block.fmが選ぶ、2019年上半期ベストアルバム・MVPアーティスト【USヒップホップ/R&B編】

ベテランから新人アーティストまで多くのリリースが続いた2019年上半期! block.fmライターが選ぶ注目の新作とMVPアーティスト
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2019.07.10 11:00

written by BsideNews


ライターのスズキです。いつもblock.fmの記事をお読みいただきありがとうございます! 普段ヒップホップのDJとしても活動している自分はアメリカのヒップホップ/R&Bのニュースを中心に執筆を担当。DJでもプレイしている通り、アンダーグラウンドというよりはメインストリーム、いわゆるチャートに入るアーティストの記事を中心に紹介していきたく思っています。




2019年も上半期から大物アーティストも新人アーティストも多くのリリースがあり、毎週目まぐるしく入れ替わっている現状。今年の終わり頃にはどうなるのでしょうね...。ここでは今年1月から6月のリリースで話題になったアルバムから、個人的にグッときた作品まで紹介していこうと思います。




2019年上半期ベスト・リリース


DJ Khaled『Father of Asahd』


前作『Grateful』から約2年ぶりのアルバム、5月にリリースされたDJ Khaled(DJ・キャレド)の『Father of Asahd』。通算11枚目のアルバムも期待を裏切らず、豪華なアーティストが集結し先行シングルとなった「Top Off」でいきなりJay-Z(ジェイ・Z)、Beyoncé(ビヨンセ)、Future(フューチャー)が参加という、彼にしかできないであろうオールスター軍団を詰め込んだアルバムとなっている。


また3月末に本人経営のショップ前で凶弾に倒れ、惜しくも他界してしまったNipsey Hussle(ニプシー・ハッスル)が参加している「Higher」のMVは事件のあった数日前に撮影されたとあって、偉大なるラッパーの遺作としても話題となった。前作に続き今作でも息子のAsahd(アサド)がエグゼクティブプロデューサーとしてクレジットされているところも彼らしい!


Tyler, the Creator(タイラー・ザ・クリエイター)のアルバム『IGOR』にチャートの1位を譲ったものの、間違いなく今年の上半期を代表するアルバムだろう。




Jim Jones 『El Capo』


何度目かのリユニオンを果たし、2018年に14年ぶりとなるアルバムをリリースした2000年代を代表するニューヨークのヒップホップ・クルー、The Diplomats(ディプロマッツ)の一員であるJim Jones(ジム・ジョーンズ)がプロデューサーチーム、The Heatmakerz(ヒートメーカーズ)の全面プロデュースにより作り上げたアルバム『El Capo』。ラジオヒットやチャートを騒がすような曲こそ無いものの、ベテランならではの貫禄ある一枚だ!


フィーチャリングには同じくThe DiplomatsのメンバーであるCam'ron(キャムロン)の他、Fabolous(ファボラス)にJadakiss(ジェイダキス)と往年のニューヨークラッパーたちの名前が並ぶ。近年のラップスタイルとは一線を画すベーシックなスタイルだが、ドープでストリート臭溢れる土臭いヒップホップ! 「最近のヒップホップはなんだか...」と思っている人には特にオススメしたい作品だ。


先日、Jay-ZとCam'ronの長年に渡るビーフを解決するにあたって暗躍したところも注目したいJim Jones。2019年になってもヒップホップ界に置ける彼の存在は重要であることをアルバムと共に見せつけた。




Beyoncé 『Homecoming: The Live Album』


Beyoncéの伝説となった2018年のコーチェラ・フェスティバル。そのパフォーマンスを追ったNetflixのドキュメンタリー作品『Homecoming: A Film By Beyoncé』に合わせてリリースされたライヴ音源を収録したアルバムが『Homecoming: The Live Album』だ。40曲のボリュームながら、原曲からアレンジされたライブバージョンが収録されているとあって、全く新しい感覚で聴き通すことができる。


さらに新録としてMaze & Frankie Beverly(メイズ & フランキー・ビバリー)の1981年リリースの名曲「Before I Let Go」のカバーも収められており、さらにこの曲はDrake(ドレイク)のヒット曲もプロデュースしているTay Keith(テイ・キース)がプロデュースしているとあって話題に。ビルボードチャートでもトップ10入りを果たすなどカバー曲としては異例のヒットとなった!


ドキュメンタリー作品でも双子の出産から復帰までのトレーニング、数ヶ月に渡るリハーサルの様子などが事細かに映像化されており、世界的なアーティストの苦痛や素顔を垣間見ることができるファンにとっては必見の作品。コーチェラ・フェスティバルを”Beychella”と呼ばせるほどの圧巻のパフォーマンスが収められた『Homecoming: The Live Album』は彼女のキャリアの中でも重要なアルバムとなっただろう。




2019年上半期 MVPアーティスト - Lil Nas X


今年に入って1番の話題と言えばLil Nas X(リル・ナズ・X)の大躍進だろう。代表曲である「Old Town Road」は当初カントリーミュージックのチャートに入っていたものの、「同曲がカントリー・チャートに含まれるのは適切ではないと判断した」とビルボードから発表があったのちに除外され、その後はヒップホップチャートにおいてのみランクイン。近年のボーダレス化された音楽シーンを表すかのような動きを見せた。


さらに「Old Town Road」のリミックスではカントリーミュージックの大御所、Billy Ray Cyrus(ビリー・レイ・サイラス)が参加。6月末にリリースされたデビューEP『7』に収録されている「Rodeo」ではCardi B(カーディ・B)も参加しているなど、これから客演のオファーも増えそうだ。


「Old Town Road」は7月初週現在、13週連続で全米シングルチャート1位をキープし史上最も長く1位になったヒップホップの楽曲となっている。子供達からの人気も抜群でサプライズ訪問した小学校では教室がまるでフェスのような雰囲気に! また自閉症の子供が「Old Town Road」を口ずさみ、その後セラピーに使われていると子供の母親がSNSに投稿するなど、ただのヒット曲としてのスケールを越えた1曲となった。


また、先日Lil Nas Xは自身がゲイであることをカミングアウト。LGBTの話題が世界中で注目を集める中、彼の発言をサポートする人も多い。下半期もまだまだ彼から目が離せない!




今回はUSのヒップホップシーンを中心に2019年上半期を総括してみた。チャート上位に当たり前のように入るようになったヒップホップが今後どのように形を変えていくのか、これからも追っていきたい。最新の楽曲チェックもblock.fmの記事で要チェックだ!





source:

https://www.xxlmag.com/news/2019/07/lil-nas-x-comes-out-pride/

https://pitchfork.com/reviews/albums/dj-khaled-father-of-asahd/

https://www.hotnewhiphop.com/jim-jones-drops-his-the-heatmakerz-produced-album-el-capo-new-mixtape.119195.html

https://pitchfork.com/reviews/albums/beyonce-homecoming-the-live-album/


photo: beyonce.com

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