延期されていた第63回グラミー賞が現地時間3月14日に開催され、最多9部門にノミネートされていたBeyoncé(ビヨンセ)が最優秀R&Bパフォーマンス賞を受賞し、女性アーティストとして歴代最多受賞記録を更新した。
その他にも今回注目の集まったヒップホップ、R&Bアーティストの受賞・パフォーマンスを紹介しよう。
ここ数年のヒップホップシーンで最も勢いのあるラッパーの1人であるMegan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)は新人賞で初のグラミー受賞を果たし、Beyoncéとコラボした「Savege Remix」ではベストラップソング賞、ベストラップパフォーマンス賞も受賞し3冠に輝いた。
受賞スピーチでは同じくヒューストン出身であり幼い頃から憧れていたBeyoncéと共にステージに上がりスピーチを披露。始めは言葉も出ないといった表情で感動を露わにしていた。Megan Thee Stallionは「Savage」はもちろんのことCardi B(カーディ・B)とコラボした「WAP」のパフォーマンスにも登場。2021年も楽しみになる存在感を示していた。
来日経験もあるR&BシンガーのH.E.R.(ハー)は警察によって殺害された人たちに捧げた「I Can't Breathe」でBeyoncéを抑えて最優秀楽曲賞を受賞。この曲はBLACK LIVES MATTERの影響で日本でも注目された2020年6月19日の奴隷解放日「ジューンティーンス」にリリースされたもので、BLACK LIVES MATTERのスローガンのひとつでもある「I Can't Breathe(息ができない)」をタイトルにした曲。
そして同じくBLACK LIVES MATTERをテーマにした曲であるLil Baby(リル・ベイビー)による「The Bigger Picture」もパフォーマンスされた。Lil Babyはラッパーであり活動家でもあるKiller Mike(キラー・マイク)と共にステージに上がり、警官役のエキストラと対立するようなステージ構成はSNS上にて「最もリアルなパフォーマンスだった」を賞賛されている。
当然パフォーマンスのラインアップは事前に発表されていたが、この1週間で滑り込みとも言える出演を果たしたのがBruno Mars(ブルーノ・マーズ)とAnderson .Paak(アンダーソン・パーク)によるユニット、Silk Sonic(シルク・ソニック)。デビュー曲となった「Leave the Door Open」のリリース後、Twitter上でグラミー賞を運営するレコーディング・アカデミーに対してメッセージを送っていたBruno Mars。その際使用した「#LetSilkSonicThrive」のハッシュタグはアメリカ以外の多くの国でもトレンド入りし、その結果パフォーマンスすることに成功した。
Anderson .Paakは人種差別、警官の暴力をテーマにした「Lockdown」でベストメロディックラップパフォーマンス賞も受賞している。この曲はパンデミックで都市が封鎖(ロックダウン)されているにも関わらず、毎日のように起こる人種差別的な殺人事件を受けて書いた曲で、H.E.R.の「I Can't Breathe」、Lil Babyの「The Bigger Picture」とともに今年のグラミー賞を象徴する曲と言えるだろう。
個人的に注目していたブーンバップラップのみがノミネートされていたベストラップアルバム賞は大ベテランのNas(ナズ)が受賞。Nasにとって初めてのグラミー賞獲得となった。
written by BsideNews
source
https://pitchfork.com/news/grammys-2021-winners-see-the-full-list-here/
photo
https://www.youtube.com/watch?v=fF060WS4Alo&t=118s