アメリカを代表するアーティスト・Beck(ベック)について

日本ではバンド名よりも漫画作品としての方が有名なBeck(ベック)
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2018.08.17 09:00


日本ではバンド名よりも漫画作品としての方が有名なBeck(ベック)


Beckはアメリカのロックバンドである、というよりもフロントマンのベック・ハンセンが率いるバンド集団といった方が分かりやすいだろう。日本でも知名度はそれなりにあるが、どちらかといえば同名の漫画作品の方が知名度は高いだろう。もちろん漫画のタイトルは彼の名前から引用していることは言うまでもない。




Beckの簡単な経歴について


ここでBeck自身のデビューするまでの簡単な経歴について見ていこう。彼の父親はミュージシャンであり、彼の母親もまたビジュアル・アーティストであった。幼少期に両親は離婚し、それ以降は母親のもとに引き取られ育つこととなる。Beckはラテンミュージックやヒップホップなど、幅広いジャンルの音楽を聞きながら、また母親の仕事を実際に見たりと、芸術的な刺激を多く受けながら成長することになる。この幼少期のたくさんの体験がのちに音楽シーンに永遠に刻まれるような功績を遺すこととなる原動力となったことは間違いないだろう。


少年期にはすでに作曲を始めていたりと、音楽的才能は早くから開花していたようだ。高校は卒業せずに中退し、ヨーロッパの街中で演奏しながら旅を続けるという生活を送ることとなる。ここでの経験も大きな糧となっているだろう。1993年にはインディーズでアルバムを発表し、大きな話題となる、翌年にはDGCレコードと契約し、メジャーデビューする。ファーストアルバムから大ヒットとなり、一躍アメリカでのロックバンドのトップシーンに躍り出た。






サンプリングの旗手として


Beckがロックバンドとしてだけではなく、音楽的にとても高い評価を受けているのはサンプリング・ミュージックを巧みに利用し、今までにない音楽を発表したからである。Beckがメジャーシーンに躍り出た90年代というのはロックバンドだけではなく、ヒップホップやテクノなど、様々なジャンルの音楽がいわゆるジャンルの袋小路に入り、どん詰まりになってしまっていた。例としてあげるのであれば、当時ロックバンドの多くが演奏していたジャンルであるグランジにおいて、どの曲を聞いても同じように聞こえるという意見が多く聞かれ、新鮮味に欠けている状態であった。




しかしBeckはサンプリングを利用して、ロックもジャズもヒップホップもフォークも全部ごちゃ混ぜにして作曲した。すると今までにない全く新しい音楽を生まれ、オディレイというアルバムとして発表した。このアルバムは音楽シーンに衝撃を与え、多くの反響を呼んだ。


ジャンルにとらわれず自由に音楽を生み出すことが出来たのは、Beckが幼少期から様々なジャンルの曲を聞いて育ってきたからに他ならないだろう。普通の人はとかくジャンル分けをし、自分が得意なジャンル以外の楽曲は聞こうともしない人が多い。しかしそれは音楽を作り出すものとしてはアイデアが固定されるため、好ましいものではない。先ほど書いたグランジが全部同じような曲に聞こえる現象の原因は、作曲する側がみんな同じような曲を好んで聞くからだ。同じような曲を聞けば同じようなアイデアしか生まれないだろう。




しかしBeckは好きな曲にはジャンルは関係ないというような聞き方が出来るため、様々なアイデアが生まれる。そんな彼から生まれた音楽は今まで誰も聞いたことがないような新鮮な楽曲ばかりだったのである。


Beckのもう一つの顔


Beckはバンドとしての顔の他にギターでの弾き語りの楽曲を発表するというもう一つの顔がある。こちらは先ほどのサンプリングを多用した音楽とは全く違い、余分なものが一切そぎ落とされたとてもシンプルな楽曲となっている。しかしシンプルゆえにごまかしがきかないので楽曲のメロディーラインの良さが伝わるし、何よりBeckの歌唱力を存分に楽しむことが出来る。歌詞もこちらの方がより深い感情をうたっているという事もあって、本当のBeckファンはむしろこちらのタイプのアルバムを好む傾向にある。




Photo:https://www.facebook.com/pg/Beck/photos


Written by 編集部



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