LA発、TOKYO着のバンド「Shunské G & The Peas」

Written by Toru Miyamoto
&nbsp;最近、よくヒップホップブームって耳にする。テレビでラップのフリースタイルバトルが流行ってるからだろうな。ヒップホップってラップ、DJ 、グラフィティ、ブレイクダンスの4つの要素を言うんだけどとか思ってしまう（笑）。70年代、お金のない子供がお父さんのレコードプレイヤーを2台用意して、その間にミキサーを入れてレコードを楽器代わりにしてた。当時のポピュラーミュージックのレコードを2枚用意して、2、3小節のかっこいいフレーズをループさせ、そこにMC が煽ったのがラップの始まり。いまの時代はそのラップの部分に注目されている。けど、当時のサンプリングしたポピュラーミュージック、いまで言うソウル、ファンク、ジャズに注目し探究しているバンドがいる。それが現在進行形のヴィンテージグルーヴバンド「Shunské G &amp; The Peas（シュンスケジーアンドザピーズ）」だ。

「Shunské G &amp; The Peas」はソウル、ファンク、ジャズをルーツに活動している。2016年9月にEP「SOUL SKETCH」を自主リリース。そのなかの楽曲「Good Things」が、2016年に公開された映画「何者」の挿入歌として使用された。メンバーは、ヴォーカルのShunské G 、ギターのKeishi 、ベースの越智俊介、ドラムのタイヘイ、キーボードの井上惇志。また、トランペットの山田丈造がメンバーに加わり、初全国流通盤「PEAS OF MIND」が7月にリリースされた。筆者はヴォーカルのShunské G と高校の同級生で、アルバムリリースのタイミングで話を聞いてみようと思った。Shunské G はLA でゴスペル、ソウル、R&amp;B を歌い腕を磨いた。そして、日本に帰国後、バンド活動を開始。また、ソロとしてもMILES WORD × OLIVE OIL の楽曲「DOORS」やSANABAGUN のリベラルの楽曲「Blow Time Away」に参加など、東京を拠点に活動している。 LA での経験を彼はこう話す。
<h2>「日本人であることを客観視できた」</h2>
今回のアルバム「PEAS OF MIND」にはトランペットの山田丈造の加入だけでなく、Featured Peas というカタチでトークボックスのMatzuda Hiromu、サックスのTakeshi Kurihara も参加している。
「バンド名の由来がジェームズ・ブラウンのバンド、The JB’s の『Pass The Peas』って曲からとってるんだよね。そのなかの歌詞で ”Pass the peas like we used to say it” ってあって、”昔よく言ったように、豆を回せ”って。この『Pass The Peas』って言葉には、豆を回すときに隣の人とコソコソバナシをしたり、豆を回しついでに、いろいろできるよねって隠語があるんだよ。かつてのジャズの人がソロ回しをするときにも、Pass The Peas という言葉を使っていたらしい。Peas って豆なのはもちろんなんだけど、根源的なものを象徴してると思ってて。バンド名は『Shunské G &amp; The Peas』ってカタチをとってるけど、Shunské G も 豆（Peas） で、みんなが豆（Peas）なんだよね。ちょっと分かりづらいかもしれないんだけど（笑）。だから、Shunské G &amp; The Peas feat ... みたいなカタチをとってない。今回は、Shunské G &amp; The Peas のままにしてる。ホストバンドみたいなもんだよね。ホストバンドは6人だけど、セッションで遊びに来るような人もいるって感覚かな」
セッション感覚だから、フィーチャリングというカタチをとってないのか。バンド名にThe JB’s の『Pass The Peas』をサンプリングしている話を聞いて、ソウル、ファンク、ジャズに対するリスペクトを感じた。

今回、アルバムリリースに合わせて「Groove Me」のMV も公開された。映像は日本の古き良き映画っぽい感じに仕上がっている。
&nbsp;<div class="iframe-wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/MkU6mB1ECOI" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe></div>
「MV は5月に千葉県の古民家で撮ったんだよね。竹林のなかにミラーボールたらして。照明をHikari Asobi にやってもらえたことが大きかったね。竹林全体にミラボールの光が反射して、夢の中を歩いてるみたいだった。ディレクターをやってくれたMNDSET さんって人が日本映画が好きってのもあったんだけど、古い日本映画のオマージュみたいにしようってなったんだよね。アナログ感を出したかった。昔のVHS とか、テレビで流れたらおもしろそうな作品。やってる音楽は英詞でアメリカ由来のポピュラーミュージックなんだけどね。昔のファンクの人たちって、カラフルなスーツ着るじゃん。そういうイメージで日本のカラフル衣装だったらダボシャツだなって（笑）」
そういえば、LA に行って”日本人であることを客観視できた”ってどういうことなのだろうか。
「LA 行って気づいたのは、もっと日本をレペゼンしたいなって。海外はいろんな人種がいれば、特徴が浮き彫りになってくる。日本人であることに誇りを持ちたいと思ったんだよね。日本に帰ってから、セッションに行くようになって。そこで驚いたのは、演奏者がめちゃくちゃうまいってこと。日本は漫画やアニメとか有名なものがたくさんあるけど、音楽でも日本をレペゼンしたいってセッションに参加して思うようになった。デジタルミュージックに移行してるなか、自分が影響を受けたのは60年代、70年代のソウル。そう考えたときに日本人はものを大事にする文化があって、楽器を弾くのもうまくて。そういうとこが良いって思った。いまのバンドメンバーはセッションを通じて出会ったんだよね」
なるほど。けど、このアルバムには The JB’s のような曲がないような気がする。
「バンド名はThe JB’s の『Pass The Peas』からきてるけど、そういう曲は1曲もでなくて。精神性だけを拝借している。『Pass The Peas』って”ルーツに戻ろうよ”って解釈したんだよね。その気持ちを思い出すみたいな。メンバーそれぞれルーツがあって、みんな古いとこにあるのが、おもしろいんだよね。ジャズやファンク、ブルース。今回のアルバムに参加してくれたトークボックスのMatzuda Hiromu のルーツが80年代の音楽にあって。いままでになかった80年代っぽさが曲に出てきた。みんなの良いとこを引っ張ったのが今回のアルバム『PEAS OF MIND』。Peace of mind（心の平穏）って言葉をもじって造語にしたんだよね。この音楽は古いルーツにあるけど、これは2017年に出したから、2017年の音楽。いまを知るために過去に戻ってルーツを知るって感じ」
メンバーひとりひとりのルーツが違った時代にあり、その集合体が、Shunské G &amp; The Peas 。だから、ジャンルに縛られない楽曲が生まれるのか。今後はどういう活動をしていきたいのか、聞いてみた。
「海外の人たちにも知ってほしい。時間が経っても、こういう音楽をやっていることを伝えたいね。海外の人と、日本の人が同じ場所で聴いてくれたら嬉しい」
Shunské G &amp; The Peas のアルバム「PEAS OF MIND」は全国のレコードショップで発売中。また、音楽配信サービス「<a href="https://open.spotify.com/album/2QhBVpXmlAWV1yJHQA0YrY" target="blank" rel="noopener">Spotify</a>」、「<a href="https://s.awa.fm/album/8bddaf6605873fd4dc23/?playtype=copy_album&amp;t=1499180401" target="blank" rel="noopener">AWA</a>」でも楽曲公開中だ。8月27日（日）には、六本木VARITにてワンマンライヴも決定している。

Links:
Shunské G &amp; The Peas :&nbsp;<a href="https://www.shunskegthepeas.tokyo/">https://www.shunskegthepeas.tokyo/</a>

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