block.fmライターが選ぶ、2021年注目のクルー・バンド・コレクティヴ

2021年、さらなる活躍に期待したい、クルー、バンド、コレクティヴ4組を紹介。
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2021.01.06 12:00

Written by Tomohisa Mochizuki


コロナ禍において再び緊急事態宣言が発令されることになった。人と人が会うことを制限された2020年。2021年もしばらく厳しい状況が続きそうだ。そんな中でもコレクティヴたちは各々の結束を高め、その動きを活発化させているように思う。



WATER DAWGS,PAPIYONFRIENDS,Off The Meds Peach Tree Rascals、2021年注目のクルー・コレクティヴ・バンドを紹介


緊急事態宣言下の自粛時に音楽・アートは不要か否かの論争まで飛び出した2020年を振り返ると、アーティストを取り巻く環境はシビアではある。しかし、彼、彼女たちは自分の生きている証を残すかのように音楽表現の手を止めることはないのだ。そんな2021年に注目したい&活躍が期待されるクルー・コレクティヴ・バンドをいくつか紹介する。



リバーサイドから流れ出る、水のように不確かで心地のいい音の奔流:WATER DAWGS 



2020年末に「BLOOM」、「Rcknrl」、「I’MA FUCKIN’ DOWN TOWN」を立て続けにリリースし、先日「STARFISH」のMVを公開したWATER DAWGS。Power、Hanoi ShashiFrankhouse、Y ohtrixpointeverの3人からなるZ世代の新鋭クルーである。ネットで知り合ったという3人は2020年の夏にリーダーであるPowerの元にHanoi ShashiFrankhouseと、プロデューサーのY ohtrixpointneverが集まったかたちで結成され一軒家を借りて共同生活をしている。拠点は関東のリバーサイドとあるが、どこなのだろう。もはやどこだっていいのかも。おそらく彼らは川向こうから海の向こうへと自身の音楽を発信しているのだから。


デジタルネイティブ世代ながらMVがローファイな質感を伴っていたり、アナログでフィジカルなあたたかみを感じさせる。なにより特徴的なのはそのサウンドでアンビエントのような浮遊感がたまらなく心地良い。と思っていたら「Rcknrl」のような絶妙なハズしもアリ。


まだまだその片鱗しか見せていないであろう彼らの2021年が気になるゾ。ちなみにWATER DAWGSはラッパーに限らず様々なメンバーの受け入れをしているとのこと。





マイペースに歩き続ける、ピースフルコレクティヴ:PAPIYONFRIENDS



地元山梨の友人たちである。もちろんそれだけの理由で紹介しているわけではないのであしからず。SKOLORやFUTURISTIC SWAVER、D-HACKといった韓国のアーティストや、PARKGOLF、RhymeTube、ONJUICYといった面々とも共演するYUNGYUが所属するクルーで、OKBOY & Dogwoods「Pyramid (Track by Yung hiropon)」を始め、BBY NABE、TYOSiNといったアーティストのMVを手掛けるPlenty Ueno、その実弟Golem、Yocからなる4人組。身近な日常を切り取ったリリック描写が朗らかで愛らしく、Chill BassとTrapを組み合わせた楽曲たちはリラックスしていて聴きやすい。YUNGYUソロワークとは別軸の魅力に注目してほしい。


彼らは2ヶ月に1度、甲府のDJバーで定期的にイベント「PURE」を開催しており、そこではヒップホップに限らすディスコ、ハウス、フューチャーベースといった幅広い音楽性を持ったDJをフィーチャーし遊びの場を提供。毎回お店のお酒が売り切れるなど好評だ。


PAPIYON FRIENDS🎄 · PAPIYONFRIENDS - PARTY IN MY CAR🚗 💕💕FT.SKOLOR





アフロスウェディッシュの不穏な調べ:Off The Meds



ミステリー小説「ミレニアム」シリーズを読むのが好きで、いつかは北欧スウェーデンに旅行してみたい。OFF THE MEDSはまさに「ミレニアム」の主な舞台スウェーデン・ストックホルムのバンドだ。2019年にスウェーデン発のアンダーグラウンド・レーベルStudio Barnhusからファーストシングル「Belter」をリリース。2020年にセルフタイトルアルバム『Off The Meds』をリリースした。


ハウス、テクノ、ブレイクビーツといったオケに繰り返される歌詞、中毒性のある楽曲群が耳から離れない。どこか陰鬱な印象で、曇り空のストックホルムをうかがわせるのは「ミレニアム」で作られてしまった先入観なのかもしれない。スウェーデンのプロデューサーAdrian Lux、Carl Löf、Måns Glaeser、そして南アフリカのフォトグラファーでボーカルのKamohelo Khoaripeという構成で、ズールー語を用いたアフリカ圏の言語のラップは英語とも違う響きで新鮮。どこかクラフトワーク的な要素も持ちつつ、アフリカンエレクトロを融合させたニューカマー、好きな人多いでしょ?




陽気な香りに誘われて、ジャンルレスな音楽の旅路へ:Peach Tree Rascals



年が明けたってのに、やっぱりなんだか暗い雰囲気が世界中を取り巻いている。そんなときはハッピーになる音楽で、心だけでも旅に出たくなるもんだ。


Peach Tree Rascalsはクリエイティブ・ディレクターのJorge Olazaba、プロデューサー・Dominic Pizano、ラッパー・シンガーIssac Pech、Tarrek Khaliq、Joseph Barros からなるカリフォルニアはLAを拠点とする5人組のコレクティヴ。2020年8月にはデビューEPとなる『I can’t wait for you to come my way』をリリースした。タイトルがいいよね。注目、というかすでにめちゃくちゃサブスクやMVが再生されててブレイクしているのである。もう火が点いちゃってるんだよね。


Dominic Fikeのようでもあり、BLOCKHAMPTON的でもあるメロディアスな楽曲とそのサウンド、繰り返されるハーモニーの美しさは各々が直面している問題や置かれた環境に向き合いながら、ポップスやロック、R&B、ヒップホップ、多様なサウンドをクロスオーバーさせ独自のサウンドとして昇華・表現しているからこそのもの。GoToトラベルキャンペーンはなくとも、『I can’t wait for you to come my way』収録の「I’m Sorry」、「Mariposa」、「Mango」はロードムービーのような作りになっているのでジャンルを横断する音楽の旅を楽しんでほしい。




photo:

https://youtu.be/4n_KwtleeFE

https://youtu.be/RC76mzRV35c

https://youtu.be/FHYtHqjYAmo

https://youtu.be/CXbbotsc7yw






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