、イデオローグがいますが、彼はそれが大嫌いで。要は「まず中国を世界の経済システム、金融システムから排除すべし」ってことをイスラエルの新聞ハアレツのインタビューで言っているんですよ。


その中で奇妙なことを言ってるんですけど、まあバノンの考えているユーラシアニズムっていう世界観、これもまた壮大な陰謀論で。「グローバリズムやリベラル・エリートが作り出した中では、アメリカが偉大な国ではなくなっている。だからリベラルなグローバル秩序っていうものを解体して、世界は三極化すべきだ。ロシア、中国、アメリカ、この3つの親分が、3つマフィアのボスみたいに勢力を持って。そして国際協定……TPPとか国連とか、そういう機関を通じず、その都度親分同士の話し合いでやるべきなんだ」と。



その中では小さな国の利害とかとマイノリティーの人権がいちばん先に犠牲になってくるんですよね。お金に換算するといちばん金はかかる割には効率が悪いということで。だからそういうビジネス的な世界の秩序再編成みたいなことをスティーブン・バノンは強いイデオロギーとして持ってるんだけども。そのハアレツに答えたかなり赤裸々なロングインタビュー。これをもう1回、私は読みに行ったんですね。そうするとその中でね、バノンがすごく奇妙なことを言ってるんですよ。


いま、さしあたって世界の悪の枢軸はかつて第二次大戦ではドイツ、イタリア、日本がアメリカにとって悪の枢軸だったわけね。そして2000年代、ポスト911の時代には北朝鮮とイランとイラクだったかな? なんか三つの悪玉の国がいたんですね。


どこかっていうと、中国とイランとトルコだって言うんですよ。で、「えっ? なんでトルコ?」って思うわけですよね。「トルコ、そんなに力はないよ」とか思うんだけど。「いや、トルコは実は隠れた野心を持っていて、それは昔のオスマン帝国を再現して世界の中東の大部分を乗っ取ろうとしてるんだ。そして今後はいろんな対米テロも支援するに違いない」みたいな。どこからそのソースを得たんですか?っていうような陰謀を語っているわけですよ。


それで、しいて考えるならうーん……。「やっぱりトルキスタンは全部トルコ系だから、まあウイグルに至るまで全ての中央アジア諸国をトルコ帝国としてもう1回連結したいのかな? でも、そんな国力はあのクーデターような状態。クーデター騒ぎの後に独裁的になったあのエルドアン大統領にそんな力、ないじゃん」とか思って、すごい不審に思っていたわけ。


で、ここからがモーリーの陰謀論のXファイル。パズルのピースがつながり始めるんですけども。そのちょっと後に、トランプさんがトルコの政府に言いがかりをつけたんですよ。


いまままでだったら、アメリカ人のアンドリュー・ブランソン牧師を拘束されてて釈放されない。でも、トルコとしてはあの独裁体制の中で精一杯の譲歩として、刑務所みたいな拘置所に入れるんじゃなくて、ハウス・アレストって言って家に軟禁状態にする。


手首か足首にトラッカー、GPSをつけることで一応本人を家の中に軟禁するけども、いわゆるそのコンクリートの独房に入れてるよりはマシだろうってことで、トルコとしては精一杯譲歩して、これからネゴシエーション(交渉)したいっていう姿勢を見せたんですよ。で、オバマ政権であれ、ブッシュ政権であれ、そういう時は定石としては政権はあまり意見を公開せずに、水面下で交渉するんですよね。



ところがトランプさんはそれをTwitterで全速力で罵倒し、その強権的なエルドアン大統領の政府が激しくそれにTwitterで応酬しなきゃいけない状態に自ら喧嘩をふっかけて持ち込んでですね。


そして、その牧師を釈放しないからアメリカの力を思い知らせてやる!っていうことで25%の関税を一部、50%に引き上げたわけ。で、これがもとから弱かったトルコの通貨であるリラが「Interest Rate(金利)」を上げないとか、経済学に基づかないめちゃくちゃな独裁的なエルドアン大統領の政策があったので、ただでさえ経済が弱くなっていたの。


しかも中央銀行が独立していれば、いざとなったらオペっていって通貨が下落しないように(対策を)できるんですけども、そこが全然大統領から独立していない振る舞いをしている。


加えて財務大臣に自分の娘婿を入れたんですよ。それがまたね、トランプさんの娘婿のジャレッド・クシュナーがやっぱりホワイトハウスに入ってるじゃないですか(笑)。だから、それとそっくりな状態で本当に似た者同士なんですけども、トランプがエルドアンに喧嘩をふっかけた直後に、ただでさえ弱かったトルコのリラに対して信用売りみたいなものが出始めて。「ヤバい、これは来るぞ!」っていうんで。それがトルコのインフレーションであるとか……まあ、ハイパーインフレの方向、メルトダウンに向かってるんだけども。


で、しかもエルドアンは絶対にこのタイミングで、通貨の足下を引っ張られて牧師を差し出そうものなら、自分は本当は独裁的なんだけども「弱い大統領だ」っていうことになるから。弱い独裁者に対してはすぐに市民が抵抗のデモを起こすわけですよ。


せっかくクーデター騒ぎをもしかしたら自作自演して、選挙によって憲法における自分の権限を増したばっかりの人なのに、それを自分でアンドゥできないから、まさにメンツがかかっているわけ。メンツがかかってるから絶対に牧師は出さない。ということは、トルコリラはものすごい爆下がりするわけね。そうすると、トルコの経済がメルトダウンする。すると、そのタイミングでエルドアンは他に手がないから、「うちは中国とだってロシアとだって取引ができる」って言うわけですよ。


