多いの少ないの? アーティストの収益は音楽業界全体のわずか12%だった

調査の結果で明らかになったアーティストの稼ぐ割合。多くの収益は音楽プラットフォーム、レーベル、ラジオ局へ。
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2018.08.09 22:30

アーティストの稼ぐ割合は多いのか少ないのか


2017年のアメリカ音楽業界全体の収益の430億ドル(約4兆7700万円)のうち、アーティストの稼ぎとなった割合は12%であったことが、アメリカの金融関連事業会社「Citigroup(シティグループ)」の調査で明らかになった。この調査によると収益の大半は音楽プラットフォームを運営するテクノロジー会社、ラジオ局、レコードレーベルなどの中間業者が獲得しているという。


しかしここ数年でアーティストへの割合は上昇しており、2000年には7%程度だったものが12%にまで成長してきている。この増加はコンサートビジネスの盛り上がりや、多くのアーティストがセルフリリースすることが多くなり、収益を維持することができているからだとシティグループは伝えている。一体この数字が大きいのか少ないのか、アーティストにも働き方改革の波が押し寄せている!





アーティストをより平等な立場へ


シティグループは今回の調査結果をもとに、音楽業界の構造がアーティストにもっと均等な収益をもたらすために3つの方法があると解説している。


まず業界構造の縦のつながりとして、伸び代を見せるコンサートビジネスにおいて、コンサートプロモーターと既存の流通プラットフォームを統合できる可能性があるということ。次に横のつながりでは既存の流通プラットフォーム同士が統合できるということ。最後にウェブベースの流通会社は若いこれからのアーティストをターゲットにすることで、音楽レーベルとしての役割も担うことができるということ。これによりアーティストはより割高に収益を得ることができ、ウェブベースの流通会社はレーベルが獲得している収益を得ることができると提案。


個々の業種が独立していた音楽業界から変化と統合の時期がきているのかもしれない。





アメリカと日本の共通点


ストリーミングサービスでの売り上げ増加により、アメリカの音楽市場にとって2017年は2008年以来最も高い収益をあげた年となった。総じて言えばアメリカの消費者はこれまで以上に音楽に対してお金を費やしていることになるが、その内訳は明らかに変化している。その変化はアメリカに次ぐ大きな音楽市場を持つ日本と似ているとシティグループは調査結果で報告している。


アメリカと日本では音楽消費量における自国アーティストの割合が約90%と非常に高く、それによって孤立した市場となっていること。CDなどのフィジカルセールスが落ち込みを見せていること。コンサートへの消費支出が急増していること。そして消費支出の総額はこれまで以上の高値に近づいているという点において共通しているという。反対に大きく違う点として日本ではまだストリーミングにおける定額サービスが普及しきっていないことが挙げられている。



Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)のようにレコードレーベルと契約を交わさずにグラミー賞を獲得するアーティストも出てくる、音楽業界としては新時代に突入している2010年代。今回のシティグループの調査結果による12%という数字が大きいのかどうか立場により意見は別れるかもしれないが、より均等な収益を目指すのであればこれまで以上の速さで音楽業界に変化が起こりそうだ。




written by #BsideNews


source:

https://pitchfork.com/news/artists-made-only-12-of-music-industry-revenue-in-2017-citigroup-report-finds/

https://ir.citi.com/NhxmHW7xb0tkWiqOOG0NuPDM3pVGJpVzXMw7n+Zg4AfFFX+eFqDYNfND+0hUxxXA


photo: facebookir.citi.com

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