Ableton Liveがアップデート、最新バージョン「Live 10.1」の新機能をレビュー!

昨年のメジャーアップデートに続き、最新版のリリースが発表されたLive10、そのβ版を早速試してみた。
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2019.02.08 12:00

昨年のメジャーアップデートから約1年を経て、人気音楽制作ソフトのAbleton Liveが最新バージョンであるLive 10.1をリリースすることを発表した。

Ableton Live10が10.1にアップデート


昨年の約5年ぶりのメジャーアップデートでは、新機能としてグラフィックがよりポップなデザインに一新されたほか、新シンセ「Wavetable」や「Echo」など新エフェクト、さらに録音していない時に弾いたフレーズをキャプチャーできる「Capture」など以前のバージョンから大幅にパワーアップした印象があったが、今回は10から10.1のマイナーアップデート。そこまでの変化はないと思い、最初は高を括っていたが、実際に正式リリース前のβ版を使ってみたところ、これがなかなかどうして、以前の10に比べ、痒いところにも手が届くようなアップデート内容になっていて正直、すごい。というわけで、今回は実際に筆者がLive 10.1を使い、アップデートされた部分についてレビューしたい。



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ユーザーウェーブテーブル  


まず今回のアップデートではLive 10から新たに加わったシンセ「Wavetable」が進化し、ユーザーウェーブテーブルが使用できるようになった。Wavetableは、例えば二基のオシレーターの波形を単純にプリセットにあるものと変更して行くだけで、仮に知識がなくても非常にユニークな音作りができるわけだが、Live 10.1ではその波形をプリセットだけでなく、ユーザー自身のウェーブテーブルのほかに、サンプル音源の波形も取り込み可能に。そのため、例えば、自分が気になるワンショットのドラム音源だったり、声ネタだったりを読み込むことでユニークな波形もWavetableにロードすることができるというわけだ。これにより、また一段と音作りの楽しみが増えたことは間違いない。

 


Channel EQ 


Live 10.1ではエフェクトに「Channel EQ」が追加された。それによりさまざまな音声素材に合わせてカーブとゲインレンジを柔軟に変更させられるようになった。またEQの設定によってフィルターの形状が変化することで、音楽的なサウンドを常に提供してくれるのも細かい部分だが、音楽クリエーターにとってはかなりありがたい部分ではないだろうか?


Delay 


筆者は実は、新たに加わったエフェクト「Delay」が1番のお気に入りだ。Liveではこれまでディレイ系のエフェクトは「Simple Delay」と「Ping Pong Delay」のふたつに分かれていたが、それがLive 10.1ではひとつに統合。正直なところ、個人的にはPing Pong Delayは多用していたが、Simple Delayはあまり制作時に使ったことがなかったので、別に統合される必要はないと思っていたが、統合されたこのバージョンは実際に使ってみるとかなり良い感じ。Ping Pongボタンをオンにして、ピンポン効果の挙動を加え、Dry/Wet率を高めるだけでもなかなかエグいディレイ効果が実感できるが、フロントパネルで行えるJump、Fade-In、Pitchなどのパラメーター設定も侮りがたし。今後、サードパーティーのディレイだけでなく、このDelayもダビーでトリッピーな音作りに存分に活用できそう。 


オートメーションの新機能  


さらにちょっと細かい編集系の機能になるが、オートメーションの形状を選ぶパレットが搭載されたことも注目すべき点だ。ストレッチや傾斜の適用や、数字キーを使った値の入力も可能になった。またオートメーションをドローモードで描くときには曲線を検知して、複数のブレークポイントを「C」の形状や「S」の形状につなぎ合わせることが可能になり、セッションビューでクリップのモジュレーション操作にアクセスしやすくなったとのことだが、これまでの直線的なオートメーションのドローイングよりも自分の設定したい形のシェイピングを選び、組み合わせることで、より複雑なエフェクトなどのパラメーター変化などをコントロールできるようになったのは素直にありがたい。そのため、究極的にはこんないびつなオートメーションだってドローイングすることができる。



ズームとスクロールの操作性向上 


こちらも編集作業に力を発揮してくれるアップデート部分だが、Live 10.1では詳細ビューと編集画面全体の切り替えを効率的なショートカットキーですばやく行えるようになった。またこれはLiveをインストールしているPCに限った話だが指先のピンチ操作でズームも可能になっている。そして、アレンジメント・オーバービューの表示サイズが一定のサイズまで変更可能になったのも細かいところだがありがたい部分だ。Liveは10にアップデートされた際、視認性が向上したが、この10.1ではそこの部分も強化された印象を受けた。
  


そのほかにサイドチェインのフリーズ、VST3プラグインへの対応、エクスポートでリターン/マスタートラックのエフェクトを適用できるようになったのも今回のアップデートによる結果だ。 


このようにマイナーアップデートながら、より音楽制作ソフトとして強力に進化した感のあるLive 10.1。現在、AbletonではLive 10ユーザーから10.1のβ版テスターを募っているので、気になってはいたけど、忙しくてまだ試せていないという多忙なLiveユーザーは是非、この週末にβ版を試してみてはいかがだろうか? なお、アップデートやβ版テスターに関する詳細はAbletonの公式サイトにて公開中だ! 


written by Jun Fukunaga


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