伝説のUKロックバンドRadiohead(レディオヘッド)、「OK NOT OK」を聴こう

3rdアルバムのリマスター版、そして未発表音源の音源化
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2018.06.03 07:47


3rdアルバムのリマスター版、そして未発表音源の音源化


2017年5月、UKロックバンドRadioheadが ”OK Computer OKNOTOK 1997 2017"を発表した。DISC1には三枚目のアルバムOK Computerのリマスター音源が収録されている。DISC2には未発表とされてきた音源が収録されており、こちらも注目が集まっていた。


DISC1:ナイジェルゴットリッチの手腕と完成された楽曲たち


OKComputerは彼らの出世作である。このアルバムはロックバンドとして絶頂期にあった彼らが、1997年に発表したものである。DISC1のリマスター音源を聴くと、リマスター前の音源を聴いていた人は、改めてこのアルバムの完成度の高さに驚くだろう。そして同時に、当時のこのアルバムをプロデュースしていたナイジェルゴッドリッチの有能な仕事ぶりに気づくことになる。

DISC1のアルバムを聴いたとき、以前の音源とはどのように違いがあるかを着目して聴いていく。1曲目のAirbagのイントロから聴いた感じ、オリジナルと大きな違いは見られない。そのほかの楽曲も同様だ。リマスター音源とオリジナルの音源との大きな差異はない。しかしそれは、OK Compuerがいかに完成された作品であったかということの証明である。当時のトムヨークをはじめとするメンバー、そしてプロデューサーであるナイジェルゴッドリッチがいかにこのアルバムを洗練していったか。すでにこのアルバムは生まれたその時から、すでに完成されてしまっていたものなのだ。




ここまで研ぎ澄まされた音源は、時間を経ても錆びつくことはない。その美しさが廃れることは決してない。美しき絶望、果てしない虚無感。洗練された表現は、時空を超えても不変であり続ける。ロックバンドRadioheadの才能とその恐ろしさに気づかされた。






DISC2:ロックバンドRadioheadの未発表音源


なかにも未発表の音源は数多くあり、音源化を期待されいていた楽曲も多くある。今回はとくにI Promise, Man Of War, Liftの3曲が注目を集めていた。この3曲はこのアルバムを発表する直前にYou TubeでPVが公開され、話題を呼んだ曲だ。「I promise」はRadioheadらしいアコースティックサウンドをストリングスが絡み合うバラードソング。Man Of Warは狂気的なコード進行とジョニーグリーンウッドのギターのフレージングが神がかっている。Liftはエドのコーラスワークに注目だ。




この3曲の後に続く楽曲達も素晴らしい曲である。エレクトリックサウンドを駆使した「Meeting inTHe Aisle」。実験的なギターサウンドのLull。どこかPablo Honeyの頃を連想させるようなPalo Altoは典型的なギターロックサウンドだ。どの曲も一聴の余地あり。それぞれ曲の完成度は非常に高い。しかし、DISC2に収録された楽曲は、今までどのアルバムにも収録されてこなかった。その理由も聴いてみれば分かる。「Lift」や「Man Of War」を聴く「OK Computer」の楽曲中に似たものがあることに気づく。例えば「Lift」はオリジナル音源の楽曲だと「Led Down」とよく似たテイストになる。




アルバム1枚の楽曲の流れなどの考慮した結果、完成度は高いがお蔵入りになった楽曲が、このアルバムで日の目を見ることになったのだ。アルバムを通しての彼らのこだわりを強く感じる。


Radioheadの真骨頂を改めて実感できるアルバム


今回のリマスター版では、DISC1にしてもDISC2にしても、ロックバンドとしての彼らの完成された美感覚を再認識できる。Radioheadにとって3枚目のアルバムであるにも関わらず、高い完成度と実験性を兼ね備えた至極の1枚である。このアルバムの後、彼らはKid Aなどエレクトリックな音楽路線に進んでいく。彼らはこのアルバムを区切りに、一度ロックバンドとしてRadioheadを捨てることになる。今回の音源のDISC2にはそういった彼らの行く末をほのめかすサウンドも見られる。オリジナルの音源を聴いたことがないという方は、ぜひオリジナルの音源とも聴き比べてみてほしい。そして、Radioheadというロックバンド、否、一アーティストとしての歴史の足跡として、このアルバムを聴いてみてほしい。彼らが描く、美しい混沌と果てしない絶望を、どうか一度感じてほしい。




Photo:https://www.facebook.com/pg/radiohead/photos


Written by 編集部



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