そして、イランに対する経済制裁にも同調しなかったわけ。そうすると、まさに何が起きているか?っていうと、アメリカのトランプ政権がしいて、まずトルコの通貨暴落をわざわざ誘発し……しなくてもよかったのに。そしてロシア・中国の方面にトルコを押し込んで、イランと経済的に連結せざるを得なくして、そしてアメリカの敵陣営にトルコ押し込めるわけですよ。


そうするとはエルドアンは何をするかっていうと、まあ自分の国ではドル建てで何も買えなくなっちゃうから、今度は燃料とかをロシアと物々交換。そして中国からドルを借款する。外貨を借りる。だけれども中国がお金を貸す時っていうのは後で高利貸しになって取り立てに来ますからね。そういう風に中国に経済的に属国みたいになるわけですよ。


そうすると、たぶんひとつの条件として「NATOの脱退」を言い始めると思うわけよ。一応EU+トルコでNATOって成り立っていて。それをトランプも、そしてその裏にいるスティーブン・バノンも大嫌いなわけですよ。「NATOは解体すべし。EUも解体すべし」って言うわけよ。わかる? このアジェンダ、このXファイル。


つまり、トルコの線を引っこ抜いて、トルコリラを下落させることによって、新興国全体に激震が走り、トルコの経済を壊滅させる。トルコは行き場がなくなる。そしてこのタイミングで牧師を差し出したら、もう負けを認めたことになって、自分が市民による無血クーデターで覆されるからそれは絶対にできない。


ということはロシアとか、一応以前は敵でもあったんだけどね。そのロシアとか中国の陣営に入るしかない。ということはNATOを脱退する。


そしてそのトルコのリラに対してEUの様々な銀行や証券会社はエクスポージャーがあるんですよ。エクスポージャーっていうのはそこのトルコの会社と取引をしたり、投資をしてるっていうことは、それが焦げ付くのでEUの信用不安が引き起こり、ギリシャ危機みたいなものの類似版が上手くいけば連鎖するわけですよね。


そうすると、ギリシャ危機の時、あの時にブレグジットが盛り上がったわけ。つまり「なんで俺たちの税金でEUの加盟国のいちばん端っこにいる弱いダメな国をベイルアウト(金融機関を救済)しなきゃいけないんだ? 金を払わなきゃいけないんだ?」って。


だから「なんでトルコのような国に繋がって我々EUが……?」ってなって、ヨーロッパ中央銀行(ECB)に対する不信感なんかも増したりして。


それで、いろんなヨーロッパの国々の人たちが「Exit」を言い始めるわけですよ。「Frexit(フランスのEU離脱)」であるとか。そうすると次の選挙がやってきたいろんなヨーロッパの国々っていうのはどんどん右派ポピュリスト、経済ナショナリズム、反グローバリズムっていうのが「トルコのざまを見ろ!」みたいなことになって。それをバノンが1人で仕掛けたとしたら、どうする? 


トルコをわざわざバッドボーイにして、NATOは引き裂くし。そうするとロシアと仲良くした方がいいっていうトランプ、バノンの世界観でそのキリスト教ユダヤ文明、イスラエル・ロシア・アメリカが白人国家同士で連結すべし! そして中国の帝国と、イランを中心としたイスラム帝国と戦え!っていう、そのアーマゲドン、ハルマゲドンを彼は信じてるわけですよ。


荒唐無稽な妄想に見えるけども、それをトリガーするに余りある素材にこのトルコリラの大暴落誘発作戦というのがバノンのオペレーションに見れてしょうがないわけ。


これをきっかけに緩やかに、だけどかなり速やかにブレグジットに次ぐハードなEU懐疑論がどんどんと有権者の間に経済と、あともうひとつトルコができる嫌がらせっていうのがあって。数百万人のシリア難民がいるんですよ。隣の国で戦争してるから。それをリリースして、蛇口を開けるように「どうぞ、ヨーロッパに行っておいで……」って言って人間を兵器として送るんですよ。風船爆弾みたいに。そしてフラフラッて「職を下さい!」って言って難民が乳飲み子を連れてヨーロッパにブワーッと押し寄せますよね。


そうするとヨーロッパの人たちはただでさえ百万人近くメルケルが受け入れたのが嫌だったのに、トルコが兵器級の難民をこっちに送ってくる。「Dump(ダンプ)」するわけですよ。そうすると、「やめれーっ!」ってなって、「国境をふさげ!」ってなりますよね。


そうするとまた選挙が地方選挙から始まって、極右政党の声がどんどん大きくなって。その極右政党はみんな「EU解体」なんですよ。だから、そうやってトルコを追い詰めて、トルコが最大限に汚い方法でしか報復ができなくて。だって、金がないんだから。だからそれでやれることを全部やらせておいて、それがすべてEUをガタガタにしていく。NATOをガタガタにしていく。そうするとバノンとプーチンが手を組んで、「ウッシッシ!」って。どうですか、この新しいワールドオーダー。どうですか、このポスト・正力松太郎。どうですか、このポスト・ポダム。ポスト・ポツダム宣言は? ということできれいなのを聞いて。


MUST DIE! & Habstrakt『Eden』! 新しいエデンの園へようこそ。ヨーロッパ、世界、ゼロ年!


MUST DIE! & Habstrakt『Eden』


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▷ 「Morley Robertson Show」

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生配信:毎週木曜夜 21:00 - 22:30


モーリーのアンテナがキャッチする波動は、ひと味違う。あなた自身が住んでいる「不思議の国」を味わってほしい。気が付いたら、地球防衛軍に入隊していたとしても、不思議ではない。ここでは毎日が入隊記念日。いろいろな旅をする人のための時間。いっとき、モーリーの視点から世界をのぞいてみてください。




written by みやーんZZ

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